Door of Adventure 参戦レポート


 
今回のレポートは幽霊部員?の青森県弘前市在住の早坂が書かせていただきます。
ご存じない方も多いと思われますが、駄文を楽しんでいただければ幸いです。

準備編

 DOAは2010'から始まった比較的新しいイベントです。スピードではなく、ミス
コースの少ない人が勝ち、という初心者でも楽しめるイベントであります。自分
は今まで4回、DOAに参加してきました。今回の大会で5回連続の出場です。
2014'は初めて春にも千葉県のマザーファームでも行われ、今年2回目の開催
です。
 2012'までは、自分はお気軽参加クラスのGPSクラスでエントリーしていたの
ですが、諸事情により2013'に突然GPSクラスが廃止、やむなくMAPクラスでの
出場となりました。2013'と2014'春は準備が間に合わず手巻マップケースでの
参加でした。(さらに2013'秋はビッグオフじゃなくWR250Rでの参加)
 電動マップケースは数年前から2個所有していたのですが、なかなか取り付
けまで至らずにいました。今回は意を決して取付作業を敢行。メーターの取付
と動作チェックが終わったのは1週間前。そして買換えたばかりのトランポに愛
車KTM990ADVを積み込み終えたのは大会前日出発の2時間半前、午前10:30
でした。
 そのトランポも慣らし運転が終わっていない状態での遠征でしたので恐々走っ
ていました。途中、使い慣れないナビのおかげで国見ICで東北道を降りてしまい、
下道の峠を100kmも走る羽目に…会場に着いたのは21:00頃。愛知から来た実
弟とも合流して日本酒で体を温めていました。その後土谷会長とも合流してとり
あえず就寝・・・。


   

DAY-1

 今回のゼッケンは5番でした。今まではゼッケンは早くても30番台、遅いときは120番近いスタートでした。このため、早いスタートは不慣れです。スタートはゼッケン順なので、スタート自体が早いです。しかも、準備が遅くて焦ってばかりのスタート前でした。
 マップの貼り合わせやケースへのセット、着替えで手間取り、何とかスタート地点に並んだら主催者のY原さんに「じゅんちゃん遅いよ~」との声が。すみません~ごめんなさい~と言いつつ、すぐにスタート。


    

 スタートして数キロ走って、ネックブレースの装着を忘れていることに気付いたが後の祭り。まぁいいか~とさくさくと走って最初のクイズポイントで休憩。朝御飯を食べていなかったので昨夜買っておいたおにぎりを食す。
 しばらくするとBOCメンバーが追いついてきました。ここからはメンバーと一緒に走りました。途中、軽く荒れた場所があり、先行車両が難儀している様子。自分はたいしたことないじゃん~と思って先に行かせてもらいました。が、フロントタイヤが滑って窪みに落ちて軽い転倒。そういえば、今年のダート走行、この日で2回目でした。引き起こして走り出すもかっこ悪いなぁ・・・。
(みんな緊張気味のスタートの瞬間。今回はどんな“山原マジック”が待っているのか、楽しみです。)
 途中、後ろからすごい空ぶかしの音がしました。振り返ると我が師匠のうめさん(梅田亨さん)がいました。109番なのに追いつかれるとは・・・マジデスカ?アフリカツインに乗る外人さんのマーティンさんと楽しそうにバトル?していました。少しがんばってついていきましたが・・・無理です。危険すぎます。


    

 
あきらめたところで難所が待ち構えていました。ルートの後半では上り斜面でふかふかの砂利道があり、そこで七転八倒。角度が若干きつく、大き目の丸い砂利が一面に厚く敷かれていて、更に路面にはウォッシュアウトの縦溝が走るという難所でした。
 先行していたうめさんたちもここでは難儀したそうですが、自分が差し掛かった時には遠くに後姿が見えました。自分もイザ!と進んでいきましたが、予想外にグリップが悪くストップしてしまい、そこからの再スタートが困難に。
 再スタートするも左に右にと倒れるばかりで前になかなか進みません。後続の方々起こしてもらったり手助けをいただき、何とか脱出・・・。この様子の一部始終は土谷会長のGOPRO-3にしっかり記録されてしまいました。しかも数年ぶりにミラーを割りました。
 この林道の出口ではさすがに数名が休憩しており、口々に「今年のルートはキツイ」「この林道の砂利は手強い」などと談笑していました。自分も休憩しつつ後続の手伝ってくれた方々を出迎えてお礼しました。土谷会長はアクセル開けまくりで上りきったとか。以降の後続の方々がなかなか来ないところを見ると、いろんなドラマがあったようですが・・・もっとも、自分は他人のことをいう資格ありません・・・。


  

 この後はゴールまで距離が短いのでおとなしく走行。まったりと走りました。ルートのあちこちで目に留まったのは、除染した土砂や瓦礫を仮置きしている場所でした。また、除染作業を実際に行っている箇所もあり、側溝の堆積物除去や道路脇の草刈などを淡々と行っていました。見えないモノを相手に作業すること、いつまで続けなければならないのかという問題もあり、いろいろと考えさせられました。

     

 キャンプ地についたらおまちかねのSS(スペシャルステージ:トライアルセクション)。普通のトレール車でも難儀するのにビッグオフで挑戦するなんて無謀な!と思われるでしょうが、あえて挑戦するのが男道。四苦八苦しながらもコーステープを切ったり超えたりしないで走破しました。
 結果はもちろん降りて押し。スコアには「もちろん降りて押して4点以上」と書きました。我等がBOCからも足つきはともかくビッグオフで挑戦する兵多数、皆さん汗をかきながら走破していました。流石です!


    

 夜はおいしくてボリュームのある夕食を川内村の方々のご尽力でご馳走になりました。ジャズライブあり、友人知人との歓談あり。自分は知り合いのスタッフの方からリラックマのお面をもらって被りながら日本酒を飲んでいました。実に楽しい時間でした。ここで、明日のルートはもっと厳しい?という噂を耳にしましたが、真偽のほどは・・・?

*地元の温かな手作り料理をお腹一杯頂きました。ごちそうさまでした!
    

*その頃、一方では、BMW回収作業と負傷したメンバーのレスキューに走り回っている方々がいた事は知るよしもない・・・。)


(このキャリーが2日目の行程で伝説(珍説)を引き起こす事になろうとは・・・。)

DAY-2

昨年のクラブ通信11月号に続いて、 DOA Day-2の参戦レポートをお送りします。

 快適な車中泊で熟睡した翌朝、気分よく目が覚めました。天気もよさそうな雰囲気ですし、今日一日の冒険に期待している自分がいました。マシンに携行缶のガソリンを入れ、準備OK。携行缶には2/3程のガソリンしかなかったので満タンにはなりませんでしたが、今日の全行程距離を考慮すれば約18Lはあるので間に合うはず…スタートして最初のガソリンスタンドで満タンにすれば余裕だね、という作戦です。(実は、この時点で一つ目の失敗だった…?)
 コマ図に少々修正が入ったものの、大きな混乱も感じずにスタートが始まりました。スタートはゼッケン逆順で、30分切り上げての出発です。最後尾ゼッケンはオート・カミオンクラスのジムニーや軽バン、軽トラでしたが、軽トラにて友人と一緒に参加した実弟が、この日最初のスタートを発って行くのを見届けました。自分はゼッケン5番なので、スタートは限りなく最後のほうなのでのんびりと他の方々のスタートシーンや準備の様子を写真に撮ったり雑談したりしていました。

   

 残り人数もあとわずか、というところで自分もスタート。スタート早々、コマ図どおりに進んでいくと放射線を測定する場所や立入禁止ゲート、遠くには壊れた原発が小さく見えましたゴーストタウンと化した団地を通過した時、言い知れぬ寂しさと恐怖を感じました。色も匂いも全くなく、だけど人がいなくて閑散として、雑草や落葉がそのまま蓄積されているような、そんな雰囲気が胸に突き刺さります。そして、海沿いの駅の方に向かうルートでは、津波で流されたであろう家々がそのままの姿で点在していました。

  

 この時点で、自分自身は気が動転してしまいました。実家のある仙台の支援活動で急いでいった時のこと、友人宅が津波の被害にあったり、海沿いの街も海底の泥で覆われて悪臭で覆われていた事など、思い出したくなかった現実が一挙に蘇りました.
 この駅周辺だけで、ミスコースを連発し、その後オンコースに復帰するも、ガソリンスタンドを見失っていたり、目印が探せなくなっていたり…と自分自身の走りができていなかったように思います。(この時点で二つ目の失敗…?)
 数回のミスコースを経て午後になり、長めの林道に差し掛かった時、前方ライダーの方がペースが良かったので、追い付こうと自分自身のペースを上げて走行していました。結構いいペースで走行してそろそろ追いつくかなぁ、と思ったその時、コーナーを抜けた先に両手を振っている普通の格好の男がいました。…実弟でした。
 思わず、「お前、何やっているんだぁ~?」と言ったものの、乗っていたはずの軽トラは左の崖に向かって傾いていました。なんでも、落ちて岩に引っかかり、後続の方々に助けてもらっていたとのこと。既に電動ウインチで林道を塞ぎながらレスキューを開始していたので、完全通行止めです。

   

 皆でレスキューして通行可能になるまで、約30分程度はかかったと思います。皆で車体を押したり深い轍に丸太を入れてクルマが通れるようにしたり…と、見ず知らず同士がチームワークで困難を乗り越えました。助けてくれた方々に礼を言い、弟達に挨拶し、そこからは最終チェックポイントまで全力で走りました。よくよく考えてみると、スタートは30分前倒しで行われているため、チェックポイントのターゲットタイムも30分前倒しです。
 最後尾付近からのスタートと度重なるミスコース、先ほどのレスキューで余裕時間は全くなく(むしろ、時間は間に合わない)、とりあえず完走目指して走るだけです。途中、引掛けコースが有り、普通に走ると元の場所に戻るというループ林道があり、罠に気付かず2周走りました。ここで藤原さんに会いました。そう、基本的にコマ図にない分岐はSO(ストレート・オン:直進)なんですよね。それなのに、全走者の轍跡に誘われて、直進しなかったのが敗因です。いやぁ、お恥ずかしいところをお見せしました。

  

 しかし、ラリーにアクシデントはつきものです。(それだから面白いのですが)
途中、エンジンの調子が悪く、吹けなくなることが増えてきて、しまいには幾度かエンスト。あれ、これは…ガス欠では…。ついには全くガソリンが無くなって停止してしまいました。
 思い返せば、最初に給油しようとしたガソリンスタンドに、気が動転してしまい素通りしてしまったこと、林道でアクセル開けたので想像していたよりも燃費が悪く、航続距離が伸びなかったのが原因でしょう。
 コマ図上の最寄りのガソリンスタンドまでは約4km。あと1Lあれば余裕で帰れるのですが、その1Lが遠いという現実。1km位は押したのですが、時々エスケープしたエントラントが通過することに気付きました。後続車両に手を振るも、皆、手を振り返して通過していきます。…誰も止まってくれない。orz
 しばらく手を振り続けていたら、1台の1200GSが停車してくれました。自分が持っていた耐油ホースを使い、2Lほどガソリンを分けてもらいました。本当に助かりました。
 なんで耐油ホースなんて持っていたか?というと、自分が他の車両に分けるためだったんですが、まさか自分のために使うことになろうとは…こうして、すっかり暗くなってしまった頃、無事にゴールに辿り着きました。 

   

とりあえず、お世話になった方々にご挨拶して表彰式に参加。皆さんいろんな商品をゲットしてニコニコです。我がBOCでも会長や和田さんが賞品をゲットしていました。
 しばらくして、リザルトが発表になりました。自分はタイムオーバーしたものの、全ルートを走破したので完走扱いになったようで、9位でした。次回は1桁ゼッケンで1桁の順位内で、タイムオーバー無しでの完走を目標にしたいと思います。
 参加された皆さん、そしてスタッフの皆さん楽しい2日間をありがとうございました。今年の秋も、ぜひ参加したいと思っています。
 駄文、失礼しました。

GO TO NEXT RALLY…?