5月のツーリングレポ-ト

 今回のレポートはXR650Lの久山さんです。

 一陣の涼風が頬を撫でた。日暮がそこかしこで鳴いている。今年のクラブツー
リングで初めての快晴だ。ライダーにとってこれ以上のご馳走はない。ここ、赤
城の山々は、完璧に初夏だった。だがゆっくりと煙草をふかすXR軍団の2人は、
後方でなにが起こっていたハプニングに全く気が付いていなかった。
 5月30日の朝、土谷ペアと僕、久山の3人は大間々町のセブンイレブンに居
た。土谷隊長の脳に組み込まれた生体ナビゲーションシステムは正確に我々をエ
スコートし、集合地点まで誘導した。(土谷隊長に引っ張ってきてもらって本当
に良かった。自分でもじっくりとマップを見てきたのだが、久々に走る埼玉の道
は手強かった。)
 例によって集合は遅れたが、予定の一時間遅れで無事出発まで漕ぎつける事が
出来た。早速10台のティームで走り出し、良いペースでお待ちかねのダートへ到着である。「さっさと行っちゃいな」と土谷隊長の許しを得た、2台のXRsは、途中の分岐で待ち合わせる事を確認し、早々の走り出した。
 「一気に走りきるのはもったいないなーーー。」などと思いつつも、ちょっぴりペースを上げてみちゃったりして・・・。小中新地林道の終点近くの分岐に到着し煙草に火をつける。が、一本、2本と灰にしても・・・後続隊が来ない。かなり待った頃、STDのトレール車ティームとは違う、ズドロズドロとしたエキゾウストノーズが聞こえてきた。土谷隊長に話を聞くと、今回の不幸は、R80GSベーシックを駆る工藤氏を襲ったとの事。ちょっとばかし道から飛んで!?しまったそうだ。ウーン、怪我が無くて良かった。それにしても、GSはストロングである。(工藤氏も)


 

 そこで小休止したのち隊列を整えて、さらなるロングダートに入る。この辺りの林道はなかなかナイスである。人の手が入らず荒れているともっとよいのだが。もう一汗かいたところでランチタイム。まだこの栗原川林道は先が長いようでウキウキである。土谷隊長に走行写真をゲットしてもらいながら、後半戦の始まりだ。
 すると・・・、ありました、ありました、ゴツイゲートが。谷川にわずかなすき間があるので、仕方なく人海戦術でモンスター達を向こう側に渡す事となる。半分ほどの台数を渡し終えた頃、一台のランドクルーザーがやって来た。あろうことかドライバー達は起きて破りのスペシャルツールを取り出し、さっさとゲートを開けてしまった。うーん、今までの苦労はなんだったのか。ま、楽出来ればいーや、と残りのメンバーはらくらくとゲートを越えました。めでたし、めでたし。しかし実はめでたく無かったのです。面白くはあったけど。
良いペースで、走行開始、しばらく行くと、250ccトレールに乗る他のティームが止まっていた。聞けばこの先道が崩れて無くなっているとの事。にや、にやにおう!?しばらく全員で悩むが、とりあえず僕が支線を探し、土谷隊長が現場を見に行く事となる。僕が調べた支線は、3km程でデッドエンドになっていた。ガックリ戻ってみると、土谷隊長が戻ってきて一言。「大丈夫、何とか通れるよ。」しかし、他のメンバーは土谷君の大丈夫はすげー怪しい」と眉唾顔。「まぁ、とりあえず行こうよ。」と、気を取り直し、ハニーポイントに向かう。
 現場に到着してみると、なるほど、ライン一本残して、完璧に道が無くなっている。春の長雨のせいだろうか。気合を入れてまたもや人海戦術の始まりだ。どうしても抜けられないタイトターンはみんなでマシーンをゆすって、1台、1台通して行く。さて僕の番だ。しかし、わがXR650Lはさらりとクリアしてしまった。こういったシチュエーションではヘビー級マシンを操るメンバー達に申し訳ないなーと思ってしまう。楽してスミマセン。みんなも650Lに乗ろう。(さりげにオーナーを増やそうとする。)

 

 さて、そろそろ林道もエピローグだ。スリリングな崖を左手に見ながらタイトな道をクリアーして、今日のダートのメニュウは無事に?終わった。美しい夕暮れの赤城の山々を走りぬけながら、日本海に向かう人、地元の群馬の町に戻る人、高速道に乗る人、下道で帰る人と、それぞれの道に向かって走りながらの解散となった。久々に五月晴れのクラブツーリング、とても良い一日だった。また次回、体もマシンも元気で集まりましょう。