2015年 秋 DOA ドアーオブアドベンチャー参戦記



2015DOAのレポートは、BOCでは希少種となる東北メンバー(しかも最北端の青森県在住)の早坂@KTM990ADVがお送りします。
昨年に続いて2年連続のレポートとなりますが、皆様に読んで頂ければ幸いです。
今大会でのBOCメンバーのエントリーは…
#12藤原さん@BMW R100GS
#16田澤さん@BMW1200GS-ADV-LC
#17西口さん@TRIUMPH TIGER800XC
#24高橋さん@KTM1190ADV-R
#50松田さん@BMW R100GS
#51松木さん@KTM990ADV-S
#64辻さん@KTM Freeride350
#99佐田さん@TT250R
#100土谷さん@CAGIVA ELEFANT900M
そして不肖#1早坂@KTM990ADVが参加しました。
また、スタッフとしては
#大友さん@AfricaTwin
#梅田さん@BMW1200GS-ADV-LCが頑張っておられました。
試乗会には、近藤さん@BMW1200GS-ADV-LCもいらっしゃっていました。

 
準備編

 私事ではありますが、9月上旬から仕事が忙しく、なかなか準備が進みませんでした。そこに加えて9月下旬に突然風邪をひいてしまい、仕事も準備もままならず寝てばかりの直前でした。それでも、なんとか本番前週に前後タイヤを交換していたのでなんとか出発には間に合いました。
オイル交換は盆くらいにやったし、ラリーメータやマップケースは車検取得後に取り付けてそのままだったので、そのままぶっつけ本番です。
今回の自分なりの目標は、
①オンタイムで、ペナルティ無しで全ルートを走る
②ガス欠しない
この2点でした。
①は、昨年完走扱いにはなったものの、他車両トラブル救出で時間を取られて最終CPを10分ほどタイムオーバーしたので、今回はきちんと完走したかったこと、②は、昨年ゴール前数キロでガス欠になった苦い経験(恥ずかしい経験…)からの反省です。
ちなみに、9月に練習?として走った下北半島ソロツーリング(下道日帰り500km)では、性懲りもなくガス欠しました。反省していても、改善は難しいようです。

 
DAY 0

 10/9(金)は無理やり休暇を取得し、出発当日に諸々の準備と荷物積込を行いました。
 この時点で「忘れ物がありそうだよなぁ」「もっと前もって準備すべきだったよなぁ」「だけど風邪で寝込んでいたんだよね」などと考えていました。家を出発してすぐに、仕事用携帯電話を忘れたことに気付いて自宅へ戻る。
やっぱり忘れ物あったなぁ、と反省。その後、クルマに給油すべくガソリンスタンドに行ったところ、財布が無い…。更なる忘れ物に気付いて再度自宅へ戻る…。結局、1時間のロスで出発しました。
 青森県の大鰐弘前ICから東北道~仙台東道路~常磐道に抜け、常磐富岡ICへ向かいました。常磐道が全線開通してから初めて通ったので、少しドキドキ。途中にあった線量計の数値が、よくわからないプレッシャーを自分に与えるような気がしました。
 高速道路を降りて一般道をのんびり走行していると、背後から白いGSが追いついてきました。峠道なので道を譲ったら、クラブメンバーの#50松田さん@BMW R100GSでした。思わずうれしくなりました。松田さん、手を挙げて走り去る100GSがカッコよかったですよ。
 その後、目的地周辺で温泉に浸かり、コンビニでビールと夕食を調達、駐車場でまったりしていました。すると、ほどなくしてうめさん@BMW1200GS-ADV-LCが到着、夕食を一緒に食べていました。そして、#46オグショー小栗さん@WR250Fも登場、談笑を交わしトランポも見学させてもらいました。
 クラブのメンバーがロッジにいるとのことでお邪魔し、皆と軽く宴会。松木さんが遅れて到着、ガソリンダダ漏れ事件?の話で盛り上がりました。このころ、ようやく出発開始したメンバーもいた様子…。
 そろそろ寝ようかな、とクルマに戻って少ししたら、#100土谷さん@CAGIVA ELEFANT900Mが到着。荷降ろし後に車内で宴会、結構遅くまで起きていました。明日のスタート、一番早いのに大丈夫なのかな、自分…?
 そういえば、今大会では、#1、#50、#100のキリ番をBOCメンバーがゲットする、という偶然が重なりました。しかも、土谷さんはラッキーストライクカラーのCAGIVA ELEFANTで#100という、昔からのパリダカファンには堪らないサプライズでした。3台並べて写真を撮ろう!と盛り上がりましたが、果たしてどうなることやら…?

 DAY 1

 今回の自分のゼッケンは#1ということで、当然スタートは一番最初です。このため、何事も早め早めに行動、ということで慌しく準備をしました。受付・車検を早々に終わらせてマップを貼り合わせ、マップケースに装着。
 その後いろいろと準備をしていたのですが…結局ライディングウエア着用が間に合わず、ブリーフィングを欠席。最初のスタートだったので、皆が見守る中、緊張のスタートを切りました。

   

 最初はコマ図の距離と目標のクセを知るべくゆっくり走行。本日1本目の林道で、突然後ろからフラットツインの音が聞こえたと思ったら、スタッフのうめさん@BMW1200GS-ADV-LCでした。うめさんに抜かれてからは追いかけっこ。
 一旦停車し、「この先で写真撮るから少し待ってて」と言われて少し休憩、ここで朝食のパンをかじる。しばらくすると後続が追い越して先行し、すぐ先で渋滞。この時点で、このすぐ先に難所があったんだ、と後悔。休憩しないで勢いで通過すれば余裕なのですが、一旦停止して更に渋滞だと自分のペースが保てないこと、よくありますよね。
 自分も走りだしてみると、目の前には大きなクレバス。しかも、その先に固定カメラあり。ここにハマったら大変だなぁ、と思いつつ、あまりの渋滞に脇を抜けてクレバスにハマる。結局、かなりの長尺で固定カメラに恥ずかしい一部始終を記録されました。すっかり調子を崩してしまって、かなりの時間ロス。意気消沈。それでも、久しぶりのコマ図ツーリングで心が躍ります。

   

 分岐でコマ図と距離を慎重に見比べるため停まっていると、#17西口さん@TRIUMPH TIGER800XCと#24高橋さん@KTM1190ADV-Rに遭遇。林道での西口さんはとても速く…追いつけませんでした。まだまだ自分の修行が足りません。高橋さんにも追いつ追われつ…で林道を抜けて順調に舗装路を快走中、突然西口さんが転倒。この時点は大きな怪我は無いようでしたが、破れたウェアとマシンが痛々しい…「先に行っていいよ~」とのお言葉に甘えて先を急ぎます。
 CP1ではランチパックの配布を行っており、そこにいたのはスタッフ大友さん@AfricaTwinの奥さん。なんでも、自分が先のクレバスでもがいていたことを「旦那が喜んでいましたよ(ニヤリ)」と伺いました。やっぱり、今回も皆の酒のツマミになってしまうんだろうか…嬉しいやら恥ずかしいやら。

    

 ゴールは13:30くらいで、あまりに早いゴールに拍子抜けしました。ゴール地点では、KTM試乗会を狙って来ていた近藤さん@BMW1200GS-ADV-LCが出迎えてくれました。
 この時点では、誰も並んでいないトライアルセクションをのんびり下見すると、昨年よりは格段に難易度が下がっていました。意を決してトライ…しましたが、3回足つき。途中まではいい感じでいけたのですが、しばらく乗っていないことと体調不良は地味に身体に響いているようです。
 気持ちを切り替えて、お楽しみのKTM試乗に向かいます。KTMの試乗車は3台あったのですが、全てに乗ることができました。でも、待ち時間があまりに長いので先にお風呂に出掛けました。さっぱりしてから試乗するのも悪くない?(着替えが面倒だけど)
 690ED-Rのパワー感もいいけれど250EXC-Fの軽快な印象がいいな。もし買うなら450EXCとか500EXCがいいのかも。軽快な乗り味でパワー感も楽しめるマシンが欲しいなと思わせてくれました。(乗りこなせるかどうかは別として) でも、レーサーのメインテナンス頻度を考えるとトレールマシンに近い690ED-Rがいいかな。
 1050ADVは・・・自分には990ADVがあるからいいや、と思わせる一台。でも、軽く感じるのは不思議な感じ。個人的な印象ですが、トラクションコントロールは自分には向いていないみたいで、曲がらない印象が強かったです。多分、慣れれば乗り方も変わるでしょうから、オーナーになった場合にはいろいろ試してみる価値はありそうですよね。最近では、トラクションコントロールもいろいろなモードがあようですし。

  

   

 この後、すっかり暗くなってからバンド演奏を聞きながら夕食・・・宴会の始まり。昨年に引き続き、美味しいお惣菜をつまみにしながら飲むビールや日本酒は美味しかったです。
 大きなモニターでは、難所を往くライダーの動画が映されていましたが、自分は結構な尺で映りこんでいました。車体が重たくてどうしようもなく、ただオロオロしている自分の姿は…恥ずかしい限りです…。
 今夜もバンガローにお邪魔して談笑、その後あちこちの友人知人のところにもお邪魔して談笑していました。さすがに今日は比較的早めに就寝。明日はハードだと言われている2日目、しかも最後尾からの追い上げなのでCPの時間制限も厳しいものになるので。
 後日聞いたら、1日目のルートは、林道2本が大雨によりキャンセルになったとのことで短いルートになったとのこと。このへんはルートディレクターも頭を悩ませたところだと思います。ハードにしすぎるとDOAの趣旨から外れるし、でもたくさん林道を走ってもらいたいし…というところでしょうか?

   

 
DAY 2

 深夜から降り始めた雨は、朝には小降りとなったものの、すっきりとしない天気で2日目が始まりました。
 2日目の今日は、逆順でのスタートとなるので、ゼッケンの末尾側からスタートとなります。自分のスタートは最後尾になるために時間があるので、のんびりとメンバーや友人知人の写真を撮影したり談笑したりしていました。ここで、松田さんと土谷さんに声をかけられて、3台並べて写真を撮るべく車両を慌てて移動したりもしました。
 2日目のルートは、大会前の大雨の影響でルートが荒れているとのことで、2箇所のエスケープルートが予め示されていました。もちろん、オンルート・エスケープどちらを選択するのも各々の自由です。
 自分のスタートが近くなってきて判明したのは、まさかの「独りぼっち」スタート。客観的に見たら、とても寂しいスタートシーンだったと思います。
 走り出してみたものの、雨のため少し肌寒く、更に風邪がぶり返したのか体調が芳しくなく…冒頭からエスケープルートを選択しました。(兵どものお話も交えたいところですね)
 林道に入ったところで、なんか上手く走れない感覚がありました。リアタイヤがパンクしたような感覚で、グリップ感が乏しく、上手く走れません。体調のせいなのか、路面状況のせいなのか、ヘタレなせいなのか?自分では判断がつきません。どちらかというと、思い切り下手になったような気がしました。
 最後尾からのスタートということもあり、知り合いも道中見当たらない中、自分のペースで淡々と走り続けるしかなさそうです。また、雨は一向に降り止まない様子。レインウェアをどこで脱げばいいのか判断がつかない、微妙な天候が続きます。。
 先の林道でも、ザクザクとした深い砂利・ガレで走りにくい林道が何本も続きます。記憶をたどると、昨年も通ったルートもありました。

    

 途中、雨の中を延々と舗装路を走行していると、踏切を数回横断する場所がありました。雨天時の線路って滑るんだよなぁ、なんて思っていたら思い切り滑り出してヒヤリとしました。転倒しなくてよかったです。(舗装路での立ちゴケってダメージ大きいので)
 ほっと胸をなでおろして少し進んだところで、#51松木さん@KTM990ADV-Sが途中でトラブルがあったようで停車していましたので、声を掛けてみました。でも、大丈夫~と話しているし、普通に歩いているし、怪我はないようだったのでそのまま通過しちゃいました。ごめんなさい…。
 途中、ザクザク路面の上りの先でYZ250FX?の方が狭い林道のド真ん中に停車中。坂の途中で止まろうとしたら、ザクザク路面でバランスを崩してポテッと転倒。彼がなぜそこで停車しているのかが不明でした…。思い返せば、自分ではこれがDOA唯一の転倒でした。なんてことはない路面だったのに。ここで#24高橋さん@KTM1190ADV-Rが後ろからやってきました。
 この後、頑張ってペースを上げようとしていたら、だんだん調子が出てきたのかリアを流しながら走れるようになってきました。転倒を喫したせいなのか、不要な力が抜けたのかもしれません。もしかしたら、路面状況がだんだん良くなってきただけなのかもしれませんが(多分、そうだと思います)。これが自分のペースなのかどうかは判らないけれど、ルート後半の方でだんだん楽しくなってきました。
 ここで#106井口さん@KTM690ED-Rと走行中に遭遇、カッコいいマシンだなぁ、と後ろから近づいて見ていたら譲ってくれました。あとでコンビニで休憩時にお話を伺うことができたのですが、どうやってコーナーを走っているのか?を後ろから見たかったとのこと。そんなことも知らず、脱兎の如く逃げてしまいすみません。それくらい楽しく、リアを流しつつ走れていたもので。
 最終CPでは、「この先にはガソリンスタンドがないのでご注意を」との声掛けがあり、エントラント相互でガソリンを分け合っていました。#17西口さん@TRIUMPH TIGER800XCも、XR?の方から分けてもらっていたみたいですね。自分は#67平賀さん@KTM250EXC-Fに分けてあげました。タンクからガソリンを抜くのに、エキパイでちょっと火傷したのはいい思い出です。昨年、自分はガス欠で大変情けない状態だったので、今度は恩返しの番です。
 途中でBOCメンバーと合流、津波の爪痕が痛々しい沿岸部を静かにゆっくりと走行。福島第一原発が見える橋の上で、#106井口さん@KTM690ED-Rのマシンをメンバーの方々と見せてもらいました。西口さんはもともと欲しがっていましたが、これが後押しとなってKTM690ED-Rを買ったのかもしれませんね。
 最後の林道入口には張り紙があって、「自信がない人はエスケープをお勧めします」という旨が記載されていました。自分は調子に乗りつつあったので、立ち止まっている人を横目にノンストップで進入。午前中の不調はどこに行ったのか?という勢いがありました。大抵、こういう場面では結構派手に転倒したりするものなのですが…?
 最後の林道は、奥に進むにつれて深いウォッシュアウト(大雨で流された深い溝)が多数あり、ラインを間違えると溝にハマってしまう路面でした。確かにこれは手強いなぁ、と思いつつもどんどん前に進みました。立ち止まれば再スタートも難しいので、慎重にかつ大胆にアクセル開け気味で通過。
 ようやく林道を抜けてあとは舗装路のみ、というところで振り返ったら誰も来ない。途中で待っていたほうが良かったかな?と少し後悔していました。5分ほど待ったけど、誰も来ないうえにエンジン音も聞こえないため、やむなくゴールへ向かいました。
 早めに風呂に行って汗を流し、#67平賀さん@KTM250EXC-Fからガソリン代の代わりにビールをご馳走になりました。ご馳走様です!

   

 表彰式では、BOCメンバーの#16田澤さん@BMW1200GS-ADV-LCが準優勝でした。おめでとうございます!トライアルではクリーンだったとか。さすがです!他の方々もいろいろ賞品をゲットしていました。自分は行いが悪かったせいか、何も当りませんでした。
 表彰式終了後は、帰路につく人、もう1泊する人と行動が分かれます。自分はもう1泊することにしていたので、今夜もBOCメンバーのいるバンガローにお邪魔して談笑、更にスタッフルームにお邪魔してとっておきの日本酒を開封。この後も、あちこちの友人知人のところにお邪魔し、夜遅くまで談笑していました。翌日の帰路も含めて、最後まで楽しませていただいた4日間でした。

 
まとめ

 個人的には、ハードで長い2日目を最後尾から走って完走できたので満足でした。何よりも、全てオンタイム、ガス欠無しで走り終えてよかったなぁ~というところが大きいです。まぁ「エスケープしたじゃん!」という話もあるでしょうが…
 リスクがあるなら、あえてエスケープやキャンセルしてペナルティを選択するのもラリーの作戦ですから。普通のツーリングでも、怪我なくトラブルなく家へ帰り着くことが大事なことと同じだと思います。その範囲内でハードな路面にアタックして通過できるなら、最高でカッコイイですね。
 OAはお手軽にラリーを体験してみたい方にはお勧めのイベントなので、クラブ通信をご覧になっている皆様も是非参加してみてください。クラブのメンバーはもちろんのこと、見ず知らずのバイク仲間とも出会えますし、いい思い出と経験ができると思います。マップケースも簡単な自作品でも十分実用に耐えますし、メーターはサイクルメーターやトリップメーターでも使用可能です。(場合によっては暗算等が必要になりますが)
 今年、2016年は皆さんにとってどんな1年になるでしょうか。自分は、今年もDOAに参加したいと思っています。再び、メンバーの皆さんやバイク仲間の方々に会えるのが楽しみでなりません。
 そして、2016年は久しぶり(15年ぶり?)にSSERのイベントでも行ってみようかなぁと画策しています。目指すは「北海道4DAYS」。まずは休みを取るべく、日々奮闘するところから始めたいと思います。