
大根女房
大根女房
皆様、大根役者という・と、どんな役者のことかご存じですか?
下手な役者のことをいうのだそうでございます。
ところが昔は意味が違っていたようで、初代 菊五郎がある時、芸のうまくなっ
た弟子にむかって「お前も近頃やっと大根になれたな。小遣いをやるから遊んで
こい」といってほめたという記録が残っています。
考えてみますと、大根はいつも自分がワキ役になり、相手を主役として引き立て
る働きをしています。
例えば、自分の身をきざんで、サシミのつまとなり、マグロの味を引き立てます。
また、自分の身をすり下して、大根おろしとなり、サンマの味を引き立てます。
場合によっては、長い月日を重い石の下で耐えてタクアンとなり、お茶づけの味
を引き立てます。
このように大根はいつも自分がワキ役となって相手を引き立てます。だから誰れ
からも好かれ重要視されるのでしょう。
ところで、普通一家の主役は、亭主で、女房はワキ役といえましょう。
どうかご主人を引き立て、愛される名ワキ役の大根女房となって、幸せな家庭をお築き下さい。
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