2016年11月 クラブツーリングレポート

 14年目を迎える旧型アフリカツインに乗り続けるBlackAfricanこと二木が久しぶりに
レポートを担当します。

 3年間の大阪単身赴任でクラブ活動を休止していましたが夏に復帰、その間にBOCは
25周年を迎え新しい若いメンバーも増え誠に喜ばしい限りです。そんなわけでこの場
を借りて自己紹介させて下さい。
 横浜で生まれ育ち、その後はずっと東京中心(転勤でNY3年と大阪3年勤務)の生活
です。バイクは学生時代から道を選ばずどこへでも行けるオフロードバイク一筋、見知
らぬ土地をふらふら旅することが大好きで、その手段の一つがバイクといった感じです。
 30代では海外ツーリングにはまり、米国、カナダ、モンゴル、ニュージーランド、
英国、ネパール、マダガスカル等に轍を刻み、国内は10年ほど前に47都道府県を走破。
 バイク歴は、大学1年で通学用のスズキのランディ50(スクーター)でデビュー、横浜
新道をノーヘル(当時はOK)で毎日走ったものです。箱根やダートがあったヤビツ峠も
走りましたが、すぐに大きなのが欲しくなり、1年弱でプロリンクのホンダXL250Rにス
テップアップ、当時はやりの北海道ツーリングやエンデューロレースなども楽しみました。
 オドメーターが地球1周を超えるとさすがにバイクがヘタり、会社の独身寮の近くのバイク屋で偶然出会った美しいライムグリーンのKL600Rを衝動買い、これが初めてのビッグオフとの出会いでした。水冷4スト単気筒でキックのみ抜群の加速とセカンドギアの大震動でタンデムライダーをも楽しませたものでした。
 その後は、ホンダXLX250R、ホンダデグリー250(今でも最高の名車だと思っています)、スズキジェベル250GPS、そして現在のアフリカツインRD07に至ります。
 さて本題へ。11月の定例ツーリングは定番の大名栗林道。毎年同じ時期に同じ道を走る、ワンパターンともいえるこの繰り返しが何ともいえず好きになってきたのは歳のせいでしょうか。今回のマイハイライトは、ターニップランチと、未だに完抜けしたことがない西名栗林道。大阪単身赴任中に都内の自宅マンションのバイク置き場が満車になってしまい、やむなく横浜の実家にアフリカツインをビバークさせているため、ツーリングは横浜発。面倒だが、前日夜に重い冬用バイクウェアと月曜出勤用のスーツを抱えて電車で横浜に移動する。

  

 さあ、いよいよツーリング当日の朝、意外に暖かいが、せっかく持参したので電熱ベストをはじめとする冬用装備に身を固める。横浜ベースのツーリングは久しぶりだ。懐かしい国道1号線から藤沢バイパス経由で茅ヶ崎から圏央道に入る。遅まきながら圏央道の最南部は初デビュー、相模川越しに富士山が美しい。今日のターニップランチは香草焼きにしようか焼きカレーにしようか、いっそ両方オーダーしてしまおうかなどとつらつら考えながら渋滞もなく快適な走行を楽しむ。
 予定よりもだいぶ早く着きそうなので、一つ手前のあきる野ICで下りる。地図も見ずに適当に走り青梅市内へ入る。青梅市内まではいつも順調にたどりつくが、ここから集合場所の東青梅のコンビニまでを毎回迷ってしまう。自分にはこのように自覚していても必ず迷ってしまう場所がいくつかある。

  

 今日は慎重に地図を確認しながら走行し、順調に8:00過ぎに到着。圏央道がなかった時代は保土ヶ谷BP、R16経由で2時間以上はかかるところをほぼ1時間で走れるなんて隔世の感がある。
 いつものようにバイクが多く集まっているが、わがBOCメンバーが見当たらない。ちょっと焦るがVストーム650の川島さんを見つけて一安心。新メンバーの1190ADV樋口さんとF800GS村尾さんも交えしばし歓談、村尾さんはなんと名古屋から宿泊参加。ホットコーヒーを買いに行っている間に続々とメンバーが到着、珍しくほぼ定刻9:00までに総勢19名が集合、いつものバイク談義に花が咲く。
 稲葉さんと松田さんは近場ということで気軽に250CCでの参加、篠原さんはR100GSを西口さんは690ED-Rを今日はチョイス、バイクを複数台持っている人が羨ましい。大勢集まって嬉しいが、この人数だとターニップランチは難しいかも。実はかなり久しくターニップとは縁がない自分。やはり、早々にターニップランチを断念して林道での弁当ランチに作戦変更となり、メンバーがいっせいにコンビニに突入し食料調達。

   

 9:30頃に出発、19台の大編隊で成木街道を北上し大名栗林道を目指す。新型アフリカツインの吉田さんの直後にポジショニング、サウンドやクラッチワーク(?)をチェックする。やはり静かで滑らかな走りだ。自分の直後はハスクバーナ360Cの池内さん、2ストの小気味の良いサウンドとともに周囲にオイルの微妙な香りを漂わせる。交差点では時々1190ADV高橋さんの体を張った誘導(BOC新名物?)もあり、BOC本隊は順調に進む。
 途中の小沢峠では大型車に進路を阻まれ低速走行を強いられるが、暖かな陽ざしに自然と頬が緩む。冬でもこの時間帯の走りは陽ざしさえあれば楽しいものだ。チャリダーも楽しそうに走っている。
 ほどなく大名栗林道の入口の高級旅館大松閣に到着。前からここの温泉が気になっているが日帰り入浴は受けていないのでいつか泊まってみたい。新型アフリカツインの吉田さんが舗装路に迂回(まだピカピカの純正オンロードタイヤ装着のため)したため、18台で林道に突入。年々舗装化が進んでいるとはいえ、近場でそれなりにダートが残る大名栗林道、天気も良いせいか今日は行きかうバイクも多くて楽しくなる。もっとも大型バイクは我々BOCだけだが。

    

 高度を上げるつれ、ところどころ紅葉が目にはいる。今年の紅葉はイマイチとの評価が多いが、面でなく点で見ればきれいな紅葉も見つかる。こうした紅葉を探しながら走り、稜線にでたところの広場で休憩、再びバイク談義が始まるこれもBOCの楽しみの一つだ。暖かい陽ざしと山の凛とした空気が心をリラックスさせてくれる。
 しばし休憩の後、走り出す。ELEFANT900M土谷会長は恒例の撮影タイム、走りながらメンバー全員をムービーにおさめてくれる、毎度ありがとうございます。名古屋単身赴任でありながら、毎回の定例ツーリングやミーティングを欠かさない姿勢がBOC継続25年の原動力だと改めて感じる。紅葉を探しながら走るが、時々対向バイクもあり気は抜けない、ハイカーにも注意。
 水場を過ぎ、一本楓の木(今年もきれいな赤だ)を過ぎ、ちょっと疲れたかなと感じた頃に多くのオフローダーが憩う終点に着いた。メットとジャケットを脱ぎ、水分補給して後続を待つ。すぐに続々と到着、台数が多いわりにはトラブルなく順調に大名栗林道を走破。
 舗装路を下り、待望の西名栗林道の入口へ。名栗・秩父エリアの林道は30年以上も楽しんでいるが、いまだ完抜き経験のない林道だ。ターニップランチがなくなっただけに西名栗林道だけが頼りだ。が、残念無念、また今回も通れないらしい。

    

 林道からでてきた地元オフローダー情報によると、少し先で工事中・通止めとのこと。最近何度かチャレンジしたが工事現場にはかなり厳しい怖い人がいるとのこと。昼休みなら通してもらえる可能性はないかと質問してみたが、それも過去にトライしてだめだったらしい。ということで、工事現場を刺激しないほうが無難との判断で西名栗林道を諦める。まあ仕方ないさ、来年また来るし。
 土谷会長を中心にしばしルート作戦会議。時間との関係で秩父市手前のショート林道を目指すことに決定。ツーリングマップルにでていない、名前もよくわからない林道とのことだが、自分にはお初なことは確かなので気を取り直す。ここで、マシントラブル(何かが外れたらしい)の池内さんが離脱、迂回・合流した吉田さんと二人で仲良くターニップへ、BOC本隊は新しい林道へと向かう。

    

 里に下り、山伏峠を越え、旧R299に合流してしばらくのところで左折、まもなく待望のダートが始まる。ちょっとやばそうだ。廃道の雰囲気をぷんぷん匂わせる林道だ。完抜けできることが分かっていなければ、正直入りたくない道だ。今回は走破経験者がいるので安心して突入する。とは言うものの、狭い道幅と急こう配、大きくえぐれた轍、がけ落ちリスクもある林道で、気を抜けない。
 対向バイクがないことを願いながら登っていく。ダート距離は4km弱と短いものの十分達成感を得られる林道だ。何台か転倒もあったようだが、大きなトラブルはなし。
 やばい林道を登り切ったところで普通の道幅の林道に合流した。ここでバイクを止め、登山道を少し歩いたところでランチタイム。秩父市内を見下ろし、武甲山が間近に大きく見える眺望スポットで、久しぶりの林道ランチを楽しむ。暖かい陽ざしに感謝。

  

 昼食後は右に続くダートを秩父市内へと下る。それにしても武甲山がいい。お腹も満たされ、暖かな陽ざしに緊張感もほぐれたせいか、途中のゲートで1台が立ちごけ、つられてもう1台も立ちごけの小ハプニング発生。ソロだと難儀することもあるが、今回は仲間がいるので簡単に引き起こしてリカバー。
 林道を下ったところに大きな石灰工場、武甲山から採掘しているようだ。R299を出入りしている大型車はここまで来てたんだなと改めて思う。

    

 R299にでて、道の駅果樹公園あしがくぼで最後の休憩。多くのバイクとクルマで賑わっている。プレミアムソフトクリームが美味いらしいのでトライ、値段に見合ったおいしさで満足。ちょっと疲れた時には甘いものがほしくなるようだ。BOCメンバーも何人か食べている。走り終えた満足気な表情を暖かい陽ざしがやさしく包むまったりタイム。
 横浜実家の母親に野菜や果物をトップケースいっぱいに買い込む。ふだんスーパーで買い物しないので相場もわからずに適当に買い込む干し柿用の渋柿を間違えて買ってしまったのが大失敗。
 ここで解散、東京都内・埼玉県方面組と、多摩地区・神奈川県方面組に分かれる。向かうメンバーは。横浜へバイクを戻す自分は後者、旧R299-成木街道経由で集合場所の東青梅のコンビニへ向かう。渋滞もなくコンビニに到着、先ほどまでの暖かい陽ざしが遠のき夕暮れが近づいてきた。ここからは同じ方向のR1150GS北久保さんと1190ADV高橋さんの3台で走る。

   

 青梅ICまでの下道は信号のタイミングが意地悪でストレスを感じる。厚木PAでは、先行していたKTM640ADV山内さんと合流。渋滞情報をチェックしながら、各々の帰宅ルートを確認する。やはり東名は渋滞だ。ふと東の空を見ると、満月がやけに大きく美しく見える、明日はスーパームーンだっけ。今日も楽しい1日だったことに感謝。   (完)

今回のクラブツーリングに参加したメンバー達!。
・土谷 ELEFANT900M ・高橋 1190ADV ・池内 ハスクバーナenduaro 360C ・梅野 XR650R ・大友 R80GS
・西口 690ED-R ・川島 Vストーム650 ・佐多 F650GD ・北久保 R1150GS ・浅井 KTM 990ADV-S    
・篠原 R100GS ・山内 KTM640ADV ・辻 R100GS/PD ・二木 アフリカツイン750