GSミーティング in ベルギー 2003レポート

  0.はじまり 

 ドイツに転勤し、はや2年になります。昨年3月末のベルギーのGSミーティングに行って以来、オフ走行の禁断症状に悩まされ続けました。そこでオフ走行が合法のフランスにせっせと通っていました。家から100kmも走れば国境で、そこからもう100km走れば林道の入り口です。こんな距離はGSの足なら大したことはありません。しかし、へたくそな上に単独行なので、濃いところに入る度胸はありません。景色が良いところでまったりするのが関の山です。

 

 これはこれで楽しいのですが、やっぱり大汗(冷や汗含む)をかかないとおもしろくありません。で、今年もベルギーに行こうと考え、昨年のオーガナイザーのRudiに問い合わせたところ、今年は6月に行うとの回答。場所はアントワープの近くだそう。(http://users.pandora.be/SpecialEvent)で、早速準備に入りました。去年は純正ウィンカーを壊しましたから、今年は社外品のフレキシブルなモノに交換。(個7 EUR也)チュル道が多いこともわかっているので、ケチらずにTKC80は新品に交換。これで準備万端です。

 

  1.6/6(第1日)

 この日は金曜日でした。6/9(月)はドイツは祝日なので、6/6(金)を休めば4連休です。で、当然のように休みを取りました。昨年と同じく朝からいい天気です。昨年は3月末だったので、当然今年の方が暖かいです。このため、通常のオフロード装備で出撃しました。出発は朝10時。目的地までの距離は約500kmありますが日没までは12時間近くあるので楽勝です。コースはアーヘンまでは昨年と同じ。昨年はブリュッセル近辺だったため、アーヘンの南をかすめて西進しましたが、今年はアーヘンの北をかすめて北西に向かいました。
 アーヘンを過ぎてすぐオランダ領内に入り、すぐにベルギー領内に入りました。もう13時頃でしたので、サービスエリアでサンドイッチを買って食べました。もうこの時間では30度くらいありそうです。この休憩の後は一気にアントワープまで走り、環状線を経て西進し、3つくらい先のインターで降りました。ベルギーらしい、のどかな風景です。道中、会場への標識が準備されており、迷うことなく会場に着きました。今年のオーガナイザーはRaf’s motorshopというバイク屋さんです。近くだと気付かなかったのですが、「看板がわり」にF650GSを使っていました。

 

 小さくて少々わかりにくいですが、このクレーンの先にぶら下がっているのはF650GSの実車です。(笑) お店の前で受付を済ませ、そこから200mばかり離れたキャンプサイトに移動しました。この人達はオランダ勢。昨年も来ていました。よく見かけたのが4バルブ系のフロント21インチ化。2バルブ系や社外品のリムを使っており、90/90のMT21を履いている人が多かったです。(アフリカツインユーザーと同じですね)リムのバルブ穴が中心よりオフセットしていることに関しては、全く問題がないそうで、そのまま使っています。その他はブレーキラインのとり回しと、フェンダーの加工だけで済むそうです。フェンダーは潔く取っ払ってしまっている人も居ました。なお、外径の変化によるスピードメーターの誤差は気にしないそうです。(笑)
 リヤもチューブタイヤに換装している人を見つけました。サイズは130/80ですが、荷重記号が69R。(MT63では無理ですね)これなら重量級の4バルブ系でも問題ないとのこと。やはりバルブ穴のオフセットはそのままですが、気色悪いので140km/h以上は出さないそうです。なんだかよくわからんメーカーのタイヤでしたが、TKC80より安いのでいいんだそうです。
 早速テントを張り、ビールの買い出しに行きました。(最重要事項)こういうふざけた格好で行きました。ベルギーのビールはアルコール度が高いです。この5銘柄のうち、一番弱いモノで6.5%、強いモノで10%です。2本飲んだだけでいい気分になりました。


 

 その後お店の近くに建てられたテントに移動、バーベキューです。この右の人がオーガナイザーのRaf。左の人は昨年のオーガナイザーのRudiです。スタッフの人達も私のことを覚えてくれていました.このDuvelというビールは8.5%ありますが、私のお気に入りです。「おまえ昨年は準備しといたDuvelを全部飲んじゃったんだよな!」と突っ込まれました。眠くなってきたので、キャンプサイトに戻りました。



 2.6/7(第2日この日もいいお天気でした。)

 さわやかに目が覚めました。今回のミーティングはゲロ道ツアー主体の昨年と異なり、さわやかイベント系でした。とくに主催者企画のツーリングも無かったので、イギリス人勢とブルージュに観光に行きました。片道100kmくらいの観光ツアーです。お茶してまったりし、そのあとは市内をうろつきました。
 観光客が多い中、怪しい格好で浮いていました。(笑)帰ってくると、バイクスタントの実演をやっていました。KLXベースのスーパーモタードと、レーサーレプリカです。やってることの激しさと裏腹に、このいい加減なウェアに注目。(笑)皮つなぎにスニーカーです。この後はメインイベントの、「ギネス挑戦GSだけ250台パレード」です。250台くらいでギネスレコードになるんか?とも思いましたが、


 

 GSばかりなので、なるんだそうです。白バイまで来ていました。結構な台数です。この後はまたバーベキューです。バンド演奏付でどんちゃん騒ぎです。去年来ていたベルギー人の女の子を見つけました。私のことを覚えていて、声をかけてきてくれました。でも彼氏付き。(笑)このあと、ほどなくしてべろべろに酔っぱらって寝てしまいました。この明るさですが、すでに22時過ぎです。この後ほどなくしてシュラフに入りました。

 

  3.6/(最終日)

 いよいよ最終日です。天気も良く、まったりと撤収準備にかかりました。しかし、突如雷鳴がとどろき、10分もしないうちに暗雲が立ちこめ豪雨になりました。即座にイベント会場の大型テント内に逃げ込みましたが、このテントすら崩壊しそうな暴風雨でした。

 

 オフロードツアーがある予定になっていたので、心配していましたがこれが典型的なベルギーの天気だそうで、「平気平気」と。(笑)この雨は1時間くらいで小降りになったので、いよいよ出撃です。この日に帰る人が多いので、ショートツーリングでした。しかし近場からの参加のベルギー、オランダ勢以外で同行したのは私だけ。「TKCでなくても大丈夫なトコロに行く」と言っていたのでオランダ人の1名は標準タイヤでした。私ははなっから信用していませんでしたが。(笑)
 山がないので、日本の林道と異なり、牧草地の合間を縫って走る感じです。アップダウンやガレ場が少ないのですが、チュル度はなかなか。のっけからヌタヌタ道に入りました。感触は雪林道のような感じで、フロントタイヤは抵抗を受けながら横滑りし、リヤはどこに行くかわかったものではないという感触。スタンディングでないとコントロールがまったく効かないのですが、スタンディングだとぐらっと来たとき足を出した時のショックが大きいので大変です。皆さん身長180cm以上で、でかいだけでなくごつい。重量級の4バルブGSが暴れても、XR600に乗っているように平気で抑え込み、走っていきます。ここでやはり標準タイヤの11GSが犠牲になりました。皆が休んでいるところに、どろまみれで追いついてきました。


 

 皆、「せめてTKCにしろよ〜」とはやし立てます。私は「標準タイヤで平気だって言ったじゃねーか」と突っ込みたくなりました。(笑)彼はここで脱落。朝の豪雨で水たまりが多く、ブーツはびしょびしょでした。私はゴアソックスをはいていたので平気でしたが。その後シングルトラックに入ります。シングルトラックはくせ者でした。水たまりの数、深さはそれまでよりもひどい。何回も川渡りのようなコトをしました。でもみんな全然気にしません。ここは写真ではわかりにくいですが、かなり深い溝でした。失速させたら目も当てられないところなのですが、助走区間がないのでスタンディングポジションも取れず、シートに座ったまんまで突っ込みました。それでもビッグオフの強みで、速度が低くても慣性重量が大きいので勢いで登れてしまいました。
 その後も似たようなところが目白押しでした。深い水たまりの連続で、ウォッシュボードの様なところを走っているときにとうとうヤってしまいました。路肩の浅いところをキャンバー走行的に通っていたのですが、とある水たまりが格別に深かったためキャンバーの角度が急すぎてズルっときて、泥斜面に乗り上げる形で倒れ込んでしまいました。ヌタヌタで、インジェクターのコネクターが泥に埋もれてしまったのでさっさと起こす必要があり、写真を撮れなかったのが残念。しかし、昨年の教訓でフレキシブルなウィンカーに交換してあったおかげで被害はエンジンガードの中破のみ。こんな感じでショートツアーは終わりました。


 

 あとRafのバイク屋に戻り、荷物を搭載、帰路につきました。出発したのは13時過ぎでした。アーヘン郊外までは天気が良く、いい気持ちで走れました。しかし、ドイツにはいるとあとは土砂降り。延々3時間、土砂降りの中を帰りました。今回もなかなか楽しい経験でした。今週になってから、ドイツ人の友人からメールが届き、8/23に日帰りオフツアーがあるそう。既に走行距離も6万km近くなった私のGSなので、そろそろシャフトも交換して備えたいと思います。(おしまい)