2006年 TBI ツール ド ブルーアイランド レポート

                          TBI2006レポートbyM田たかくねん

 ゴールデンウイークの四国の風物詩、といえばTBIことツールド・
ブルーアイランド。昨年復活し今年は第
15回大会として開催されま
した。僕自身過去3度
BMW R100GSで出場しましたが、今回はXR25
0R
でエントリーしました。
 なぜなら、GSでしか参加したことがないので逆に、普通?のオフ車
の目線で
TBIを感じてみたい!みんなのようにさわやかにTBIを楽しん
でみたい!また競技者としてレースにちゃんと参加してみたい!など
の欲望がふつふつと湧いてきたからです。(まあ平たく言うと、気楽
なバイクで出たい、ということなんですが…)

 実は記念すべき復活大会となった昨年もエントリーしていたのですが、
大会直前の練習中に痛恨の骨折。あえなく不出走という憂き目にあって
しまいました。なので今年にかける意気込みは2年分。練習も準備も万
全???でハイエースにバイクと荷物を積み込み出発しました。


   
428(移動日)
 さて例年ではさっさとフェリーで行ってしまうのですが、今年は仕事と予算の関係上、高速道路をひた走って現地入りすることにしました。早速860キロのリエゾン、こんな長い距離を一気に走るのは若かりし頃?以来でハイエースといえども少々不安だったのですが、走ってみるとあっという間。お昼過ぎに東京を出たのに、日付が変わる頃には四国上陸してました。しかも楽しかったというわけで、バイクであれハイエースであれ、ボクは結構走るの好きなのね、と再認識。この日は松山IC手前のSAでハイエースの荷台の中でバイクと並んで就寝しました。

   
429Day1 車検、プロローグ 50.85km
 車検は朝の8時から、オールドファンには懐かしい奥道後ホテルで行われました。早めに現地入りしたつもりでしたが既にずらっとトランポが並んでいました。久々の参加なので顔見知りを探してまずは挨拶まわりなど。菅原御大を筆頭に、ババちゃん、カンちゃん、Y原くん達と再会を喜び合いました。その後バイクを降ろして車検の準備に取り掛かっていると後ろから黒ずくめのお方が。「バイクが違うじゃないか」SSERの山田さんです。「え〜と、あの〜、今年はXR でオフロードを極めようと…」などとついつい弁解?するワタシ。「ふ〜ん」と一応のお許しをいただけたようで、受付拒否などにはならず良かった良かった。



 ボクのXR250Rの改造点は、ビッグタンク、強化ジェネレーター、ヘッドライトのガラスレンズにHWバルブ、補助ランプ増設など。マップホルダーは軽量な手動タイプを土谷会長力作のステーでレギュレーションにあわせてハンドルバーから持ち出す構造にしました。いずれもXRの走行性能を妨げない、できるだけシンプルな改造を心掛けました。
 無事に車検を終えブリーフィングの後、プロローグランに出発。いよいよTBIが始まりました。今年のプロローグランは松山市内を巡回して帰って来るというもの。道後温泉やSSER本社などの観光地?をめぐるコースは、途中コーヒーサービスなどもあってなかなか味な演出です。帝人のヒルクライムも良いけど、個人的にはこんなプロローグもグッドでした。
 この夜は奥道後ホテルのロープウェイの山頂!で、松山市内の夜景を見下ろしながらのジンギスカンパーティー。スタッフの心のこもった歓迎は新しいTBIを予感させるものでもありました。

   
430Day2 松山・奥道後〜徳島・神山 392.67km
 ここだけの話し、実はボクはほとんどXRでツーリングに行ったことがありません。トランポでコースか、せいぜいサンドワークスで200キロといったところ。ところがさっそく今日は走行距離400キロにも届きそうな超ロングステージ。しかも内ダートが100キロ超というめまいのする内容です。
 今大会最初のSS45キロ付近で全長約7キロ。まずは軽く肩慣らしを、とスタートしましたが、やはり一旦走り出したら前方敵機発見!と必死走行。2台撃破とまあまあの滑り出しでした。
 その後は石鎚山スカイラインを登ってそのままうねうね山の中を行くリエゾンへ。さっそくTBIらしくなりました。しかもコース上ガソリンスタンドが在りそうで無く、そうしているうちにガス欠の危機発生。ビッグタンクのボクは何とかしのげたものの、ノーマルタンクの何人か(しかもビッグネームの方々)はあえなく立ち往生となったようでした。さすが山田さん、計算されたすばらしい演出です。
 ところでTBI名物の雨は何処へやら、あまりのドピーカンでうだるように暑い!早くもタイヤが心配になってきました。今回履いてきたミシュランコンペVはみんなに「硬くて交換が大変だ」と脅されて、「できればタイヤ交換したくない」とタイヤ温存作戦に変更。急ブレーキ、急アクセルはご法度で、リエゾンは極力ゆっくり、止まらず、淡々と走ることにしました。
 年齢を考慮し、タイヤだけでなく体力も温存していたつもりでしたが、200キロを越えたころにはブーツの重さに耐えられず?両足が痙攣し始めてしまいました。お尻も限界間近でしかも午後4時を回ったのにこれから剣山スーパー林道突入です。本当に初日から先が思いやられます。
 スーパー林道の最後の区間が今日のSS2。休まずに走っていると、あんなにゆっくり走っていても結構前の方でSSの順番待ちに到着できました。暗くなるのを待ってSS2スタート。道はフラット、さっきまでの亀さん走行から一転、ここぞとばかりフルスロットルでかっ飛びます。しばらく行くと前方の砂埃の中からビーエムのテールランプ発見!直線で抜き去っていつもと立場が逆転です。でもビーエム乗りとしてはちょっと複雑な気分でした。
 スーパー林道を少し外れて、この日は徳島県神山町のキャンプ場でビバーク。ビアサーバーも用意されていて至れり尽くせり快適な夜を過ごすことができました。


 

  
   第2部 (勝手につけちゃいました!)

ここだけの話し、XRでツーリングにさえほとんど行ったことがないボクが、「気楽なバイクで出てみたい」、とお気楽に挑戦したXRでのTBI。初日は思いのほか好成績で絶好のスタートを切ったのだが…。日本一遅いTBIレポート

  
 5/1(Day3 徳島・神山〜高知・やなせ 334.89km)
 朝昨日のリザルトが貼り出されます。GSではいつも下位ですがXRでは…と恐る恐るみると22位/94人という自分にとっては驚きの順位!これって入賞圏内(30位以内)じゃん。しかしこの瞬間からプレッシャーとの戦いも始まったのでした。
 この日のパルクフェルメ(バイクの保管場所)はきつい斜路を下った奈落の底みたいな所で、一旦バイクにエンジンを掛けてスタート地点まで斜路を登らなければならない。成績順に名前を呼ばれボクの番がきました。ちょっと緊張気味にキック!あれ?その後何度もキックすれど一向にエンジンが目覚めない。悪夢だ〜っ!!
 そうしているうちにどんどん順番も追い越されますます焦る。とにかくエンジンが掛からないことにはここを押し上げることさえできない。ひたすらキックを踏み続け、自分のスタート指定時間を10分以上過ぎてから、やっとやっと気がついた。それはなんとメインスイッチの入れ忘れで、ナビの機材に隠れて気づかなかった…(涙)。とはいえここで“XR素人”丸出しの大チョンボ!ペナルティは必至で折角の入賞チャンスも水の泡!ショックでみんなの慰めの言葉も全く上の空でした。
 続く朝のSS3はめずらしいコンクリートターマック(舗装)のSSでした。落ち葉が積もり粗いコンクリート舗装がわだちのように露出したきつい下りの道で、転倒すればヤスリのようでダメージは相当なもの、攻めるのがなかなか難しい。びびってリアブレーキ引き摺りっぱなし。後半は完全にフェードさせてしまい、ペナルティ挽回どころか不完全燃焼に終わってしまいました。
 この日のコースは高知をかすめつつ南下し室戸岬を通って再び北上するというもの。相変わらず天気は良かったものの次第にかげって300キロ付近の山深いSS4に到着した頃には、辺りはすっかり濃い霧と闇に覆われてしまいました。それでなくてもナイトランは苦手なのに(練習もしたことない)この霧。更にスタート待ちの間に、崖落ち危険ポイントの緊急告知があり、万一落ちた時、ホイッスルやヘッドランプをすぐ出せるよう携行品をチェックされるなど、走る前から恐怖心を煽られっぱなしです。案の定というか(オフィシャルの)期待どおりビビリまくって、またもやリアブレーキ使いすぎ→フェードの悪循環でメロメロなSSでした。結局今日は、朝のショックを引きずったままの一日になってしまいました。

   
5/2(Day4 高知・やなせ〜高知・中土佐 368.75km)
復活したTBIは朝も緩いのですが(大体8時スタート)この日は久々の朝4時起きの6時スタート。見覚えのあるキャンプ地だったこともあり、ちょっと懐かしい感じです。
 昨日のペナルティを覚悟してリザルトをみるとなんと総合29位。少々順位を落としたものの昨日のチョンボは恩赦?により不問となった模様。やったぁ!あんなに大騒ぎしたのにとにかく戦線復帰!!良かった、良かった。でも欲は禁物。順位は意識しないで自分の納得いく走りをしよう、と言い聞かせながら、出発してすぐのSS5スタートラインに並びました。
 このSSは下り主体でコマ図にコーションマーク(これ→!)がやたら多い。なるほど走りだすと石がごろごろしていて走りづらくオーバーランしがち。昨日はリアブレーキのフェードで苦労したので、とにかくブレーキを使いすぎないようスムーズに走ることだけを心掛けました。走り終えた感想は良くも悪くもない感じ。でもこういう地道な走りが大切なんだな、とも思いました。

 

 東へ走り出したルートは一転西へ進路を変えます。物部からは北上しそこにSS6が用意されていましたが、朝のブリーフィングで言われていた通り、生活道のこの林道を完全にクローズすることはできず、結局SSはキャンセルになってしまいました。
 林道ツーリングの定番ともなっているこの道(とは言ってもかなり荒れている)の峠には代わりにCPが設置され、見覚えのあるゼッケン01のプロシードが止まっていました。チェックカードを出すと中から、またまた見覚えのある(?)山田さんが出てきました。「前にここで会ったな」。そう、12回大会の時、骨折あがりで出場できなかったボクはカミさんと四国リハビリツーリング中で、やはりここでCPを開設していた山田さんたちと偶然出会ったのです。「良く覚えてますね〜」。この林道を下ると、分岐を東へ祖谷方面に向かうはず。そこで、「今日のお昼は大歩危で祖谷ソバかな」とふると「食ったらええ」とにっこり笑みを浮かべながら返してくれました。その後ルートは分岐を西に向かい、山田さんは本当に食えない人だなぁと思いました。
 朝スタートが早かった上順調にルートを消化して、今日は余裕のある一日になりました。道中久しぶりのお風呂に寄ったり、談笑したり、まったりモードでもうひとつのTBIをたっぷり楽しむことができました。しかし、余裕には理由があるのがTBI。まだ明るいうちにキャンプ地のライダーズイン中土佐に到着すると、皆手際よくテントを建てて早速マシン整備に取り掛かります。実は明日の夜のSSは今大会最長、なんと25キロの勝負SS!!今日はそのためのサービスデイでもあるのです。仕方ない(?)。ボクも意を決して、せっかくの温存作戦にもかかわらず好天続きで減ってしまったタイヤを交換することにしました。
 ところが履いているタイヤは手強いミシュランコンペV。案の定交換に苦戦していると、見かねたサンドワークス仲間のY田くんがモンゴル帰りの技を伝授してくれました。なるほど、人生常に勉強。なんとかリアタイヤを交換したところで今日の整備は終了(中途半端だ)。
その後はビール片手に今夜のメインディッシュ、かつおのたたきに舌鼓をうちました。この日はXRバハで参加のS井くんがオフィシャルに回収されて帰ってくるなどリタイヤも目立ち、人車とも疲れてきた選手たちにとっては丁度良い休息日にもなりました。順位は総合
26位と少し持ち直すことができました。(まだまだ次回に続く…。)