ガストンライエミーティングーファイナル・参加レポート

             レポートはエレファントを復活させた土谷さんです。

 今年も行って来ました。‘2005ガストンライエミーティング。と言っても
主役のガストンライエさんは、今年の2月に病気で他界されてしまったの
で、主役不在です。まずは申し込みから。
 開催決定以前から今年の「GRMは無いのじゃないか?」と囁かれてい
ましたが、9月に入ってSSERさんの方から「今年も行います。ファイナル
となりますが。」との告知がありました。私は過去5年(2001年開催)か
ら参加し、ガストンさんの走りや、参加メンバー達とのふれあいなどで親
しみも持っていたので、2月に「ガストンライエさん、死去」とのニュースに
は衝撃でした。心からご冥福をお祈りします。話をもどして、告知から2日
後に早速申し込みをし、開催日を待ちます。

 
1日目(11月5日)

 朝5時に起床、外の天気を見ると、まだ暗い。でも、6時前の出発には日が出てきて、綺麗な日の出をサイドミラーで確認しながら、中央高速を一路、河口湖へ。1日目の集合場所&コマ地図スタート地点の「道の駅 朝霧高原」へは河口湖インターから、下道で約30分。しかし時間も早い事もあり、家を出発してから到着まで1時間20分。近くでは、いい年をしたカメラ小僧が、富士山から登る朝日を撮ろうとカメラを構えていたが、そんな事より、今日走るルート、林道含めて360kmのコマ地図ツーリングの方に気が行ってました。
 集合時間になり、参加者もだいぶ集まってきました。ゼッケン2番の菅原義正さん。朝一ゲストの山村レイコさん、パリダカ界では有名な横田紀一郎さん、等大御所メンバーに混ざり、我がクラブからは私に松田さん(R100GS)、宮田さん(XLR250)、大槻さん(F65GSが修理中な為ジョベル200)、去年田中さんと一緒に走った林田さん夫婦(4輪で参加)や、BMW−HPNコンビの濱田さんに木下さん、知り合いの稲毛さんに小林(邦)さんに田中(正)さんにGSクラブの内田さん・・・その他大勢のメンバーとの挨拶。今年はKTM勢が特に増えて来た。恐るべしKTM!

  

 8時なり、ブリーフィングが始まり、SSERの山田さんの挨拶に、山村レイコさんや、横田紀一郎さんの挨拶があり、その後コマ地図ツーリングの説明があった後、スタッフの簡単な車検で、OKが出るといよいよスタート。ゼッケンはあるが、スタート順はフリーである。
 私は、とりあえず松さんと共に行動を共にすることに。スタート後はしばらく舗装路&高速をつなぎ58km地点より、1本目の林道に・・・と思いきや、スタッフの車があり、林道工事中につき、迂回路の指示が。仕方なく、77km地点の林道へ向かう。ところがこの2本目の林道も工事中で、U字抗以外50cm地面が掘り返されており、その先では重機が稼動中。先着隊の30台ほどが、迂回ルートを検討し再スタート。私のバイクはICOなどと言う高級なものは付いておらず、サイクルメーターでは、数字の加減算が出来ず、その後本ルートに戻っても、距離が合わずしばらく苦労する事になった。
 何とか距離メーターが、あってきた頃にCP1に到着。オンタイムなのにスタッフより早着。15分程して到着したスタッフからCPチェックを受けて、先を向けて走り出す。この後の舗装路区間で事故が発生。なんと先頭を走っていた松田さんが、信号待ちの車間のすり抜けで停車中の地元車に接触。GSのナックルガードが車のサイドミラーのカバーにぶつかりカバーが外れただけで済んだので、その場は連絡先等の話し合いで無事解決。本人曰く「まさかぶつかるなんて思わなかった・・・。」 後日、修理代と共に手作りケーキやお礼(?)のお返しなどで、そのおばさんとはメル友になったらしい。
 昼食タイムと50km区間の一般道を消化して、高速では松田氏のGSに振り切られる。その後、同じコマ地図を追いかけて走るが一度離されてしまった15分というインターバルは長い。CP2でスタッフに尋ねると、「20分前に通過したよ」と聞き、必死になって追いかけるも、林道2本、約30kmのCP3までで、5分しか追い付いていない。そこでスタッフが「10分休んでいったから、5分前に出発したよ!」と聞き、もう少しだと思っていた。(・・・これが甘かった)

 

 この先CP3からは、本ルートではあるが、高速移動と20km以上のロング林道である。スタッフの話では「このCP3を4時までに通過しないと、ショートカットルートになるよ。」といわれたが、5分前に走り出した松田氏を追いかけて私も脚を踏み入れる事に。スピードの載らない高速移動に、降りる頃には日も陰ってきて、ルート図が見難い。それでも、まだ見えてるうちは、目一杯飛ばす。ロング林道の路面は締まっており走り易くスピードが乗る。昼間ならきっと良い紅葉と景色が広がっているであろうという所なのだが、日暮れと共に気温もどんどん下がってくる。
 林道の峠の上のトンネルを超えた所で、CP4に到着。しっかりと日が暮れていた。そこにも松田氏の姿は無く、聞いてみると、「15分前に通過したよ。」と。・・・、ぜんぜん縮まっていないじゃないか!!!
 「あきらめるか」と決めると、後はのんびり。寒くなって来たので、オーバーパンツを履いて、フリースを着込み、ナックルカバーを装着。この後の走りは、ヌクヌクである。私のマップホルダーはナイトラン装備はしていなかったので、後続から来たF650GSの人についてゆっくりと走り出した。
 あとは宿泊先の白馬ホテルまでの30kmを残すところ。そして6時30分にはホテルにゴール。到着は70人中、50番目ぐらいであろうか。しかし、1日目のフルコースを走ったのは全体の4分の1ぐらいである事を考えれば、いい所かな。ホテルに到着後は、部屋番を聞き荷物を片付けてから、ゆっくりと大浴場で疲れと寒さを流した。
夜のミーティングはSSER代表の山田さんの挨拶から始まりましたが、その中では故ガストンライエさんに追悼の意味をこめて、過去のイベント参加時のスライド映像を放映し、1分間の黙祷を捧げました。
 後半は、BMWディーラー「フラット」の市川さんのチャリティーオークションで、盛り上がりました。参加者がそれぞれ持ち合った品に高値や安値、珍品、希少価値物まで様々。私は「TEAM GASTON RAHIER」のステッカー(?!)と知り合いの方の出品した、ツーリングパンツをゲットしました。しかし、食事はバイキング形式と言う事もあり、食べすぎておなか一杯になってしまい、早々と1日目はベットに就いたのでした。

 

 2日目(11月6日)

 朝6時半に起きると、早速天気が気になります。予報では「曇りのち雨」と出ていましたが、朝は曇りで思ったより気温が下がらず、とりあえず、スリーシーズンのウエア類を選択します。食事を済ませ、バイクのメンテナンスで、ドライブチェーンの調整、エンジンオイルの消耗分追加(500cc)、バッテリーの取り付け(気温が下がりすぎると、機嫌が悪くなるため夜は外して室内保管)を行った。9時の出発時間前に我がクラブメンバーと、その知り合い達で集合写真と、当イベントの全体集合写真を撮り、順次準備が出来次第おのおの出発。

 

 今日も松田さんに着いて行く(というか、私の性格から言うと・・・)と、一本目の林道は毎年恒例のガレの登りと、水溜りの尾根に、轍の深い下りの3本コース。林道デビューのR1200GSの人はガレ場でアッチャコッチャ向いて、轍の下りではF650GSダカールが轍にハマって転倒。何時のながらの少トラブルで、1本目の林道通過。本日のルートを説明すると・・・毎年同じなので、コマ地図無くても走れそうな気がする・・・。
 コマ地図75km地点ではパスチェックがあり、11時までに通過しないとショートカットさせられてしまうので、少し急ぎ気味で到着し、本ルートを進むも2本目の林道ではあっという間にOHV−GS&HPN−GSの力を見せ付けられて、離されてしまった。でも私はいつも通りのマイペースで安全に通過。4年、3年前とアイスバーンだった所も今年は問題なく通れた。今年のこの時期の朝の気温は暖かいのだろう。
 昼食は、松本市内で摂ったがこの頃から雨がぱらぱら降り出して来た。とりあえず雨具のズボンだけを履いて走る事にする。ルート138km地点ではパスチェックがあり、そこで「雨も降ってきたことだし、ゴール地は塩尻峠下の道の駅になったよ。この先のルートはどうする?」と聞かれて、「・・・、って言われても、行くなと言わない限り、先に進むのが僕達の意思だ!」と答えて走り出す。本日3本目の林道は、2年前松田さんに何かが起こった林道らしく本人曰く「今回は絶対にリベンジだ!」意気込んでいた。
 最初こそ緩やかだった登りがだんだんにきつくなり、おまけに路面にはこぶし大の石と枯葉と轍の難関セクション。初めこそ勢いでクリアしていたものの、途中で後続のGSに先行を許し、ペースを落とすも、右折ラインで右か左かで悩んだのが命取り。失速したのちに、アクセルを煽ってしまい、リヤスライドによる立ちゴケをしてしまった。しかも運悪く下向きに。あ〜〜〜ァ。「誰か来ないかな〜」と思ってみたものの、誰も来そうに無いので一人で頑張る。まずはリヤキャリアのスタックバーを持って、90度回転させ、下りに向いた所で、「エイや!」〜〜カジバの馬鹿ぢから〜〜〜! 何とか起こす事は出来たが、このままでは発進がつらいと思い、タイヤの空気圧を落とした。(家に帰って計ってみたら前後1kg/clだった。)抜きすぎたかなと思いもしたが、走ってみるとさっきよりも路面のグリップ感が数段良くなったのでOKとしよう。
 その後はグリップ感が良くなった事もあり、さくさくとガレ場をこなし、林道出口では先行していた、松田さん達に合流した。そこで雨脚も強くなってきて、雨具を着て、レインカバーを荷物に掛けて、ゴールに向けて、ラストスパート。

 

 タカボッチ山の山頂がゴール予定地ではあったが、雨の為、塩尻峠下の道の駅まで移動。山の上は霧がひどく、10m先も見えない状況だったが、下山すると霧は無くなったが雨は止まなかった。変更したゴール地ではSSERのテントで休憩し、暖かいコーヒーをご馳走になって、今回の走ったルートや、今までの「ガストンライエ・ミーティング」の思い出について話をした。
 話したい事はいろいろあったがそこそこに引き上げ、預けていた荷物をパッキングし直し、他のメンバーに別れの挨拶をしつつ、3時半には、帰路に着いた。
 今回のGRM−Fでは、ガストンライエさんの追悼イベントとしての開催であり、その中で出た話で、来年は北海道で開催しようと言っていた。それには、北海道○○○市に「ガストンライエ記念館」を建設するようです。
 この2日間で走った参加者の中には、きっとガストンの幻影を見ていた人もいるであろう。私も1日目のソロで走った時や、2日目のガレ場の林道でも、一人で寂しい感じはしていなかった。先行したメンバーを追っかけていたと言うよりも、後ろから後押しされて、前に進んでいたような気もする。過去に振り返ってみれば、ビッグオフに乗り始めるきっかけになったのも、ファラオラリーでDR−Zを駆り、砂漠でジャンプする姿を見て憧れを持ち、そしてこの様なイベントで、直に会って話す機会まで出来た事がバイクに乗っていて本当に良かったと思える瞬間です。