TDR参戦記

  レポートはELEFANT900Mで初参戦の土谷です。

●プロローグ
 ちょっと前の話・・・。寒い冬で、自宅にこもりがちだった私は、とある
情報から「TDR」の情報を耳にはさんだ。ちょっと気になったので調べ
てみると、有名な「SSER」のイベントで、日野レンジャーでパリダカに出
場している菅原さんファミリーがゲスト出場していると知り、すごく気に
なったのが3月19日。そう、エントリー締め切りの前夜。さらにコマ地図
でのツーリングイベントであり、過去のイベントレポートを見ると、意気ワ
イワイ!な内容になっているようです。
 SSERさんのイベントと言えば、故ガストンライエ氏の日本訪問に合わ
せて行われていた「ガストンライエミーティング」以来、数年振りに参加
を決意し、締め切り(20日)の夜10時にオンライン申し込み完了。後は、
準備へ一直線。

●大会前夜
 天気予報では曇り~雨の予報で、ELEFANTを車に積んで、夜11時に家を出発。高速道路をスイスイ進むと、途中で濃い霧に視界を遮られ、夜中で知らない土地で少々道に迷いながらも、会場へ到着。とりあえずバイクを降ろして仮眠をとることに。そして、1日目の朝を迎える。


  

●DAY-1
 6時半に起床するとまずは、SSERスタッフに挨拶。敷居の高さを感じて心配もするが、スタッフの皆さんは、気軽に挨拶を返してくれる。その中に知っているスタッフメンバーも・・・。
 1日目の集合時間が9時と言う事もあり、8時になっても参加者が集まらない。9時を回ったころにチラホラ集まりだしたが、心配性の私は、受付開始と同時に車検を受け、コマ地図をもらい、準備を進める。朝方には小雨が降っていたが、受付を終わるころには陽が差してきて、スタートの頃には良い天気へと。
 ブリーフィングの時間になり、スタッフと参加者が全員揃ったところで、主催者の山田徹さんの挨拶とルート説明を聞いた上でいよいよスタート。私はゼッケン35番。当然、申込みが遅かったから最後尾かと思いきや、もう一人、次番の方がいた。
 ゼッケン1番の菅原義正さん(KTM 250EXC-F改)から30秒毎に1名ずつスタート。ブリーフィングでも言っていたが、今日のルートはダートが無い。その代り、磐田市周辺の観光名所を巡るルート。
 まずは、スズキ本社のリニューアルされた「スズキ歴史館」へ。歴代のスズキの名車(バイクと車)が展示されており、クイズではそんなスズキの歴史を散策。残念なのは、以前「怪鳥同盟」の時に訪れたパリダカを走ったDR-Zは本社倉庫に仕舞われており、ここには展示されてないと話を聞いてガッカリ。さっさと次に行こう!


   

 第2チェックポイントは、ホンダの創始者「本田総一郎ものつくり伝承館」。クイズの答えはホンダの夢を背負って作られた「ホンダ ドリーム」。その後はヤマハ本社の前を通過し、Kawasaki本社のある神戸市を経由し・・・のはずはなく、キャンプ地のゴールを目指して一路ひた走る。
 4時過ぎには皆、揃ってゴール。就寝場所のオートキャンプ場に場所を移し、同施設内にあるバーベキュー場で焼き肉食べ放題(かな?)の夕食。焼き肉を食べながら恒例の参加者が持ち合った、バイク関連グッズのオークションで大いに盛り上がり、夜が更けていった。


 

●DAY-2
 今日はダートを含む220kmの本格的なコマ地図ラリー。スタートの8時半には小雨が降り出し、雨具を着てのスタートになってしまった。先にスタートするエントラント達をGOPRO3で撮影しつつも、スタートが遅いとチェックポイントの開設時間が厳しくなるのも必然で、ちょっと心配。
 いよいよ2日目スタート。30秒前にスタートした前者を追いつつ、コマ地図を間違えないように慎重に走り出す。スタートして7kmで、今イベントの山場、「中田島砂丘」の一角です。松林を抜けるとそこは大砂丘。雨で視界が悪い事や、合羽を着ているので体の動きがし辛い。砂浜を走り出して、2~300mも進むと早速転倒。左側の土手に乗り上げ右側に倒す。起こそうとしても足元が砂にめり込み起こせない。誰かに助けてもらおうと思っても誰もいない。遠くにスタッフが写真&動画撮影はしていても、助けに来てはくれそうにない。パリダカでは自分以外に助けてくれる人は当然いないので、ここは頭を絞って考える。対策として、

1) 反対側のタイヤのある部分を足で掘って窪みをつける。
2) 
足場を案定させるために、踏み固める。
3) 
最後は CAGIVA(火事場)の馬鹿力!

  

 で、バイクを起こしあげてホッとする。荒れた息を整えてから再スタート。今度は、砂だけの部分より草の生えた部分の方が締まっていると思いそちらにルート変更。案の定、ハンドルが取られることなく、リアのグリップもよく前に進む。コマ地図によると砂浜は2kmと指示があり、時間で10分位だが、一日分の走りを楽しんだ気分になった。
 その後は、舗装路と林道を挟みながら、CP1-2-3とクイズポイントをこなしながら進む。とある林道の入り口ではエントラントが引き返してくる。理由はすぐに判明。そのままONコースを更に進むと、対向してくる1200GSさんに話を聞くと、「この先の登り斜面で、ガレと砂で荒れているから引き返してきた・・・。」 
 私は、ONコースから外れるのが嫌なのでそのまま進む。その先のルートは確かに荒れてはいたが走れない程じゃない。しかも、どこかで見たような傾斜とガレとS字カーブ。そうよく行く長野のスキー場のダウンヒルコースにそっくり!そんな思いがあって、この難所は+気合でクリア。最後はバンクに当ててクリアするも、勢い余って土手の右側に立ちコケ。砂浜で砂だらけになり、今度は粘土の土だらけになった。
 そして、次のCPでは、開設時間を5分ほどの遅れでペナルティを受けるが、数分なため時間を気にしながらそのまま進む。最後のCP5では、開設時間に5分前に着き、気が緩んだのかゴールの開設時間を勘違いして、コンビニで今回初めての20分ほどコーヒー休憩をとった。最後の舗装路リエゾン40kmをこなして、ゴール!

 
  

 着いてそうそう表彰式と閉会式が始まり、合羽を脱いだだけで席に着いた。主催の山田さんとパリダカ菅原さんの話で締めくくると、雨と言う事もありライダーの帰りの事を考慮して早々に閉幕。
 私は今回からバイクを1人で積めるようにラダーレールに細工をして、バイクにエンジンをかけて、車に積み込んだ。他の人から見ると「積めるの?」と聞かれるが、フロントフォークを10cm縮めればOKさ。積み込めさえすれば、後は片付けて帰るだけ。
 夕方の東名高速は渋滞するから会場のキャンプ場に併設されている温泉施設でマッタリし、8時近くに帰路に着く。長かった2日間もアッと言う間に終わってしまったが、久しぶりに「バイクだけの2日間」が思い出となった。
 次は、DOA in マザー牧場。今年はいっぱい、走りに行けそうだ。