2024年9月のクラブツーリングレポート

BOCメンバーの皆さん、大変ご無沙汰しています。
 おそらく本州最北端BOCメンバー(幽霊部員?)の青森県弘前市在住、不肖ハヤサカが
ツーリングレポートをお送りします。2017年9月以来、なんと7年振りのクラブツーリング
に参加しましたが、果たしてどうなることやら?

準備編
   
 最初は当日の朝に自走で行こうと思っていたのだが、弘前から白河までは約500㎞あ
り、キャンプ地に行くだけでも相当キツイということは明白だった。そんななか、BOC
会長の土谷さんがトランポで現地入りするという話を知り、自分もトランポで現地入り
することとした。
 とりあえず、バイクだけでも準備せねば…と思っていたが、なかなか準備が進まない
ままツーリングの前週を迎える。準備してあるスペアホイールのブロックタイヤを点検。
まだ1500㎞も走行していないタイヤのため、このまま使うこととした。
 そもそも、この車両でオフ走るのは次の走行時で通算3日目なんだよな…と思うものの、
BOCのツーリングなのに軽量車(KTM 500EXC)で行くのも勿体ないと考え、初志貫徹で
KTM890ADV-Rをクルマに積み込んだ。前週までの時点でできたのはここまでで、あと
は何も準備できていなかった。今思えば、ここでもう少し頑張っておくべきだった…。

9/13(金)

 結局、前日まで仕事が忙しく帰宅も遅かったため、出発当日の朝から大慌ての準備となった。バイクは積んであるし、ヘルメットやプロテクターも積込み完了し準備万端。
 13:00頃、青森県弘前市を出発。トランポのガソリン満タンにして東北道に乗り、あとはひたすら南下するだけである。
 盛岡過ぎた辺り、矢巾PAでおやつと朝食で「福田パンのコッペパン あんバター」を2つ購入。盛岡市民のソウルフードとも言われる好物を買って上機嫌な自分。このコッペパンを食べながらコーヒーを飲み、気分良く巡行していたのだが、何かが気になり頭の中で装備品を一つづつ思い返して確認した。そして気付いた。やっちまった…ブーツを忘れた。ツーリングでヘルメットの次に大事な装備を忘れるとは…ライダー失格と言われそうだ。
 ここで、時速120㎞(東北道の一部区間は120㎞/h制限)で一人会議を開催。引き返す?→時間とお金の無駄になる。じゃあ、どうする?→どこかで安いブーツでも売っていればいいけれど…。家にはブーツ3足もあるのに何で積み忘れる?→オイラのバカバカ~、こんなことを考えていたが、少しづつ冷静になり「とりあえず仙台近郊でブーツを購入」するのが時間ロスも少なく経済的ではないか?という結論に達した。
 宮城県の泉ICで東北道を途中下車、とりあえずNAPS仙台泉インター店でオフブーツを物色。すると、いろんなブーツが陳列されている中、新製品の防水ツーリングブーツがあり、DFG製で¥33,000(税込)。サイズはありもので27.0㎝しか選択できなかったが、小さいよりはマシであろうということで自分自身を納得させた。即購入。手痛い出費と2時間程度の大きなタイムロスとなったが、そもそも忘れ物をした自分が悪いのだからしょうがない。
 弘前まで戻るとなると高速料金、ガソリン代、往復に要する時間…折角の前日移動が意味のないドライブと化すため、体力温存も含めてベストな決断だし、たまたまツーリング用のミドル丈防水ブーツを購入する予定もあったので結果的に良かった。(と、心の底から信じたい)。ブーツの問題がクリアできたことで、再び東北道で南下開始。この時点で辺りは暗くなっており、なんとなく気持ちが焦っていた。
 白河付近のICはいつの間にかスマートICができており、そこで降りたものの初めての場所なので道がわからずGoogleマップ頼りきりでクルマを走らせる。以前行ったことがあるはずの白河関の森公園を目指すが、東北道を降りてからの距離感がよくわからないまま暗い道を走った。もしかしたら少し遠回りしていたかもしれない。自分は方向音痴なのかも。
 結局、現地には22:00頃に現地到着、睡魔に負けて寝袋に潜り込む。暫くするとLINEで連絡があり起きると土谷さんが到着していた。久し振りの再会で近況報告とバイク談義。しばし車外で歓談するも睡魔には勝てず就寝。この夜は駐車場で車中泊した。

9/14(土)

 8:00には出発する予定になっていたため、5:30頃には起床、車中で朝食を食べる。車外に出ると土谷さんも起床済み。辻口さんのハイラックスも準備中だった。
 この時、自分の脚の異変に気が付いた。出血している…。なんでも、ここ白河の関スポーツ公園はブヨが多く出るらしく、素肌を出していると瞬く間に噛まれて大変なことになると土谷さんから聞いた。以前来訪した時にはブヨに噛まれたかな…?と思い返すも記憶にない。それだけ過去の出来事だったということか。とにかく、ちょっとした隙を狙われブヨに噛まれまくった。
 皆が準備を進めているので、自分も遅れまいと準備していると1台のアフリカツイン(アドベンチャースポーツ)の新藤さんが到着。様子を伺っているとキャンプ地に荷物を置くために現地入りとのことだった。準備完了後に出発し、4台で集合場所のいわき市のセブンイレブンへ向かう。
 走り出してすぐに気がついたが、暑い…福島県南部と自分が住んでいる青森県北部では緯度がかなり離れており、気温差もかなりあったためウェアのチョイスを完全に間違えてしまい、暑さでバテてしまうのではないか?というくらい汗をかいていた。キャメルバックもクルマに置いてきてしまって大失敗だった。移動自体は結構早めのペースで気分良く付いていけた。走行中、とても久しぶりな感覚で走行した。これから林道を気の置けない方々と一緒に走るという嬉しさだったのだろう。
集合場所に到着後、やはりガソリンが気になったのでスタンドに戻って給油、戻ると集合時間を少し回っていた。既に気温は高く汗が滲むほどだったが、集合したメンバーはそれぞれに歓談していた。実に楽しそうだった。自分も数名とお話しし、今回初参加で貴重な東北メンバー、宮城県から参加していた福島さんに挨拶させていただいた。
 さて、それぞれ準備ののちにスタートするが、二木さんはスタート地点でチェーンスライダーが摩耗、走行困難とのことで別行動をとっていたようだった。お見送りありがとうございます。これからどんな林道を走るのかな、とワクワクしながら車列に付いていくが途中で停車。早々に1名脱落とのこと、なかなか来ない…遅れたのは誰だったのか?参加台数が多かったので自分にはわからなかった。暫く待つこと10分ほどではぐれメンバーも合流し、ようやく再出発。宿泊有りのツーリングイベントのため参加台数が多いため、少しのトラブルで大きなタイムロスに繋がるなぁ、などと考えながら舗装路を走行した。既に暑い…暑かった思い出しかないが、何℃あったのかはもう覚えていない。(なお、執筆開始時点で10/26です…)

  

 ようやく1本目の林道に入り、様子を伺いながらも段々ペースが上がる自分。しかし、時々自分に言い聞かせていた。この車両でのオフ走行はまだ3日目だということ、全く慣れていないことを。それでも、走りやすい路面に誘われてビッグオフでの林道の走り方を色々試したりもしていた。
 数か所の分岐を超えてダートの入口に到着。普通の林道の分岐だったが、自分が停車した時に目の前で2台の将棋倒しが発生。慌てて降りようとするも手間取り、バイク起こししか手伝えなかった。藤原(雅)さんのR1200GS-ADVに中谷さんのトゥアレグ660が倒れて道連れにした形だったのだが、藤原(雅)さん曰く「このバイクでの初ゴケだよ~(涙)」慰める言葉も見つからず、とても残念に思った。
 途中の舗装林道では路面が濡れており、なんか嫌な感じだなと思っていたらリアタイヤがニュルっと滑る場面が何回かあった。結構びっくりしたがバイクのおかげで大きくバランスを崩すこともなく無事だった。後ほどの休憩時には藤原(聖)さんに「リア滑ってたよね~」と声を掛けられ、意外に見た目も滑っていたのだなと驚いた。    

  

  

 前を走行していた格好いい890ADV-Rラリーは辻口さんの車両。その後ろを走行中、タイヤの摩耗が凄いことになっていてびっくりした。3部山くらいだろうか。あれだけ減っていても上手く林道を走破できるのだから凄いなぁと感心した。
 暫くすると先行集団が停車。なんだろう?と様子を伺うとUターンが必要らしい。伐採林道に誤って進入し通り抜けできないようだった。一度降りて切り返ししつつ方向転換したが、上手い人はクルンとUターンできるんだろうな~とテクニックのない自分を責める。転倒すると起こすのに体力を使うため、ビッグオフでは確実な方向転換や少しでも楽ができる方法を身につけなくちゃいけないことを思い出す。そして、そのようなことをツーリング先で教えてもらったことも思い出す。

  

   

 再スタート後は西口さんに追走した。追い付けるかな?と少し頑張ったものの、なかなか距離は詰まらない。安定した走りで豪快に石を飛ばす様は可能ならば動画で皆さんに見ていただきたいと思った。結構大きめの石も飛んできて腕や肩に当たり痛かった。
 その次の林道だったと思うが、比較的走りやすいルートをどんどん進んでいくと、明らかに草刈り後の様子が見られる道に変化していった。段々と様子が怪しくなり、峠付近で左コーナーに入ったところで先頭の藤原(雅)さんが停車。その先は未伐採の藪にしか見えない道?だった。暫く周辺の様子を伺う者、藪の先を確認する者、暑いのでヘルメットを脱いで休憩する者、様々な様子が伺えた。
 結局、この先進むのは無理という当然な結果に話はまとまり、本日2回目のUターン。林道の幅はあるので豪快にアクセルターン…ができればいいのだが、腕がない自分は路肩の斜面を利用して切り返し。でもサポートなしで転回できたのでちょっと嬉しい。
 確かこの先は高橋(良)さんが前、その前に藤原(雅)さんが走行していたように記憶している。高橋(良)さんは1190ADVからトゥアレグ660に乗り換えていたが、軽快な車両のおかげか以前よりも安定・スムーズな走りで楽しそうだった。かっこいいプリントの入ったジャージも決まっていた。藤原(雅)さんとは初めて一緒に走ったが、R1200GS-ADVの巨体を見事に操って今回のツーリング全行程の先導を務めていた。とても追いつけないな~と感心した。
 びっくりしたのは宮城県在住の福島さん。なんでもオフロード歴もビッグオフ歴も浅いとのお話だったが、普通に上手で不安感なく林道を走られていた。菅生で行われているスクールに参加しているとの話だったので、自分も受講したらレベルアップできるかな?と興味が湧いた。

  

 1日目の林道走行が終了し、買出し班と直帰班(BBQ準備)とに別れ夜の宴会準備に備えた。夜のBBQは皆が飲んで楽しく歓談、その途中で松木さんが登場。暑くて大変、とかお話しされていたけど、最後にポツリとサイン会のお話をされて、その話題に皆で驚いた。その飄々とした語り口に松木さんの人柄が見えたように思う。
 宴会も盛り上がった頃には、一人ひとりが自己紹介をするという貴重な時間を共有できた。自己紹介を丁寧に伺う機会もメンバー相互ではあまり経験がないのでは?いろんなエピソードでは懐かしい話もあり、知らなかったエピソードに笑い、とても盛り上がった。この後、何時頃かは解らないが夜も更けて自分は就寝した。
 一部のメンバーにおいては、その後3:00まで歓談していたという…翌日のツーリングに支障はなかったのだろうか。とにかくタフな方も居たようだ。

  

   

9/15(日)

 少し暑苦しさを感じて起床。朝食前に昨日のBBQの道具片付けやゴミ拾いなどを念入りに行った。丁寧にやっておかないと、次回から出禁になってしまうかもしれないので大事な作業の一つだと思う。台所では波方さんや吉田さんをはじめ、皆さんが協力して朝食のうどんを準備してくれた。優しい味のうどんを美味しくいただきました。ありがとうございます。
 いそいそとツーリングの準備を進め駐輪場に向かうと奇麗にバイクを並べて記念撮影を行った。メーカーや車種毎に並んだビッグオフのバイクがずらりと並ぶ様は圧巻だった。そういえばここからどうやって林道に入るの?と聞いたところ、林道入口まで距離があるので鹿角平観光牧場まで各自移動、そこで合流してから林道に入るという計画だった。
 2日目の林道を楽しむグループと、降雨を警戒して帰路につくグループとに分かれ、自分は20㎞先の集合場所に向かう。既に日差しは暑く汗が出てくるが、それでも雨が降っていないのでまだ快適か…などと考えていたら、なんだか交通量が増えてきて違和感を感じた。確か鹿角平観光牧場は普通の牧場なので混雑することはまずない。だけどこのクルマやバイクの多さは何だろう?
 やんちゃな雰囲気のスクーターや中排気量のオンロードバイク、乗用車の列に混ざりながら進んでいくと、集合場所の牧場はイベント会場となっていたようで激混みだった。何とか先行・後続のグループとも合流でき、少し待っていたのだけど連絡も何もなかったので林道に行くメンバーはこれで全員と判断され出発となった。実際には、福島さんと中谷さんが我々とはぐれてしまっており、大変申し訳ないことをしたと反省した。しかしながら、お二人はイベント会場でFMXの連続大ジャンプを見たりして楽しんでいたとのことだった。

  

 ようやく林道に到着して走り出してみると、とても走りやすい林道でいいペースで走ることができた。もしかしたら前日に西口さんから教えてもらったアクセルレスポンスの設定に自分が合ってきたのかもしれない。だけどまだ自分は今年延べ4日目、このバイクでも同じ日数なので気を引き締めて怪我無く無転倒で帰ろうと改めて思った。それでも、だんだん調子付いてペースアップしていった。すると、林道の途中の舗装部分で違和感を感じつつ進む。

  

 以前、第1回ラリー東北で舗装林道の苔か何かで滑って転倒、沢に990ADVを落としてしまった嫌な思い出が脳裏に浮かぶ。すると、所々でニュルっと滑る感覚があった。やばい、コケるかも…それでも先行する藤原(雅)さんと高橋(良)さんはどんどん先に行く。そして見えなくなった。上手いな~と思いながら自分のペースで進んでいくと、停車している。いや、停車じゃなくて藤原(雅)さんが転倒していた。起こすのを助けようとバイクから降りるが、その舗装の坂道は歩いてもツルツル滑るという最悪な路面状況だった。
 何とか皆で起こすのを手伝い、チュルチュル舗装路面に難儀していると、藤原(雅)さんが「もう先頭走るのやだよ~」と言っていた。今回は色々とツイていないですね、みたいな話をすると、藤原(雅)さんは「でも、結局自分で転んだから中谷さんの件は問題なし、ノーカウント。」と話し、将棋倒しの件は水に流すとのこと。素晴らしい、大人の対応だった。自分でも同じようなことを言えるのか?と考えたが、自分はまだ大人じゃないから無理かも…。

   

 結局、チュルチュル舗装は各自なんとか通過したが、自分はあまりにビビッて路肩の草の上を押して進むという一番地味な方法でやり過ごした。実にカッコ悪い…でも、まだ未転倒でオフ走行4日目の愛車を倒すわけにはいかないとこの時点でも必死だった。その後は数㎞普通に走行することはできたが、それでも時折リアタイヤのニュルっという感触は感じつつ緊張の糸は張り詰めたままだった。ようやく路面が乾いてきた辺りで停車し休憩。水分補給してこの先は本当に普通の一般路であることを確認し安堵した。
 昼食は鮎のヤナ場がある食堂でとった。料理が来るまでに皆で歓談。その中で、キャンプ地でスマホの忘れ物があるという情報があり、いろいろ確認したところ、どうやら二木さんのスマホのようだということが分かった。しかし、色々手を尽くすが二木さんと直接の連絡がとれないため、食事後に急いで営業時間中の白河の関地に戻りスマホを受け取っておくというミッションが発生した。暫くすると定食が出来上がり。汗をかいたので鮎の塩焼きがとても美味しく感じられた。食事しながらも皆でバイク談義。とても穏やかな時間が流れていた。

  

 食事後は直帰組と白河の関に戻る組とに別れ、我々(土谷さん、辻口さん、早坂のトランポ組3人)は移動を開始した。途中、そういえば土谷さんのエレファントは給油しなければならないのでは?と気になったが、先頭を走る土谷さんはお構いなしに結構いいペースで流す。こんなに飛ばして、途中のスタンドまでガソリン持つのかな?と心配しながら後ろを付いていった。後から聞いたのだが、実は走り出して早々にリザーブに入り、何とか間に合うかな?と思いながらの走行だったそうだ。ガソリンスタンドに到着してようやく小休止。ガス欠しなくて済んだねなどと談笑しつつむ白河の関に急ぐため走り出す。時々にわか雨にあたるものの、本格的に濡れる前に雨を抜けるタイミングの良さに助けられながら白河の関に到着。

  

 管理センターが閉まる前に到着できたが、それと同時に凄い強さの大雨が降ってきて、本当に間一髪なタイミングで到着できた。さすが土谷さん、ここまで読んでのハイペース走行だったのか…。
 屋根のある駐輪場で雨が小降りになるのを少々待ち、タイミングを見計らってトランポを移動、着替えや車両積込みを手早く済ませた。手早く着替えたりしたはずなのだが、この僅かな隙でもブヨは刺してきてあちこち血塗れになってしまった。
本降りとなった雨の中、管理センターに3人で徒歩移動し忘れ物のスマホ受領と閉店間際の売店でアイスを買って食べながら歓談。とても楽しい時間を最後まで過ごさせてもらった。別れ際、トランポを走らせるも何とも切ない、物足りないような気分になってしまった。それだけ楽しい2日間のツーリングだった。
 7年振りのツーリング参加はとても楽しかった思い出となり、また来年も参加したいと思った次第である。
そして最後に、二木さんのスマホは無事に手元に戻ったのか気になったが、まぁ何とかなっていたのだろう。(後日談も聞こえてこないし…)
御一緒したメンバーの皆さん、ありがとうございました。またいつか、どこかでご一緒しましょう。