Door of Adventure

         参戦レポート

 秋も深まる2010年10月最終日。今回のイベント「Door of Adventure in kawauchi 2010」
は、ビッグオフでの林道を使ったコマ地図ラリーです。春に予定されていた開催が延期となり、
この秋の開催では、定員を超える参加応募があり、71名のビッグオフが集まりました。

 私の今回の参加は、先月のクラブツーリングで転倒・リタイヤした事により、今年のバイ
クでのオフロード走行の集大成としてのチャレンジを目指しました。前回の転倒により、シ
フトペダルシャフトの変形とオイルシールの交換を済ませたエレファントは、「走り足りない
ぞ!」と息揚々。しかし、乗ってみるとわずかなクラッチとミッションからの振動が気になり、
バイク屋と相談して、無理はしないという事で、車に積んで会場まで行く事になりました。


  10月29日(前夜)

 案の定、仕事が忙しく、帰宅できたのが夜8時。夕食もそこそこに、バイクを車に積む準備。
エレファントを車に積むのは初めてなので、勝手が分からず、2度の積み損ねでリアバンパー
に凹みと塗装剥げを作るも、10時には積み込み完了。前日までに用意してあった荷物を急い
で積み込み、もたもたしていると寝ている時間がなくなるので、さっさと出発。

 一路 東北道から磐越道経由のルートで、川内村を目指してひた走る。夜中なので道は空いており、ナビのお陰もあり、4時には現地に到着。なんとか2時間の仮眠が取ることが出来た。

  10月30日 DAY-1

 6時に起きると、すぐさま受付のある、メイン会場「いわなの郷」の管理棟の正面玄関で、スタッフと、ラリースト&カメラマンの堀田修さんが出迎えてくれ、「ご無沙汰です・・・、よろしくお願いします」と挨拶を交わし、さっそくコマ地図を受け取り、マップ制作に取り掛かる。自作のマップケースでは、両サイドをカットする手間が掛るが、テープのりのお陰で、2日分のマップを装着完了。バイクを車から降ろすと、いつもと同じ非常(通常?)工具を積んで、会場に乗り込んだ。

 そこには、12GSの山田純さん、100GSの藤原さん、同じくGSの斉藤さん、「破壊王」の異名を持つアドベン斉藤さん、WR250Rで参加のカートさん、HPNの米沢さん、XR230の農田さん、スペシャルゲストのパリダカレンジャードライバーの菅原義正さん(今回はジムニーでの参加)、その他には、過去のクラブに参加してくれた人や、色んなイベントで会ったビッグオフ乗りの、見覚えのあるメンバーがいっぱい。 やはりこの世界は、せまいんだな〜と思いながらも、車検待ちの車両に目をやると、新型のKTMとBMWが大多数を占めている。協賛しているディラーの関係もあるが、なぜか、国産のラリーバイクが少ないのはちょっと残念。(自分も人の事は言えませんが・・・。) さて、いよいよスタートの時間が迫る。この頃から降り出した雨は、このラリーイベントの物語を作る事となってゆく。

  

 私のゼッケンは、46番。後半からのスタートとなり、前車を見ながら、コマ図を見ながら、緊張しながら、久しぶりのコマ地図ラリーに胸が躍った。スタート後は、1つ1つコマ図を確認しながら、前に進む。今回のラリーは、時間を競うものではなく、「ミスコースせずに走れるか」の、オドメーター最短ルートが表彰になる。
 最初の林道では、体とバイクが馴染んでおらず、バイクの挙動がバラバラ。接地感もなく、危なっかしい走りで抜けた。2〜3本目とだんだん走りを楽しめる様になり、昼食のCP1に到着。途中、100GSの斉藤さんに追いつき、何やら困った表情が伺える。話を聞くと、コマ地図初体験にして、サイクルメーターの設定が上手く行かず、距離が合わず、四苦八苦していたらしい。ICOメーターと違い、サイクルメーターは、数値の補正が出来ない為、裏技を駆使しないと、コマ地図と距離が合わなくなる事確実である。ちょっとしたコツを教えてからは、走る事が出来るようになったようである。
CP1を過ぎると、100GSの藤原さんとの並走が多くなるも、「ここは、自分でコマ地図を楽しまなきゃ・・!」と、一度ついた差を縮める事無く、1人で走る。
 途中の林道は、降りだした雨でヌタ・チュルが多く、転倒者が続出。12GSやKTMが轍に足をすくわれ、バタバタである。その中で、前で転倒したKTMを助けた後、同じ八王子ナンバーと言う事で「御近所ですね・・・。」と盛り上がり、ゆくゆく話をすると、なんと自分の自宅から、直線距離で200m先の酒屋さんの人ではありませんか。いつもKTMがあるのは知っていたが、まさかここで一緒になるとはネ〜〜。(さらにこの人は菅原さんとも知り合いでした。)
 DAY−1のコマ地図も最後の林道となり、快適(?)に走っていると、林道途中で参加者が手を振っているではないですか。だいたいの予想は出来たが、今回はそれ以上のアクシデントが発生。
 なんと950ADVが崖から落ちかけているではありませんか。かろうじて、道から1mの所で引っかかって止まったらしく、既に引き上げ作業が始まっていた。すぐさま自分も押し上げ作業を手伝って、林道まで上がった。バイク&ライダーには怪我もなく、そのままラリーは継続出来たが、あと2〜3m落ちていたら、引き上げきれない程の斜面になっていたのをみると、ある意味ラッキーであったろう。そんなこんなで、夕方4時頃に180kmの1DAYのコマ地図を無事走りきる事が出来た。
 さらにこの後、スペシャルトライアルセクションが用意されており、このコースを走ると、オドメーターのマイナス30kmのボーナスが貰えるとあり、藤原さんとチャレンジをする。採点方法は20mそこそこのルートを「どれだけ足を着かないで走れるか」で、30ポイントからの減点方式である。
 コースには、登り急斜面、丸太超え、タイトターンを枯れ草のウッズの中で行わなければならず、バランスと勢いが大事。先行した藤原さんは、雨に濡れた丸太にリアタイヤをすくわれストップ。
 私の番になり、ここは一発、ビッグオフロードクラブ代表として、決めねばと思い、アクセルオンで突っ込む。
 最初の登りは、トラクションを駆けながらのアクセル・オン・オフで登り、丸太は勢いで乗り越え、最後のタイトターンは、エレファントのハンドルの切れ角の少なさから、まともなターンでは無理なので、アクセル=オンでリアホイールをスライドさせ、無理やり方向転換。向いた先にはゴールの出口が見え、ちょーラッキー。ブロックタイヤのお陰もあり、スペシャルステージクリアー。この間、20秒の記憶は、ただ前を見ていただけで、その風景しか思い出せなかった。

  

 DAY−1の走行が終わったエントラント達は、夕食まで温泉に行く人、町内会の方が用意してくれた串焼きと焼きトウモロコシと生ビールで、今日の出来事について、大いに話が盛り上がっていた。夕食後は、地元のジャズシンガーの演奏で、オフロードバイクとアドベンチャーとジャズのコラボレーションで楽しい夜は更けていった。
 

  10月31日 DAY-2

 前日までの雨は台風の影響でと思い、今日こそ朝から快晴との期待もよそに、雨音で起こされる結果となった。昨日パンツやブーツの中までびっしょりになった装備をまた着なくてならないが、この時期にしては寒くもなく、昨晩にしておいた脱湿作業お陰で、なんとか準備を完了し2日のスタートを切る。今日は少々距離は少なめだが、その分、CP開設TIMEに厳しく、のちのち苦労する事になる。
 3本目(くらい)の林道では、廃道寸前のコースで、枯れ葉と路肩崩落で緊張の走りが強いられる。さらに、道脇は直ぐ川になっており、オーバーランは許されない。バイクでも道の狭さを感じたのに、ジムニーで走っている菅原さんは、もっと冷や冷や物だったでしょう。一緒に走る事になるが、カートさんの走るペースがなかなか早く、着いていけない・・・。


   

 自分のペースをキープして、単独走行となるが今度は12GSの山田純さんと一緒に、ゴールまで走る事になった。山田さんの走りを見ていると、さすがBMWインストラクターをしている事もあり、重い12GSをしっかりコントロールしているのが解る。走るペースこそ速くはないが、後ろに付いて見ているとバランスの取り方や、アクセル・ブレーキの使い方など勉強になる事が多かった。
 結局、この日も1日中ゴールまで雨が止む事は無かった。しかしそんな中でも、川内村周辺の林道を満喫出来た事で、とても楽しく走れた。

 

 3時からの閉会式では、まだ帰ってきていない参加者で1時間ほど遅れたが、ホールを借りての閉会式では、各クラスの表彰が行われた。
 今回のラリーでは、コマ地図で走るクラスと、GPSのみで走るクラスとに別れておりそれぞれ3位までの表彰に・・・、「えっ、おれ・・・?」なんと、自分が3位に入賞(コマ地図クラス)したのである。またまた・・・、と思いつつも、「ゼッケン46番さんだ〜れ」って、探してしまいました。
 オドメーターの距離の計測が順位になるって事で、「きっとカジバはメーターが短く出るんだよ、」と思いつつも、昨日のスペシャルステージのノ-ミスクリアが大きかったのかな。とりあえずクジ運悪い私が、景品をもらえる事なんてあり得ないので、これはとてもうれしかった。・・・案の上、その後のジャンケン大会は見事、1回戦にて敗退。
 アドベン斉藤さんは、GPSクラスで2位入賞となり、「破壊王」の汚名返上となったのでした。

 全てのイベントを終え、閉会式も終了し、クラブから参加した皆で揃って記念撮影をした後、各々帰路に着いたのであった。
 スタッフで参加していた地元アフリカツインの大友さんとも話をし、日野レンジャー菅原さんとも記念撮影をしてから、自分の車に戻り、車内でエレファントの積み込み固定を行い帰路についたのが、夕方6時。帰りは常磐道→外環道経由で帰る事にし、常磐道に乗ってから、トイレの為パーキングに寄ると、オレンジ色のHPNが止まっているではないですか。

  

 話を聞くと雨の降る高速上で、いきなりヘッドライドが消えるトラブルが発生したらしい。さすがに真っ暗で雨で視界の悪い高速道を走るのは危険と判断し、次のインターで降りて親戚宅に泊まり、次の日の日中に帰宅するというので、車の私が後方に付き偶然一緒になった同参加者の方に先導してもらい走行。無事インターまで見送って別れた。 私がその後、自宅についたのは、夜11時半。2日間通してその間雨が止む事はあっても、晴れ間が見れなかったのは残念だったけど、久しぶりにバイクでいっぱい走れた充実感で、心の中は、晴れ晴れとしていました。
 来年も、是非参加したいと思いつつ、次のクラブツーリングに向けて、バイクの再整備をしなくっちゃ!!!