2018年 ダカールラリー 速報!

 南米開催10年目の今年のダカールラリー。
昨年総合カミオンクラス8位という快挙を上げ、さらにパワーアップした2台の日野レンジャーの模様をお伝えしていきます。同時にモト・クワド・オート・S×S(ミニバギー)のトピックスも同時にお伝えします。
 
(写真提供 日野自動車(株) / ダカールラリー公式HPより)

ダカールラリー 1月20日 STAGE-14 総合リザルト。

カテゴリー 総合順位 ゼッケン ドライバー マシン TTL-タイム
モト 1位 002 MATTHIAS WALKNER KTM 43:06:01
クワド 1位 241 IGNACIO CASALE YAMAHA 53:47:04
オート 1位 303 CARLOS SAINZ PEUGEOT 49:16:18
S×S 1位 361 REINALDE VARELA CAN AM 72:44:06
 カミオン 1位 500 EDUARD NIKOLAEV KAMAZ 54:57:37
トップとのタイム差
日野レンジャー1号 --位 521 菅原 義正 HINO RANGER STAGE-2 リタイヤ
日野レンジャー2号 6位 511 菅原 照仁 HINO RANGER 08:09:16

 1月20日
STAGE-14




 

 2018’ダカールラリーの終焉。

 2週間14STAGE、8000㎞以上に及ぶダカールラリーがゴールした。
 今年のコースは、前半戦に「振るい落とし」と言われる厳しい砂丘で、多くの選手が苦戦した。日野レンジャー1号車も、駆動系のトラブルで自走出来ず、早くも戦線を離脱したが、その分、2号車の菅原照仁選手が、日に日に、順位を上げ、最終的に、カミオンクラス6位という過去最高位の成績を残した。排気量1万㏄以下のクラスでは、9連覇も達成した。
 ゴールのボディウムでは、日野自動車の会長自らが出迎え、ここまで支えてきたメカニック達を称賛した。

菅原義正選手コメント
「今回は大失敗。気持ちを切り替えて次回改めて頑張ります。今回はコースも難しい中、照仁はよく頑張ったと思います。」

菅原照仁選手コメント
「厳しいコースがずっと続き、今まで走ったことのない場所も走れて毎日楽しめました。自分にとって20回目のダカールラリーで、目標通りの結果を出すことが出来て良かった。現在のポテンシャルを出し切れたと思いますし、満足度は高いです。今はほっとしています。 」
1月19日 
STAGE-13




 

 いよいよゴールのあるコルドバに到着。

 リエゾンを挟んだ928㎞(内SS=368㎞)の長い一日となった。今日の順位はカミオンクラス総合8位。コースは変化に富み、フェシュフェシュ(微細粒でソフトな土質)から堅い路面のグラベル、枯れ川を縫う様に進む箇所は、例年多くのギャラリーが居るポイント。南米開催で、何処に行っても地元の熱烈な人々に囲まれ、多くの声援を受けながら進む。地元にとっては、一大お祭り的なイベントだ。
 明日は、いよいよグランドフィナーレ。コルドバを起点とした119㎞のルートコースで最終SSが行われる。過去には、ゴール手前900mでリタイヤを喫した苦い経験のある菅原義正選手の事もあり、メカニックと気を引き締めて挑む。
 オートでは、毎日のようにトップの順位が入れ替わる中、昨年の優勝者ゼッケン300番のプジョーに乗るペテランセル選手は、1位を奪取する為に激しい走りで、駆け抜けていった。

1月18日
STAGE-12




 522㎞のロングSS。

 ダカールラリーも終盤のSTAGE-12。マラソンステージを無事に走り切った菅原照仁ドライバーの日野レンジャーはこの日も快調な走りで、SSを12位でゴール。右前輪がパンクしたトラブルもあったが、カミオンクラス総合8位とまた一つ順位を上げた。
 ゴールのアルゼンチン・コルドバに近づくにつれ、川渡りなどの丘陵地から、パウダースノーのような細かい砂の路面など、気が抜けないステージが続く。ここまでのカミオンクラス完走率は、27/44と4割近くの車両が脱落。サポート的な走りの出走車もあるが、結果を求めるワークスカミオンは、さらに熾烈なトップ争いを行っている。
 あとひと踏ん張り、日野レンジャーがどこまで食い込めるかに、期待したい。

1月17日
STAGE-11



 

最後の難関フィアンバラの砂漠地帯へ。

 ゴールのあるアルゼンチンに入り、280㎞のSSで、フロントタイヤのパンクにみまわれる。タイヤ交換に25分を要し、1分単位で順位の変動があるカミオンクラスでは、気ばかり焦ってしまう。
 今日のコースは、アップダウンの激しい砂丘があり、上手く走らないと登り切れない、下りも逆さまに突き刺さる車両があったりと、スピードとテクニックと経験が、大きな差をつけた。
 日野レンジャー2号車は、パンク以外は、丁寧でアグレッシブな走りで、SSを9位でゴール。カミオンクラス総合順位でも9位をキープしている。
 明日は、2区間で522㎞のSSが用意されている。残すところは、後3日、日野自動車から来た、5名のメカニックも最後の頑張り処だ。

1月16日
STAGE-10 





 

 アルゼンチンの砂漠帯。

 前日までの雨の影響を受けて、一時競技を中断していたダカールラリーが、アルゼンチンに入って再開された。カミオンクラスでは、372㎞で2区間のSSが行われ、日野レンジャー2号車はSS順位で11位、総合順位で8位となった。
 今日のルートは、アルゼンチン山麓からスタートし、標高も3000mを超えながら、砂の中に低草が交じり入っているデコボコ道(?)が多く、スピードが出せない区間と直線的なハイスピード区間があり、さらにナビゲーションも難しく、ミスコースする車両も多かった。ゴール寸前で、日野レンジャーは右前輪をバーストさせてしまったが、そのままゴールまで走り切った。
 今年から新しいカテゴリーとして「S×S」というミニバギーのクラスが新設され、個性豊かな車両が走っている。通常の4輪より車格が小さく、軽量で起動力は高いが、サイド窓にガラスが無いと、このような泥&砂では、車内は、バイクより悲惨な状況になってはいないのだろうか・・・。
 1月15日
STAGE-9
 

前日の雨でのSSキャンセル。

 昨日降った雨の為、ビバークを移動せざる得なくなったダカールラリー御一行。さらにSSも突然の雨で、あちこちに泥川が発生し、通行の危険を感じた主催者側で、15日のルートが、移動区間だけとなった。順位の移動はない。
 明日からは、後半戦~最終日へと続く、まさにラストスパートが始まる。ここまで大きなトラブルの無い日野レンジャーは、最後の勝負に打って出る!?

 1月14日
STAGE-8



泥沼化した2日めのマラソンステージ。

 昨日に引き続きのマラソンステージ2日目は、コースの所々が泥沼化し、ビッグな車体もあっという間に泥だらけ。標高も4000m近くの高地。低草の丘陵にグラベルのピストなど変化に飛んだSSをクラス10位と健闘。この2日間で更なる「日野レンジャー」の信頼性を広める結果となった。
 今日のビバーク地でも、昨夜からの雨で泥が酷く、野営出来る状態でないことから、主催者側から、野営地の移動と次の日のSSキャンセルが発表された。
 1月13日
STAGE-7





後半戦は、ウユニ塩湖へ向かって。

 作日の休息日でリフレッシュされた日野レンジャーは、後半戦1日目のステージへ突入。今日から2日間は、メカニックのサービスが受けられないマラソンステージとなる。ドライバーとナビゲーターの乗車者しか、車体に触ることが出来ず、部品の供給も禁止に。
 トラブル=リタイヤのリスクにも、日野レンジャーは果敢な走りで、368㎞のSSを13位でゴール。カミオンクラス総合7位もキープ。そして排気量1万L以下のクラスでも1位を獲得している。


高橋貢(日野レンジャー2号車ナビゲーター)
 「ナビは意外に難しくなかったです。バンパーがちょっと変形したり、フロントハブから若干のオイル漏れがありますが、基本的にノートラブル。増し締めなどして明日に備えます。」
1月12日
休息日
 



 ダカールラリーの休息日。

 7日目の今日は、ダカールラリーの休息日。唯一、競技の行われないこの日は、メカニック達には、大忙しである。
 前半戦のダメージの受けた車体を分解清掃し、また組み立てる。激しい砂や岩で傷んだ各部のチェックや、修理・交換部品もメカニックの目と経験で判断し、トータル的なバランスも考えてのセッティング、ドライバーとのコミュニケーションも必要である。
 明日からの後半戦に向けて、日野チームスガワラは一丸となって挑む体制を作っている。

 モトクラスでは、ワークス体制強しのKTMチームだが、その牙城を崩さんと、HONDA/YAMAHA/HUSQVARNA/SHERCO/GASGASなど多数の日本メーカー・海外メーカーのチームも多く見受けられ、毎日、順位が入れ替わるデッドヒートが行われている。果たしてHANDAは念願のトップチェッカーを受ける事が出来るであろうか!
1月11日
STAGE-6
 




 

標高4700mの争い。

 今日は、ペルーからボリビアへと標高4000mを超える山岳地で競技が行われる。カミオンクラスのルートでは、446㎞のリエゾンと312㎞のSSで、堅い岩盤と泥沼地が現れ、疲れ始めた選手たちには過酷な1日となった。
 快走を続ける日野レンジャー2号車は、この日も順調にルートを消化。1号車のような駆動系のトラブルには気を使いながらも、トップクラスと同等な走りで、SSを16位でゴール。カミオンクラスでは総合6位と、上位陣の一角をキープしている。
 明日12日はラパスでの休息日となる。1日かけて日野自動車選抜メカニック達が、日野レンジャーのメンテナンスと補修にあたる。

菅原照仁選手コメント
「今日から標高の高いところでのSSとなりましたが運転中は酸素発生器を使っているので全く問題ありません。前半戦を終えた時点のポジションは予定通り。これからは山道が続くので一層車体にケアして走ります。」
 
1月10日
STAGE-5 






 前半戦の山場ステージ。

 今年のダカールラリーは、とにかく難しい。初日2日目からSSでは新しく加わった砂丘群に、すべてのエントラントが苦しめられている。
 コースディレクターのユベール・オリオール(歴代ダカールラリー参加者)らが、近年のハイスピード化から、本来の「冒険」の要素を盛り込もうとし、今年は、例年以上の難易度となっている。
 ゼッケン511・菅原照仁選手の日野レンジャー2号車は、コース上にスタックした4輪にルートを塞がれ、25分の足止めをされ、SS10位となるが、カミオンクラス総合では5位をキープしている。

 かつてのWRCチャンピオン「ゼッケン303・セバスチャンローブ選手」もすり鉢状の砂丘の穴に落ち、自力脱出が出来ず、サポートカーを待つという事態も起こった。
 
1月9日
STAGE-4





 

 日野レンジャー2号車の快進撃!

 ダカールラリー4日目の今日のステージで、菅原照仁選手の駆る日野レンジャー2号車は、330㎞のSSで、カミオンクラス4位でゴールし、総合で5位までジャンプアップの快進撃を果たした。
 解り難いGPSのウェイポイントを的確に見つけ出し、並走するウニモグ(メルセデスベンツ)をギャラリーのいるジャンピングポイントで、一気に抜き去り、その激しい走りは、観客をも魅了した。
 昨日のトラブル・スタックで、リタイヤを喫した1号車の菅原義正選手は、ビバークへ戻ってくると、その時の状況をメカニックに報告した。

菅原義正選手コメント
 「ご心配をお掛けしましたが、羽村ともども体は大丈夫です。走行中突然ハンドルを取られて砂丘の斜面に埋まり、延々8時間以上砂を掘りました。こんなトラブルは初めて。戦列を去ることは残念ですが、その分も照仁たちに頑張って欲しいと思います。 」
1月8日
STAGE-3
 




 日野レンジャー1号車 リタイヤ!

 ダカールラリー3日目。この日の朝、日野レンジャー1号車はスタートラインに居なかった。前日のSSの砂丘でスタックし、駆動系にトラブルを負った日野レンジャーは、自走することが出来ず、アシストカミオンを待って、修理を行いSSを離脱し、ビバークへ戻ってきた。
 砂丘脱出の際、主催者側のカミオンバレーに牽引されたことが、レギュレーションで禁止されている為にやむなくリタイヤとなった。ドライバーの菅原義正選手とナビゲーターの羽村勝美選手には、健康的な問題は無い。
 日野レンジャー2号車の菅原照仁選手は、SSを9位で走り、総合順位も9位と早くも上位陣に食い込んできた。これからもまだまだ目が離せない。

日本では、あまりメジャーではないが、クワドの走りも見ごたえがあり、レースの状況も追ってみて下さい。

1月7日
STAGE-2





 本格的なラリーの始まり。

 ダカールラリーの醍醐味として、幾多の砂丘を乗り越えて、ゴールすると言うものがある。まさにSTAGE-2はそんな感じである。ループコースである276kmのSSでは、連なる砂丘とすり鉢状の吹き溜まりが足元をすくう。
 菅原義正選手の日野レンジャー1号車は、切り立った砂丘でスタックし、SSでの大きなタイムロスを喫した。夜7時の時点では、SSゴールが確認されてないらしい。
 菅原照仁選手の2号車は、難しいナビゲーションを小さなミスのみでクリアーし、カミオンクラス総合11位と順位を一つ上げた。
 明日は、太平洋岸を南下する296kmのSSが待っている。


 昨年に続き、2輪で出場している風間晋之介選手(YAMAHA TENERE450)はSTAGE-2を50位でゴールし、トップとの差は1時間ほど。大きな遅れもトラブルもなく、STAGE-3をスタートしていった。
1月6日
STAGE-1


 

 ダカールラリー 1日目。

 ラリー初日の6日は、リマのパルクフェルメより、242Kmのリエゾン(移動区間)と、31㎞のSS(競技区間)を砂漠地帯で行い、大きなトラブルは無くビバーク地のピスコに到着。
 順位は1号車が23位、2号車は12位とまずまずの手応え。ビバークで待つメカニック達と合流し、明日からの本格的な協議に備える。


 菅原義正選手コメント
 「初日は距離も短いので無理のないペースで走りました。今回3年ぶりにナビを担当する羽村君は、コツを知っていて的確な指示をくれるのでとても走りやすい。クルマはバッチリですが、サスペンションの調整をお願いしました。」
2018年
1月3日
車検




 最終チェックのラリー車検。


 リマの空軍基地で車検審査が行われました。
日野レンジャー1号車はゼッケンNO.521、2号車はNO.511と、昨年より若い番号へ。
車検では、車両の重量や構造部、レギュレーションに合っているか、書類の手続きや装備品に至るまで、厳しくチェックされた。
ドライバー・ナビゲーター・メカニックのメンバー達は、2週間に現地入りし、真夏を迎える南米の気候を体に順応させて、本番に備えます。

2017年
12月20日



 2台のレンジャーがリマに到着。


 2台の日野レンジャーがスタート地のペルーのリマに到着。チームスガワラのメンバーとメカニック達は、船から降ろされる到着したレンジャーを確認するとともに、スタートと整備の拠点になる、グループ・パナ社のCallao店に搬入されました。
2017年
4月22日



 2018’ダカールラリーツアー開催。


 2018年南米ダカールラリーに向けたワールドツアーが行われました。
 主催者のASO代表グザビエ・ガヴリー氏が来日し、過去の出場者の風間深志さん(日本人初出場者)とチームスガワラ、トヨタランドクルーザーの選手達を交えて、1時間あまりのトークショ―と次回大会へ向けての発表、エントリーを目指しているエントラントへの説明を行いました。