サンドワークスラリーレイド参戦記

 
 レポートは DT230ランツァでエントリーの山内 正博です。

 
『プロローグ』
 2002年9月、中古のランツァを友人から15万円で手に入れた。
土谷会長や松田さん達から「上手くなりたいなら小排気量のバイク
でしっかり基本を学ばないとダメ」と言われていたためだ。それに以
前から誘われていた「サンドワークスラリー」もコイツなら行けるかも
しれないという考えもあった。しかし整備が間に合わず、この年は参
加しなかった。実際は気後れしていただけだったのだが・・・。
 2003年9月、タイヤ、オイル交換などバイクの整備を終え、2週
間後にラリー参加となったがまだマップケースなどは完成していな
かった。穴開け加工が必要なリヤキャリアも取り付けていない。全
て自分でやるのも善し悪しだ(←手が遅いだけなのだが)。
 楽しみにしていたSSMへ合流するBOCのツーリングはあきらめ、マップケース、リヤキャリアの取付けを完成した。そして試乗に出掛けて直ぐ、自宅前の交差点で転倒! 「オイオイ、林道ならともかく舗装路の転倒なんて久し振りだよ!アクセル開け過ぎか?何やってんだよオレ!」リヤから滑ったバイクが滑走しガードレールに激突するのが転がる自分の視覚の片隅に入った。こうして山内のサンドワークスラリーはあっけなく幕を閉じた・・・。では困ってしまう訳で、交差点のギャラリーを前に何事も無かったように、まるで最初からそこに停めてあったバイクに乗るように極力自然に跨がると、幸いハンドルの曲がりも無くエンジンも掛かる。自宅に戻りチェックすると取り付けたばかりのリヤキャリアがひん曲がっていた。・・・「キャリアはいいけどさ、こいつでまだ一度も林道に行った事無いんだけど大丈夫?オレ」中免取った弟の練習用にずっと貸し出したままなのであった。

 
『2003年10月3日(金)サンドワークスラリー前日』
 午前10時頃、国道16号線沿いの町田市のコンビニに到着。こちらで昨年ラリーに参加した江川さんと合流。マップケースの制作からラリーについてのアドバイスなど大変お世話になりました。ありがとうございました。その上、集合に遅れてスミマセン(汗)。ここから20号線で会場の長野を目指す。天気も良く、ツーリング気分を満喫するが流石に長野は遠い。塩尻を過ぎた辺りですっかり日が暮れてしまい(←お前が集合に遅れたせいだろうが!)江川さんのアドバイスで残りの道程を長野自動車道で消化、午後8時頃現地に到着。我々が一番乗りだった。それにしても寒い。テントを張り食事から帰った来た頃にはポツリポツリと参加者が集まりだした。みんなで酒を飲みながら談笑した後、就寝。不思議と緊張せず良く眠る事ができた。

 

 
『2003年10月4日(土)ラリー当日』
朝には2輪参加者が全員到着(当然ですが・・・)。武石さん、原島さんは徹夜で自走してきた様子。燃える闘志、二人の男気を見せて貰ったぜ!BOCでは2年前のチャンプ松田さん(XR250)、昨年も参加の武石さん(バラデロ)・江川さん(DR800)、久し振りに参加の日本のぺテランセルと言われている男原島さん(スーパーテネレ)、私が誘ったミュージシャン和田さん(KLX300)、そして私山内。常連ではアフリカツインの鈴木さん(XRで毎年2位をゲット)、KLX300の川村さんの以上8名。
午前8時からブリーフィングがあり、午前9時にスターティンググリッドへ。参加者各人コースマップのチェックやマシンのチェックに余念が無く緊張した雰囲気が漂う。砂漠に掛ける男達の熱い戦いが今始まろうとしていた・・・なんて事は無く少人数であるし、アットホームな感じでスタートした。河砂の上や玉石の上は走った事が無いのでウケは狙わず、スタートだけは転ばないように注意した。

 

 
〜中略〜
 全てのラリーステージ170kmあまりを走り終え辺りはすっかり暗くなっていた。第3ステージでミスコースをしてしまい参加者中最後のゴールとなった。先にゴールした参加者達が暖かく迎えてくれた。その時それまでの苦労が走馬灯のように浮かび目頭から込み上げる熱い物を押さえる事ができなかった。
 途中ミスコース、転倒、スタック等のため何度リタイヤしようかと考えたことか!しかしBOCのみんなが待っている。必ずゴールしなければ!!今までの20年近いバイク人生の全て(内OFF暦3年くらい)をぶつけるんだ!右手に力が入り、チャンバーからのエキゾーストノートが夕暮れ迫る林道にこだました。
 テロップ→(・・・このドラマは全てフィクションであり実在の人物・団体と一切関係はありません・・・)

 

 実際は初めて乗ったランツァなのに、バイクの性能が良く(最大の理由は軽いため)サクサク進んでくれます。河渡りは軽量車にも関わらず難儀しましたが、それ以外はバイクが勝手に進んでくれます。しかしゴールはやっぱり最後でした。なんでって?そりゃあなた林道区間がたっぷりあるんだから一緒に走った事のある方なら分かりますよね?!早い遅いは排気量でなく腕ってことですね。
 ま〜ゴールした後はいつものクラブツーリングと一緒ですわ。みんなと風呂入って、酒飲んで宴会して夜は更けていった訳です。(←急に馴れ馴れしい口調)酒飲みながら考えました、苦労するだろうけど来年はアフリカで出ようと。BOCのみんなの熱い走りをみたら自分は反則だなって・・・しかし松田さんにはフリません。だって上手い人にヘルパーをやってもらわないと・・・コースを2周してくれてみんなの面倒見てくれそうな人は松田さんしかいません!来年も宜しくお願いします。えっ?・・・肝心のラリーの内容・体験談はどうなっているかって? それは来年一緒に参加しましょう!(←1回出たもんだから急に強気、イヤな奴です。



 『エピローグ』
 翌日はみんなで温泉に寄って帰ろうと言う事になった。別所温泉にある映画「卓球温泉」の撮影場所になった風格のある古風な温泉旅館だった。武石さんはこの近辺でもう一泊するらしい。温泉に浸かっていると随分遠くに来た感じでツーリング気分を満喫できた。帰りは江川さんと一緒に上信越自動車道に乗りのんびり帰宅。高速道路の途中、原島さんが颯爽と追い抜いていった。
 ラリーの翌週、近所に出かけるのにアフリカツインに乗った。 んっ???いつもと感覚が違う。いつもなら簡単にUターンできた4〜5m幅の路地で曲がれん!こっこっこれは!?(汗)身体がすっかり小さいバイクに馴れ、恐怖心からガソリン満タンのアフリカを寝かせて曲がれない(泣)この症状、未だに完治しておりません。