コマ練中部 ラリー信州2024’ 参加レポート 
     
   レポートはR100GS/PDに乗り、KTM250EXCでブイブイ乗り回す辻さんです。

 林道を含む一般道を、コマ地図を頼りにゴールを目指すツーリング・ラリー。この面白さにズブズブとはまり込み、参加したゼッケンシールだけでもいまや30枚に及ぶ。2013年に開催されたDOA(ドアオブアドベンチャー)参加が最初だったと思うが、当初はいわゆる手作り、手回しのマップケースでR100GSのトリップメーターをコマごとにいちいちリセットしながら走ったことを思い出す。
 参加回数が増えるごとに新しいギアが欲しくなり、ヤフオクに電動マップケースやラリーメーターが出品されると矢も楯もたまらず、落札するために価格競争にのめりこんだ。やっとの思いで手に入れた中古のマップケースは10年近くたち、鉄の棒を回すためのゴムチューブが切れてしまい電動ではなくなったものの、いまだに愛用している。

  

  

 さて、昨年還暦を迎え、人生のオドメーターも2巡目に入った。今回の舞台は佐久を中心とした林道を含む2日間コース。主催はコマ練。ビッグオフロードクラブのレポートではあるが、参加車両はR100GSではなく、KTM250EXCである。ビッグオフで苦労しながら走ってこそ価値のあるガレ場やヌタチュル林道も@楽勝で走れてしまう軽量モトクロスバイクはある意味「反則技」ではあるのだが、還暦を迎えたことを理由にお許しいただきたい。
 そして今回KTMで参加した理由がもう一つある。それは、ついに念願のトランポを手に入れたということだ。書くと長くなるので経緯は省略するが、7月にホンダのN‐VANが我が家にやってきたため、このラリー参加がバイクを積んで運ぶ最初の絶好の機会になった。
 集合場所会場となったのは佐久市の「佐久一萬里温泉ホテル」。早朝、東京を出発し、到着したのが受け付け30分ほど前の6時半ごろ。ホテルの駐車場にハスクバーナを積んだ近藤さんの軽トラを発見。四国からの参加、ご苦労様です!そしてスタート地点の駐車場ではコマ練スタッフがいつもの笑顔で迎えてくれる。土谷さん、ありがとうございます!

  

 コマ練主催のツーリング・ラリーでは、3年ほど前から「コマツアー」というアプリが使われるようになった。これが優れモノで、使いこなせばマップケースもラリーメーターも不要といってもいいほど。とはいえ、昭和オジには紙マップの出力とホイールの回転に応じたメーターはどうしても手放せない。
 1日目は総距離約250キロの行程。佐久を南下して462号線から余地ダム、田口ダム周辺の林道を周りながら北上。Googleマップによればこの辺りは日本で海岸線から一番遠い場所だそうである。佐久に戻って今度は東へ。蓼科スカイラインに沿って北上。安曇野方面へ向かい上田市までの間の林道を走る。この日のチェックポイントは、なんとあの山村礼子さんのお店、ペレファ・カフェ。ここで近藤さんと一緒になり、この後はゴールまで仲良く走行した。
ゴール後に聞いた話では、今回、草が生い茂る道を高速で走っていた人が石に乗り上げ転倒、骨折し病院に運ばれたらしい。また、狭い林道で反対方向から走ってきたダンプを避けられず衝突し走行不能になった人がいたなど。常連参加者や熟練者の事故やケガによるリタイアが多発。主催者は対応に追われたという。

  

  
 
 2日目は佐久から西へ。林道を走り継ぎながら今度は北上。気が付くと軽井沢の別荘地を走っていた。お洒落ないい暮らしをしている人達を横目に北軽井沢方面に進み、浅間・白根・志賀さわやか街道を東へ。嬬恋から高峰高原へと向かう。そして最後の林道を抜けて上田から再び南下しゴールの佐久へ。この日も近藤さんと合流しランデブー走行となったが、高峰高原入り口あたりではぐれてしまった。あまり書きたくないが、途中、ちょっと不愉快な出来事もあった。林道での追い抜きざまにアクセルを開け、後方に石を飛ばしてくる輩の出現である。私だけではなく、近藤さんも被害に遭ったらしく「こりゃ、悪質だから主催者にひとこと言っておいたほうがいいね」ということになり、ゴール後に加藤さん(主催者)にチクっておいた。同じイベントの参加者なのでお互い嫌な思いはしたくないが仕方がない。レースをやりたいならちゃんとしたコースでお願いします。まあ、いろいろあるのがラリーの面白さでもあるのだが。そんなこんなで約200キロの行程を何とか無事に完走できた。
 思えばパリダカにあこがれて乗り始めたビッグオフロードバイク。道なき道をコマ地図頼りに走るという冒険者スピリットをこうして手軽に味わえるイベントが各地で開催されているわけであるから恵まれている。気力と体力がある限りまだしばらくは続けていきたい。楽しんで続けるための条件はただ一つ、無謀な運転はしないこと、である。さて、あと何回参加できるだろう。