DRE Travel Adventures 2023’
  MULTISTRADA EXPEDITION - over 1000 kilometers on/off road

   クラブ代表の土谷会長の初ヨーロッパドゥカティアドベンチャツーリングのレポートです。


 プロローグ 2023年初頭

      
 2020年、「ユーラシア大陸横断&WDW2020」自走参加への計画が、中国発のコロナウィルスによる世界同時感染拡大により直前になって中止になった。パスポートや国際免許&国際車両ナンバープレート、ロシアのビザ、宿泊ホテル、海外予防摂取、各備品準備も進んでいたが使えずじまいになっていて、2022’WDWを狙っていたが、3年経ってもコロナ感染が収まらず、更にロシアがウクライナに軍事侵攻をしたために、ロシアにすら行けない状況に。このまま何もしないで終わらせたくないと、ドゥカティーで行くイタリアツアーの検索を続けていると、DUCATI 本国の英語版ホームページに「MULTISTRADA EXPEDITION - over 1000kilometers on/off road」のイベントを見つけ、これはいいかもと調べ始める。
   
 5月下旬
ツアーのエントリ‐方法について、ドゥカティージャパンのNさんにツアーの申し込みについて協力してもらい、 ツアーの主催者から返信メールが来て、英語のホームページを右往左往しながら、エントリーに関する内容を受理され申し込み完了が出来て、さあエントリー費の振り込み。しかしここで現状の世界情勢(ロシアのウクライナ侵攻)とコロナによる中国のイザコザで、ドルもユーロも爆上がりになっている。なんと1ユーロが153円(昨年までは135円位だった)まで上がっている。エントリー費(3110€)が日本円で47万円(+手数料5万)でトータル53万円の支払いとなった。
 国際免許の更新と航空券(ANAでちょっと割高往復40万円)の予約を進め、ツアー後半のフリーでのレンタカーや、海外旅行保険、海外用Wi-Fiルータのレンタル、観光地の下調べ等を重ねる内にあっという間に9月も終わり、いよいよ出発当日の朝を向かえる。



 
10/1 Day-1
 荷物を詰めてタクシーで最寄り駅より新幹線で名古屋⇨品川、山手線経由で浜松町よりモノレールに乗って羽田空港第3ターミナルに到着。「イモトのWi-Fi」を容量無制限でレンタルし、大型バックを預けて、出国ゲートを通過していよいよドイツ・ミュンヘン経由でイタリアよりミラノへ出国です。楽しみと不安でドキドキがいっぱい。ここまでが第1関門、明日はミラノ空港からトリノ駅までの列車移動ももっと不安・・・。
 飛行機の出発が40分遅れ、搭乗口の変更もあるが、到着時刻の変更は無いという。飛行ルートが北極に近いルート(通常はウラジオストックとイルクーツク上空を通過する)が、ロシアの領空を飛行出来ない為に北極圏を通過するルートで13000kmの航空距離で北極圏上空の通過。気温は−65度(!)を表示し、13.5H後に時差7時間のミュンヘン空港へ着く。現地時間で6:30という。出発も到着も夜中だから、窓際席なのに全然景色が見れない。
 しかし新幹線では大型ケース置き場のすぐ前、飛行機は3列窓際で、座席不問の選べなかった割には良い席が取れてゆったり出来ているのは偶然?それともラッキー?こんな所で運を使ってくれるな!



 10/2 Day‐2
 ミュンヘンまでの14時間のフライトは、エコノミーだから背もたれも倒せず寝にくかった。到着も日の出前(6:30)だから初ヨーロッパの景色は無しでとても残念だった。ミュンヘンでの入国乗り換えゲートでは、中国人がガチャガチャ言って、ドイツへの入国審査が進まない! 乗り換えの時間が1時間しか無いのに心配になる。他の国の人は1分もあれば通過で終わるのに、1人5分以上かかって、更にゲート詰め所に3〜4人で押しかけて、係員に下がるように怒られたり。それでも時間通りに次の便(ミュンヘン〜ミラノLIN空港)には間に合った。登場ゲートまでの道もいかにもドイツらしいおしゃれなブティックやレストラン・カフェが並び、これぞヨーロッパのイメージ。
 ミラノまでの便は、小型ジェット機で1時間半ほど。飛び立って景色を見て驚いたのは、遠くにアルプス山脈があるが、どこまでも続くフェヨルドのような細かな山並みが永遠と続く大地。実際はそんなに低くは無いのだけれど、どこまでも続く山並みは、日本には無い大自然の景観。



 ミラノLIN空港からは、タクシーかバスか電車かで迷ったが最終的には電車を選択。駅のホームがどこも地下にあるため北も南も解らないが、最初は片道方向なので取り敢えず乗車。切符の買い方も目的地の名称も解らないが、ミラノセントラルステーション(以下はS/Tと略)はM1エリア、今居るのがM4エリアと地図を理解して、そのように書いてあるはずの切符を2ユーロで買う。一本目は間違わず乗れたが、2本目で上下線間違えて郊外に向かってしまう。3駅で着くものが着かないので間違えた事に気付き、反対ホームに来た列車に乗り直して、目的のS/Tへ向かう。コマ図のミスコースした時のリカバリー体験が大いに役立った。
 鉄道を降りてからS/Tまでは、駅前通りのメインストリートを800mほど歩いたが、道路脇と歩道の間には自転車と電動スケーター専用通路が整備され、町中中心部でもオートバイの駐輪スペースが広々とあるのが、車とバイクの国の歴史も感じる事ができた。
 ミラノのS/Tは大勢の人でごった返していて、トリノ行きの電車チケットを買うのに行列で2時間弱の待ち時間。自分は急がないからユックリ待っていたが、他の外国人達はその混雑で、乗るはずの電車チケットが交換出来ず、代替車の予約をし直す為に更に混雑に拍車をかけている。(チケット売り場が3つしか無いのが問題?) 自分はキャッシュカード払いでオッケーと誘導員に聞いていたので、1分ちょいで終了。またもや中国人の若い女の子グループが、スマホ決算(購入不可)でチケットを買おうととしていて、誘導員に列から追い出された。それでもまだ誘導員に食ってかかっていたからとても見苦しい。自国の文化(と言えるか解らないが)を当たり前と思って外を知ろうとしない国民性はつくづく呆れる。



 トリノ行きの普通列車(乗車時間2.5H)は12ユーロ、特急(1H)は35ユーロと時間の都合でどちらかを選ぶ。自分は今日中にトリノまで着けば良いので普通列車に乗ったが、エアコンは付いてないし、電車は汚いし、車体に落書き(アート?)で芸術の国を演出。
 トリノ駅に着いてからは明日の集合場所のNH リンゴットHOTELの場所を確認してから本日の宿「Hotel Sant'Anna」まで約1時間、重い荷物を凸凹の路面を転がしながら汗だくで到着。宿は建物の1画をドミトリー式に分けて各部屋も綺麗で静かで落ち着いて良い。宿の通り角のカフェで夕食をしようとするが、立派な執事バリのバーテンさんは、イタリア語の解らない自分に嫌気を持ったが、オーナーさんが来て日本人と判った事もあり、サラダにパンにピザトーストのセットを用意してくれた。食後には、本場のエスプレッソとティラミスを勧めてくれてご馳走になり、本当のイタリア人の心の広さを感じ、最後は握手をして店を出た。
 「イモトのWi-Fi」で地図や情報を調べて、ポケトークで英語もイタリア語も言いたい事が解り合え、費用を掛けたけどそれ以上の役に立って、これが無かったらと思うと恐ろしい。全てが上手く行っている訳では無いが、何処となくやはり幸運に恵まれている感じがする。明日はいよいよ本番となるドゥカティツアーの始まりである。なんかもう十分にイタリアを満喫してしまった気がする・・・。



 10/3 Day‐3
 今日はドゥカティツアー初日だが、集合がホテルに15時なので、ユックリのつもりが朝6時に起きてしまい、近くの川沿いの旧市街を散歩する。日の出が7時なので、6時に起きても外は真っ暗。明るくなってから部屋を出ると川沿いの道は地元の人のランニングコースとなっており、多くのランナーとリード無しのワンちゃんが走り回っている。  30分も歩かない内に暑くてシャツを一枚脱いだがそれでも暑い。気温20度と言っていたが全然暑すぎる。明日からのツアーを少し寒目に見込んで、3シーズン用のジャケットを持ってきたが失敗だったか!?。お目当ての旧市街の歴史建造物は昨今の天候被害で全面補修中で、柵に囲われてほぼ見えない。一部見える所からだけの撮影となったが、往復1時間半のウォーキングはちょっと疲れすぎた。



 9時半にホテルをチェックアウトすると今日の一つの目的地の自動車博物館に向かう。前評判はなかなか良いらしいが、自動車の歴史の初期頃のレトロ車が多く展示されており、自分が想像してものとは、ちょっと違っていたが、他のお客さんは地元の年配の方が多く、人生を振り返るように夫婦でピクニックに来ているようなものでした。
 見学を終わってから博物館内のカフェでサンドイッチとマフィンとカプチーノで、ユックリ朝食兼ランチを取り、ツアーの集合場所であるNHリンゴットホテルに向い、ホテルに到着してもノボリ旗の一つもなく、ホントにこのホテルで良いのか? ちゃんとイベントが開催されるのか、不安になってしまった。





 3時過ぎにスタッフ側の到着で受付が始まりホッとする。女性2名、男性3名でイベントチェックイン(パスポート&国際ドライバースライセンス確認)とホテルのチェックインも済ませて、イベントがいよいよスタート。夕食の18:30まで各部屋に入って準備を整える。参加メンバーの中では日本人は私だけ。他はアメリカ、ポーランド、ドイツ、フランス、ドバイなどの総勢10名。自己紹介の後に、全世界から集まったと言われると、私がアジア代表となってしまっているではないですか!!!
 基本会話は英語が中心ですが、イタリア語が入ると言ってることが、全然、判らん! ま〜言葉なんか分からんでも、明日、走り出してしまえば問題ないでしょう。何しろ、全体がウエアもレンタルするくらいのアンチオフローダの雰囲気ですから。(この時はまだまだメンバーの力量を舐めていました)



 10/4 Day‐4
 いよいよヨーロッパ、イタリアを走る1日目。夜も不安と期待が入り混じり、軽く3時間寝落ちしただけで、朝を迎えてしまう。ホテルでの朝食を済ませた後、9時より早速ライドオン。異国の地を、右側通行や不慣れな地理を慣らす為に今日はV4Sをチョイス。マスツーリングなので前車に着いて行けば良しと、サクッとスタート。市街地は渋滞も無く、郊外に抜けると農耕地でヨーロッパでは当たり前の信号機の無い左周りの円形交差点もスムーズに通過し、山岳部目指して走る。
 傾斜が出てくる山道に入る前には決まって地元の町並みを、ガイドブックに出てくるようなレンガ作りの建物と石畳みの路面を通過する。そこからは一気に山路ワインディングをハイスピードで駆け上がり、気がついた時にはフランス領に入国、山の上のダムの景勝地はこれぞヨーロッパを感じさせる景色が広がっている。この時の気温が16℃、スリーシーズンジャケットで丁度良い感じです。





 景色と空気を味わった後は、来た道を少し戻り、更に幾つもの山を超え、過去にオリンピックで使用されたリゾート地の山小屋でランチタイム。気候的にも良いこの地でワインセラーがある小さなレストランでフランス料理に舌鼓を打つ(アルコールは無しですよ)。また幾つもの峠道のワインディング、街並みを通過し今夜のホテルへ。ホテルからはアルプス山脈の絶景が広がる雄大なロケーションに立地しており、ロビーも部屋も落ち着いた雰囲気。ウィスキーやワイン、カクテルやビールもあるバーカウンターも併設されており、他の参加者達はツアーのエントリー代に含まれる(かな?)飲食を自由に取って、フルコースのディナーを味わいます。
 私は、ヘルメットに着けたムービーカメラでスタートからホテルまでの6時間分の動画から10分間のムービー4本を編集し、皆に見せると感激してくれて、話が弾んだ内に名前を聞かれたりバイクや仕事の事を聞かれたりで、大人しい影の薄い日本人から皆に存在を認めてもらえた事がとても嬉しかった。





 今日乗ったV4Sは当然ノーマルタイヤで、ワインディングでのコーナーもブレーキングも一般道(いつでも100km/hオーバー)でも、安定したスムーズでストレスのないライディングをさせてくれる。まさにヨーロッパを走り抜ける為に作られたバイクであることを実感しました。すれ違うバイクはGSを筆頭に、ヨーロッパ車、日本車も多く見かけたが、流石にハーレーは殆どいなかった。



 10/5 Day‐5
 イタリアからフランスにかけてを走る2日目。今日は待ちに待ったV4 RALLYの試乗日。前日に乗ったV4Sとは違って、サスペンションストロークのアップや30Lのビッグタンクの影響で、切り返しの重心位置やサスのピッチングは自分のエンデューロと同じだが、やはりV4エンジンはよく走る。ワインディングも登坂もダートもグイグイ前に進む。サスのストローク(約2cm)が延びたから非常に足付きが悪い。右足で止まるとサイドスタンドに足が届かず、左足で止まるとブレーキペダルがやっとの位置。路面が傾斜している場所での停車には気を使う。走り出すとシートが高いのかハンドルが随分低く感じる。自分の身長でスタンディングしても立ちきれない感があり、高身長の外人さんではなおさらでしょうか。





 今日のルートは、第1ポイントの標高2360mのヨーロッパライダー御用達の有名な峠道。数多くのバイクがここを目指して来ており、両側に競りたった山肌とその景観には圧倒されます。断崖絶壁と素掘りのトンネルのある街道は、いかにもヨーロッパらしい道で、落ちたらまず助からないであろう高さは、高所恐怖症の自分は覗き込むことすら出来なかった。
 ランチポイントは、お祭りのように飾られた町中の小さなカフェレストラン。近くには歴史を感じさせる教会の石積みの鐘廊塔がある。畑の中をひた走る広域農道では、セーフティとか言いながら、地元&農耕車をバンバン追い越し、決して遅くはないのだが(70〜80kmは出ている)、それを追い越す為に瞬間的に120km以上出さざる得ない。今回のメンバーは飛ばす人が多いので良いが、大人しい人は着いて来れないだろう。
 今回唯一の約5kmのフラットダート(詐欺ではない)は、他車がノーマルタイヤなので、ペースはユックリ走る。私はラリーの性能を試すために、スタンディングとオーバーアクションで走ったが、V4のエンジンはマイルドで扱い易い反面、パンチ力にかける。グッと開けてもドロドロドロと立ち上がってしまい、余程でないとリアスライドは難しそうだ。
 この後、タンデム参加していたアメリカ人夫婦の乗ったムルティーが、センターライン際に落ちて流れていたオイルにタイヤがスリップし転倒。ドゥカティーレンタルのフルプロテクターが付いているウエアを上下で着ていた為に怪我はなく、バイクのミラーが折れた程度で、ツアーはそのまま続行。レギュレーションのしっかりしたイベント企画で良かったと思われます。





 今日の走行距離は、いかにもヨーロッパらしい景色の中の280km。山越えやハイスピードな直線路とワインディングで、小排気量のバイクが少ない事がよく分かる。あまり停車のない郊外ルートで良かったが、明日はまたV4Sに乗り換えて、ワインディングを多いに楽しむ事にしました。
 今夜のホテルは南に下った地中海に近い大きなロックウォールに背を向けた三ツ星ホテル。ディナーは別館(徒歩5分)で、近くのホテルの客を一同に集めての集合ホールで大変賑い。イベントも2日目になり、参加者同士の交流も活発になってきており、皆さん良きジェントルマンであって、私もつたない英語とイタリア語とフランス語で通じきれない中でも、交流を深めつつある今の雰囲気がとても楽しい。



 10/6 Day‐6
 今日のスタート時の気温は12℃。出発してすぐ渓谷沿いのワインディングを上り、手が凍えるからグリップヒーターのスイッチをオン。直ぐにホカホカのグリップの暖かさを感じながら走る。
 眼の前に広がる渓谷美は見る人全てを圧倒し、数百メートルありそうな高さの絶壁の脇を、50cm程のブロックがあるだけで、走るのに凄い緊張感を持たれる。渓谷を渡る橋に素掘りのトンネル、車だとすれ違いも難儀しそうなブラインドコーナーが続く。こういう渓谷や道路は、地震や異常気象の影響が無いこの辺りの地方独特のことであろう。地震があったら一発で崩壊し、通行止めのオンパレードとなる事でしょう。



 流石に2時間も走ると疲れも溜まり、小休憩をしてからもう次の渓谷へ。2車線はあるがトンネルの度に崖の外をバイパス迂回させられる右車線は、渓谷の恐怖を何時でも煽われる。ビューポイントの橋で止まり記念撮影するも、高所恐怖症気味の自分は覗き込む事が精一杯のチキンハート。その後は、またまた山奥のカフェレストランでイタリアンなランチを取り、その後の下りは赤い岩の渓谷へをひた下リ、人口の岩肌なのか解らないが、人がこの道を作ったとしたら、大変な苦労があったことを想像させられる。
 今日のバイクはV4S。朝方、ちょっと腰に激痛があり、腰に危ないコンディションなので、足つきの良いV4Sを選択したことは、ワインディングが多いとも言っていたので丁度良い。ただ、市街地に入るたびに凸の減速帯あるので、そこだけはスタンディングになる。





 今夜の宿となるモナコは大都会で海沿いに面した高級リゾート地。なので道路は当然ながらの大渋滞。すり抜け・脇抜け・割り込み地元のライダーはやりたい放題だが、適度に節度を持ったすり抜けで、明るい内にホテルに到着。高級リゾート地の一等地の崖上のラウンジからは、地中海に海に沈む夕日が見られた。



 10/7 Day‐7
 バイクに乗れる最終日の今日は、ホテルを出ると層々に高速道路に乗り、イタリア領内まで移動。高速を降りると山側へ登り、そこは一面ぶどう畑丘が続く。ワインを作るブドウ畑が丘陵地を覆う風景は、山梨県甲府市を思い出すが、ぶどう畑と其処彼処にある教会が歴史を感じさせます。
 休憩場所のカフェでは、こちらのツアーのムルティ達とは別に、直ぐ脇道からドロの着いたビッグオフローダー達が姿を表す。如何にも林道を走ってきたっぽく、ビックタンクやフェアリングを変えているバイク(アフリカツイン・ドミネーター、XR600・CRF450・スズキ・ヤマハ・KTM・ハスバーナ等)楽しげに談笑しているのを見て、私もちょっとあっちのメンバーに加わりたいと思ってしまったのはオフローダーの性。







 ランチの店はワイナリーが併設されて他の観光客でごったがえしており、料理が中々出てこない。ランチ後はトリノのホテルまで戻る一本道。ツアーの最後を締めくくる、この4日間を思い出しながらのラストラン。ホテルに到着して、アレクサンドラさん等と握手を交わし、ツアーゴールの完走の嬉しさを分かち合った。
 夕食はホテルから出て、トリノセンター駅近くのNHホテル本館の中庭のラウンジで一杯飲んで、メインはトレインレストラン(路面電車)の中で、イタリアディナーを頂き、約一時間の市内観光をしながらの楽しい時間でした。ワインを2杯も飲んだから、結構酔ってしまいました。







 10/8 Day‐8
 ここからは、今回のイタリアツアーの後半が始まります。
 昨日までのドタバタを終えて、モーニングで仲の良くなったメンバーとユックリ朝食を摂る。自分の予定は今日からレンタカーを借りて自力でボローニャを目指す旅となります。
 10時には空港までタクシー(料金は約30ユーロ、40分)乗車を経て、今度は自力で車を運転する。レンタカーの予約ではVWポロのハズだったが、案内されたのプジョー508ステーションワゴン。受付の人がコレねと言っていなくなっちゃったから、これになったのでしょう。なので乗り心地は各段にアップして最高です! 乗り出す前に情報でよく聞く車両の傷をチェックすると、前者の物と思われる傷が多数。返却時に文句を言われないように、証拠の写真撮影も忘れずにしておいた。
 いざ路上に出ると、車の操作に四苦八苦。前進後退、パーキングブレーキにウインカーを操作したはずがワイパーが動き出す。1時間経てば操作にも慣れ、右側通行とロータリーの回り方は昨日までのバイクツアーでマスターしてたから余裕でこなす。のどかな田園風景と所々に現れる古い教会と町並みを散策しながら南に向かいます。
 ここでも役に立ったのが、グーグルマップのナビと「イモトのWi-Fi」による常時ネット通信を可能にしたデバイス機器。これが無かったら、知らない土地で右にも左にも動けなかったでしょう。





 今日の移動は、ゴーレット地方にある「Hotel Miramonti」までの約200km。大都市は避けるルート選択で5時間で到着。この宿はKTM1290ADVに乗る、この辺りでは有名なライダー御用達のカフェレストランのオーナーさんの店なのです。ディナーはレストランでピザとビールを注文。一枚が大きくて四分の三を食べるのが精一杯。ディナーで出たピザは、とても美味しかったけど、食いきれない位の大きさで大満足! 食後の団らんでこのお店のオリジナルウイスキーを試飲。アルコール度数30度はなかなかな味わいでした。
 ここで注意しておきたいのが、クレジットカードの所持数。事前からソニー銀行のVISAカードを使用していたが、途中からICチップの読み取りが避れにくくなり、ブッキングCom使用のカード会社より変更通知が来た。このままでは予約が継続出来ないと。なので他のVISAカードに登録を変更。事前より複数枚の持参おすすめ情報があり、1枚のみの所有だったら摘んでいたかもしれない危機感。今回はVISA3枚と国内用JCBもあるが、これ以上のトラブルは避けたい。







 10/9 Day‐9
 後半2日目はホテルミラモンティでの連泊日。連日のドタバタから気持ちと体を休める為にユックリする。更に明日からのルート確認と宿の予約、明後日にかけての時間割をしながら過ごす。ホテルのオーナーとも親睦を深めながら、スマホのデータ整理や、衣類の洗濯もお願い出来てとても助かった。それにしてももう10日も日本語で会話してないけど、普段から話す相手も少ないし、気にもならないもんだな、と。明日からはラストスパートで、ピサの斜塔やボローニャのドゥカティーミュージアム見学までの道程を頑張る!



 10/10 Day‐10
 今日はピサの斜塔を目指す。朝8時半にホテルをチェックアウトし、山道を駆け上がる。ん、駆け上がる!! またまたグーグル先生の近道裏道案内で、対向車が来ないことを祈らざるえないような山道を登ると、そこは雲海が見れる絶景ポイント。グーグル先生はこれを私に見せたかったのか (のわけが無い!)
 山を下ると高速道路を107km、ローマ方面に向かう。高速に乗るのはバイクツアーでも乗っていたがその時はツアー代込み自分での支払いは無しだったので自動精算機だったらと支払いが心配。入口はチケットを取り、スピード制限が110kmと大分緩いが、あちこちで工事をしていて一車線になったりでペースはユックリ、のんびり走る。いよいよ出口では、精算機ではなく窓口に人がいてくれて、€12.0であっさり通過。支払いに戸惑ったらどうしようと言う心配は要らなかったのでホッとした。(事前情報では約100km€9.0だったから少し足が出た) おかげでピサの斜塔に着いたのが11時30分。駐車場も事前にチェックを入れといたのでサクッと停められ、いよいよ観光の開始。



 歩いて3分の好立地な駐車場のおかげで助かった。ドゥオウモ公園の外壁を歩くといよいよピサの斜塔がお出まし。テレビのようにキチッと傾いている。多くの観光客がごった返しているが、日本人の姿は無い。斜塔と寺院をぐるっと回り、チケット売り場があるので覗くと、30分後に1人だけ入れる時間割チケットがあるので、€20で購入。せっかくだから登っておかないとね。
 斜塔の階段も何となく傾いており、平行感覚が可怪しくなる。最上階まで登ると街中を展望出来る最高の景色。高所恐怖症だけど十分に楽しめました(真下は覗いてませんよ)。降りてからは外壁近くのショップでハンバーガーセットを食べ、お土産にトートバッグを購入しました。





 駐車場代€10.5と施設トイレ使用料€1.0を払って、今夜のホテルに向かって出発。途中で燃料(ディーゼル)を入れるのにスタンドに寄り、€50.0を渡すと満タン給油? 1L=€1.8で25L入った。ここまで450km近く走って、この燃費ならディーゼル車も悪くないでしょう。
 今夜の宿は、レストランとの併設だったが、レストランは閉まってるので、近くの食堂(イタリアンレストランだけど、いかにも地元やドライバーが立ち寄りそうなフレンドリーな大衆食堂)で取る。またもや言葉は通じないけど、グーグル翻訳で、注文も会計も会話応答が出来る。言葉の壁はもうそんなに高くない。でも、話せるに越したことはないでしょうが。挨拶の一言二言で世界は広がる事を実感できた今回のイタリアドゥカティツアーである。





 10/11 Day‐11
 今日はレンタカー移動最終日。昨夜の宿はオーナーも居らず、食事も全く無いから完全素泊まり€45。知らない国と土地で寝る場所確保だけと思えば良しとしましょう。
 9時に出発したが、昨日に気になっていた石のアーチ橋が通り道にあったので寄ってみた。歩行者専用で急傾斜とアーチの形が有名で、ガイドブックにも載っているらしい。
 ボローニャまでのルートは下調べしたにも関わらず通る道が狭い。最短ルートで国道っぽいが、見通しの悪いカーブが続き、カーブミラーも無い。対向車が少ないのがせめてもの救いだが、街中では車1台がやっとの所をたまに大型車とすれ違い、流石に気を使う。やっとボローニャの街が近づき道路が広がり、到着までの距離が30kmを切ったからレンタカーのガソリン補給。またもやソニー銀行のカードが使えず現金払い。ICチップの読み取りが使われる機器によって使えたり使えなかったりで、10.5L€18.5の給油を現金で済ませ、空港の近くで道を間違えて右往左往するうちに、渋滞するロータリーで右の車のサイドミラーと接触事故。運転手が「着いて来い!」のゼスチャーで着いて行き、近くの空き地までの行くと、こちらが日本人と知って、「修理の部品代だけでよい」と、相手車両は左ミラー粉砕 ※eBay調べで部品代(€260約45000円)のみで示談成立。 €240の現金と日本円一万円札1枚で納得してもらえた。最後の最後でやってしまったが、警察沙汰までならずに済んでよかったと胸を撫でおろす。
 無事空港のレンタカー駐車エリアに入り、レンタカー会社の人と会い、車をチェックしてもらうと、こちらの傷(縁石擦りのホイール・最後の車接触右ミラー)は、以前からの傷を含めて、問題なしとしてくれた。(たぶん。後で請求が来ないことを祈る。でも保険もフルで入っているし、大丈夫でしょう)
 空港で軽く昼食を取って、タクシーで今夜の宿の「ホテルデルボルゴ」へ移動し、一休みしてから明日の下見で、ドゥカティ本社とストア店舗を訪問し、帰りにスーパーで食料の買物をしてホテルに戻り、一眠りのつもりが、12時間、次の朝まで寝てしまう。



 10/12 Day‐12
 今回の旅の最終目的である「ムセオドゥカティ」を訪問。ホテルから歩いて5分の所にあるので、9時半にユックリ出発。
 DUCATI本社ゲート前に着くと、入場タグを渡され、時間が早いけど入場開始。エントラントで英語で説明を受け、ムルティV4ラリーに跨って記念撮影。展示会場に入ると、そこはDUCATIという会社の生立ちから始まり、バイクの初期モデル「クッチョロ」からスクランブラー、スーパースポーツ、アドベンチャーと次々に輝かしい歴史が見れます。歴代のサーキットでのモータースポーツの車両は多くあれど、一番変化したのは、やはり916の出た90年代のインパクトでしょう。
 私の目的のパリ〜ダカールラリーでの優勝マシン、エディオリオリのカジバエレファントは特に念入りに観察しています。どこもかしこもスペシャルなパーツの組み合わせで、市販車とは全く違います。95年以降にダカールラリーにプライベートで参加したライダーは、市販車改造でそちらは自分の車両と同じなんですが。端から端まで二度も三度も繰り返し見て見学を終了。これでイタリア旅行の全目標を達成。明日はお昼頃のボローニャ発のフライトに乗って帰国の徒に着きます。











 10/13 Day‐13
 今日はボローニャからミュンヘン経由で関空に移動です。結局、時差ボケ(7時間遅い)なのか、夜はいつも寝落ち、朝は4時には起きてしまう不規則睡眠。毎日の楽しさとドキドキと不安の中、気を張って頑張って来たけど、気を抜くと、気持ちが落ちそうになる。ボローニャからの飛行機の待ち時間は、倒れそうになるぐらい気が落ちてしまっていた。旅の情報資料のコピーとしていたファイルを無くした事、搭乗口はここで良いのかの不安、永遠とも思える一瞬(実際は3時間)がとても長く感じた。ファイルは搭乗券を買う時にカウンターに置いたのを思い出したが、ファイルが無いのに気づいたのが、出国ゲートを抜けた後で戻る事もできないし・・・。でも、もうあのファイルは、最後の航空券チケットを引き換えた後なので、全ての役割は果たしたので諦めようとした。
 しかし空港会社の人が気を利かせてくれて、チケットカウンターに置き忘れたファイルを飛行機の搭乗口まで持ってきてくれたのは、ほんとうに嬉しかった。これでまた元気が出た! 行きと同じドイツミュンヘン空港経由で14時間のフライト中は、今回の旅を振り返るつもりでいたが、殆どの時間を寝てしまっていた。色々な事があって、話も経験も失敗もいっぱいあったけど、いざ終わるとなるとちょっと寂しい。



 ドゥカティツアー3日目に軽いギックリ腰気味の症状が出た。朝に靴を履こうとした時の前屈み姿勢で。ツアー中は路面衝撃をスタンディングで流し、フリーツアーも出来るだけ重い荷物を持たないようにしていたが、今日の空港でキャリーバックを預けてからのショルダーバッグが重く、重心が傾くために姿勢が崩れた。ちょっと気を付けないと、ヤバい状況になりかねない気がする・・・。

 10/14 Day‐14
 大阪関西国際空港の到着は日が暮れていた。時差が7時間で、フライト時間が14時間弱。搭乗してから爆睡していたからお腹が空く。朝食(機内食)を食べて日本国内に入り、スマホの通信を通常キャリアに戻す。
 今回は「イモトのWi-Fi」をフルに活用、SNSから宿の予約、スマホ翻訳にカーナビ代わりに地図を使い、イタリア・フランス・ドイツで大活躍。契約料が2週間で4万円位だけど、その必要性は十分にありました。海外の人達も何処行ってもスマホだらけで10年以上前の時代とは、大きくて変わったものでしょう。それに比べて、ポケトークの使用は後半戦では少なくなっていたが、スマホ1つだけで全てを賄うにはリスクが高いと言わざる得ないので、併用と使い方をもっと工夫すれば、良いデバイスとなりえるでしょう。
 関空からは特急と新幹線と在来線を乗り継いて、PM10時には自宅へ帰着。無事に帰って来れたから、また次の遊びに行けるぞ! 


 エピローグ (今回の旅で感じたことなど)
    
 今までは国内ツーリングで十分満足していたが、新しく大きな世界を見れたことにより、今の自分に何が出来るかを考えさせられる旅となった。ヨーロッパの国々はEUとして大きな括りで幾つかの国が存在するが、通貨が統一されていたり、その中の国々で異国間が殆ど無く、移動も自由。そして人間性がとても親切で親日家であることも実感出来た。そして、バイク好きな人間は全世界共通と言う事。 

*「時差ボケ」を感じたのは、日本に帰って来てからの1週間。夜は起きていられるのに、朝が全然起きれないのはさすがに辛い。
*ツアー総費用(大まかに) ドゥカティバイクツアー代 50万円、往復の航空券40万円、後半のフリー旅10万円(宿代・食費・観光費用等)、レンタカー7万円、準備費用8万円(海外旅行保険含む)の合計115万円なり。



 
YouTube動画コーナー

以下に、ドゥカティーツアー中に、ヘルメットカメラから撮影した動画になります。
約10分程にエリアごとに分けて、ショートムービーになっています。
(走行中の音声はありません)

DRE TRAVEL ADVENTURES 2023 Day1 s1
 
DRE TRAVEL ADVENTURES 2023 Day1 s2
 
DRE TRAVEL ADVENTURES 2023 Day1 s3
 
DRE TRAVEL ADVENTURES 2023 Day1 s4
 
DRE TRAVEL ADVENTURES 2023 Day2 s1
 
DRE TRAVEL ADVENTURES 2023 Day2 s2
 
DRE TRAVEL ADVENTURES 2023 Day2 s3
 
DRE TRAVEL ADVENTURES 2023 Day2 s4
 
DRE TRAVEL ADVENTURES 2023 Day2 s5
 
DRE TRAVEL ADVENTURES 2023 Day3 s1
 
DRE TRAVEL ADVENTURES 2023 Day3 s2
 
DRE TRAVEL ADVENTURES 2023 Day3 s3
 
DRE TRAVEL ADVENTURES 2023 Day3 s4
 
DRE TRAVEL ADVENTURES 2023 Day4 s1
 
DRE TRAVEL ADVENTURES 2023 Day4 s2
 
DRE TRAVEL ADVENTURES 2023 Day4 s3

DRE TRAVEL ADVENTURES 2023 Day5 Others