98年3月のクラブツーリングレポート(プレイバック) 
3月のクラブツーリングレポート

 
レポートはアフリカツインからBMW−GSに乗り換えた辻さんです。

 「アー・ユー・クレイジー!! 」
 「止まれ、止まれ」土谷さんの声が聞こえる。一方で、「いけー、父ちゃん、もう少しだ」
と悪魔たちのささやきが胸の中でこだまする。「もう少しだ、もう少…」 ドコドコドコ…、
 こてんっ。

 今年の1月31日、いつもは八王子で行っていたビッグ・オフのミーティングを、よりによっ
て近所のファミレスでやるという。そこで、春の合同ツーリングにしか参加していないイメー
ジを払拭すべく、夜の「デニーズ」へと向かった。「池内さんが事故って入院してるんだって」
「えっ、全然知らんかった」。
 「これから松田さんちに冷やかしに行くんですよ」「いいねえ、新婚さんは」。懐かしい仲間の名前が出てくると、普段の生活を忘れてしまう。隣では、新しくクラブに入ろうかという若者たち(?)相手に、土谷さんが楽しそうに話をしている。そんなこんなで今回の予定が決まってあっという間にツーリングの当日になっていた。

 3月29日日曜日、晴れ、午前8時半、超がつくようなバイク日和。千葉東金ローソンに集合したのは9台。エレファント(土谷氏)、100GS(松田氏)、ディグリー(松田亜紀さん)、アフリカツイン(佐々木氏)、80G/S(工藤氏)、ジェベル(工藤氏の友人A氏)、GS1100(瀬戸氏)、トランザルプ600(菊地氏)と今月から100GS/PDに乗り換えた僕。

 

 集合場所をバイクが走り出し、民家が途切れて、いよいよ林道に入ろうかという瞬間はいつもドキドキする。期待からではない。細いワインディングが大の苦手なのである。仲間に先に行ってもらおうとして、つい、亀走りになってしまう。しかし、一旦舗装路が切れてカワイイ砂利道が顔を出した瞬間、脱兎のごとくアクセル・オンしてしまう癖がついたのは、やはり悲しきオフローダーの性か。
 ところが今回はどうしたことか、走れど走れどカワイイあの子は現れない・・・。しっかり舗装された道をしばらく走った後、腹が減ったのでひとまず昼食タイム。亀も腹が減ってはなんとやらナノである。場所はそ 腹を満タンにして、再スタート。千葉がホームグラウンドの菊地さんの意見を頼りに、○○林道に入る。そして、ザザザザザッツ、突然舗装路が途切れた瞬間、丸半日じらされてから乗り入れた砂利敷きの林道はまたひとしおである。僕も気分はアクセル全開なのだが、みるみる引き離されていく。の名も亀山湖。

  

 2本目の○○林道に入る頃には、去年の9月以来走っていなかった林道の感覚も、新しいバイクの癖もつかみかけてきた。鼻歌でも出そうになった時、いきなりストーップ。道が無いのである。いや、正確には山の斜面が崩れて、道をふさいでいたのだ。人の頭ほどの岩がゴロゴロしており、当然向こう側はどうなっているか見えない。ところがどうしたことか、そこを皆ガンガン乗り越えて行くではないか。
 「アー・ユー・クレイジー?」と叫びたい気持ちを必死で押さえ、止まって待っていると、壁の向こうに消えて行ったメンバー(土谷氏、松田夫妻、工藤氏、A氏)が歩いて戻ってきた。「よかった、生きていたか」と抱きあって喜びたい衝動も束の間、「来ないの?」「・・・・・」。ここでビビっていては、キング・オブ・オフロードのステッカーの文字が泣くぜ、と奮い立ち、菊地氏に続いていざ発進。斜面を上がりきったところで一旦停止すれば大丈夫、と言われたのだが、そこはいいところを見せたい亀さんである。冒頭のような結果になってしまったわけだ。

  

 まあ、ツーリングは何かしらのエピソードが残った方が面白い。そして今回は僕がそれを提供したまでである。と、負け惜しみも毎回考えるのは大変なので、いい加減上達するようにしたい。
 この難所を切り抜けた後は、いつも通りの楽しいツーリング。途中、工藤氏のケモノ道アタックを横目で見ながら「もう、お前らの時代だよ」と呟いていた松田氏が印象に残る。夕方、金谷からフェリーに乗って、横須賀に到着。夕食を食べて解散。以上、ツーリングレポートでした。