DOAマザー牧場2020 参加記

プロローグ

 毎年恒例の春のDOAマザー牧場大会のイベント告知が発表された1月。まず先に飛び込んできたのが「全てターマック(舗装路)!」の文字。読み進めると昨年の台風の影響で、林道はおろか一般の舗装路(山間路)でさえも倒木や道路崩壊が多く、ダートでのコース設定が不可能らしい。と考えると、オンロードバイクでも参加可能!!!
 私は過去毎回、バイクを車に積んで移動し参加していたが、今回は初の自走VARADEROで参加するチャンス!ロードタイヤでツーリング仕様のタイヤではもってこいと言う事で参加決定。ところが、3月からのコロナウィルスの感染拡大の影響で、全世界的にイベントの中止の煽りを受けて、DOAも開催が未定のまま延期。その開催が決まったのが、5月のGW明けに発表。6月21日の決定とともに、3密を避ける為の対策が実施されるらしい。さてさて、どうなることやら・・・。

前夜祭まで。
 日もたって、開催前々日の6月18日(金)、愛知の社宅からキャンプ道具を積んで、夜の内に東京自宅まで移動。出発まで大雨だった空模様も安定し、350㎞を一機走り。さすがVARADERO、高速移動は楽チン楽チン。
 19日の土曜日は、会場のマザー牧場で前夜祭と言う事で、PM3時には会場に到着。すでに会場はいっぱいの参加者であふれている。バリバリのオフタイヤのオフ車から、CBRやMOTOGUTTIまで、今までDOAでは見られなかった車両があり、そんな中のオンタイヤのVARADEROはあまり目立つ存在ではなかったようです。
 会場にはすでに到着していたR1200GSADVの近藤氏とKTM250EXCの辻氏が場所取りしていてくれて仲間と共にテントを設営し、受付を済ませコマ地図とゼッケンを貰い準備に入る。ざっと見た感じでは、いつもと同じコマ図が数ヶ所あるが、素掘りのトンネルを押す主催者により、エリアは幾分か広がっているらしい。
 私の今回のゼッケン番号は108。年々エントリー数が増しているこのイベントでは、ゼッケンの前半と後半でスタート位置が異なるらしい。100番からはBスタート地点となり1分間隔のスタートで、私は4分後スタートで準備を急ぐ事となる。

  

  

当日
 「ラリーの朝は早い。」との言葉の如く、5時半には目が覚め、朝食とラリー装備の荷物積み込むと余裕が出来たので、会場周辺を散策。そんな中、R100GSの松田氏が到着。3日前に寝冷えして体調不良で動けなかったようだが、何とか会場まで来れてスタート台に並ぶことが出来た。しかしF650GDの佐多さんは、仕事が入って参加を断念。一番会場に近い人が来れなくなるとはなんとも皮肉な事で・・・。
 6時半からのブリーフィングで、「CP3の開設時間に訂正があります・・・」と言っていたが、実は、CP3ではなくCP4の開設時間を言いたかったのであろうが、当日にこの間違いを犯す山原トラップはすでに発動していたようだった。が、この時まさかあれを忘れるとは思いもよらなかった・・・。
 いよいよスタートの7時になり、4列目の私は意気揚々とスタートを切った。走りなれた舗装路を10数㎞進むと、さっそくお出まし「通行止め」の看板。バイクなら通れるだろうと進んでみるが、200m先では、1車線の細い道路の8割が谷側に地面ごと崩落し、50㎝幅の蓋付U字構しか残っていない。バイクなら通れないこともないが、この後の80台のバイクと、もしどれかが踏み外して転落したら、今後のDOA開催が出来なくなる恐れを想像し、通行止めの看板の在る所で後続車を止めて、別ルートへ誘導。と言っても主催者でもない私には道案内が出来るわけもなく、スタート地点に戻るか、自力で次のコマ図に回り道してたどり着くかの助言しかできないけど。最終走者が到着したのを確認してから、自分も先のコマ図を探しだし、スマホマップアプリで見当をつけた地点に進む。
 12~13㎞の舗装路を大回りし、通行止めの先のコマ図まで来れた時は、「さすがDOA。こんなところにも冒険が隠されているんだ」と勝手に実感してました。ただ本当の冒険はこの先にあるんですが・・・。
 全線ターマックの言葉通り舗装路を進んでいくと、いかにもな素掘りのトンネルが現れ、それと共にダートも出現。舗装路のアスファルトが崩壊しダートに戻った感があるが、「これはしっかりダートだろ!」と思いつつ、さらにちょっとしたチュル泥や砂利にコケ草・急勾配とロードタイヤとオンロードバイクに辛い路面が数㎞続く。
 それでも50㎞を過ぎたころには、快適な舗装路に戻り、CP2に30分早着で滑り込むと、R100GSの松田氏がプラプラしている。CPの開設時間を待っているらしい。

  

 と、ここで少し時間を戻すと、途中で腰回りが軽いことに気が付いた。手を伸ばすとウエストバックが無い!「ヤバイ、落としたか?」と思い焦るが、出発前にテントの中に置いてそのままスタートして着けていない事がはっきり思い出されたのでホッとするが、バックの中にはスマホや財布や身の回りの必需品が入っており、これが無いと現金もカードも何もない。と言う事は、飯も食えずガソリンも入れられない事に気が付く。そのパニックで、コマ図の左折ポイントを2㎞行き過ぎてしまった。しかし良く考えてみると、今回のコマ図参加にあたり、ラリーデジタルメーターをスマホアプリにしていた事によりスマホは車体に付いており、、連絡手段とCPチェックは可能、さらにスマホのキャッシュレス決算で、コンビニで食糧の確保が出来る事にひとまず安堵。しかしガソリンにはそれが使えない。しかしこれも運がよく、バイクのキーセットにENEOS系で使えるキーホルダー型キャッシュレスツールがある為、これでガソリンを入れる事が出来ることを思い出し、ホッとする。しかし、免許不携帯で捕まったら面倒なので大人しく走る事を心に誓った。
 気を取りなおして走り進めると、CP2で松田氏に追いついたことで、とりあえず現金5000円を借り、CPをチェック通過し、ランデブーしながら房総半島最南端の野島埼灯台に出たところでランチになった。近くの定食屋さんで、刺身B定食を頼むと、サザエのつぼ焼きにアワビの刺身と胆和え、マグロやイカやカンパチ、酢の物や海鮮汁と超豪華。美味しく食していると、昨年R100GSに載り替えた江川氏が到着。ランチに誘い、話を聞いていると、最初にあった通行止めポイントの前で既に迷子になっており、さらに道に迷っていた挙句、その後のエスケープルートも大きく迂回し、素掘りのトンネルもダートも走っていないらしい。・・・まったくこの男は、どれだけDOAの楽しさを味わえなかったのか、残念である。

   

 ランチも終えたところで、この先は海岸線の風光明媚なルートを走り、CP3からまた山側へと道を進む。例年通る素掘りトンネルが部分崩落の為迂回となるが、その先も数か所のトンネルを潜る内に、なぜか渋滞?前者の1200GSがトンネル内の泥でスリップダウンしたらしい。引き起こしのリカバリーを手伝い、こちらは最徐行で無事に通過し先に進む。いくつかのQCP(クイズポイント)では、永遠と階段を登らされたり、答えの無いクイズに右往左往。まー答えが合っていようと無かろうと、あまり気にせず参加出来るのもDOA。
 さて終盤の30㎞はマザー牧場に戻るルートで、所々見える景色や観光牧場でのアイスクリームに、ラリーの楽しさと千葉のツーリングを十分に堪能しました。
 250㎞走ったDOAマザー牧場大会もいよいよゴール。ターマックだけのコマ地図ツーリングでも、いろいろ楽しませてくれるこのイベントは何回出ても楽しい。ゴールの瞬間は大げさな出迎えは無いが、完走した喜びは仲間と分かち合った。

  

 閉会式が無い代わりに、コマ図を返却して参加賞を受け取り、ビバーク地に戻るとメンバーが待っていてくれ、集合写真を撮ってテントを撤収して、各々帰路に付いたのでした。しかし今回の私の忘れ物憑きはまだ終わらない。会場を後にし10分くらい走ったところで、バイクの後ろがなぜか軽い。「アッ、テントを積んでない!」またまた引き返して、キャンプサイトにポツンと置いてあるテントを積み直して往復30分の帰宅時間ロス。でも東京自宅に戻るだけだから、そんなに急がない。帰路ではアクアラインが渋滞していたが、そのおかげで江川氏に追いつき、少し走りながら話をし、その後は1時間足らずで東京自宅まで到着出来ました。3日間、雨に降られず、春のイベントを満喫出来ました。
 私的に月曜日に休みを取っていたので、次の日の午後に、ゆっくり愛知を目指します。朝から雨の音で目が覚め、午後になっても止むことなく降り続く為に、雨具を着て出発したが、途中には雨も止んで、きれいな夕日を見ながらの名古屋社宅へと戻りました。

   


BMW R100GSの松田さん追記レポート 

 16年以来4年ぶりのラリーイベント参加です。今回はダートがないということで、無理せず楽しめそうだと思い参加を決めました。ところが直前にバイクの整備不良発覚&寝冷えによる体調不良でぎりぎり当日参加、などなど、やっぱり久々だと色々あるのはお約束でスタートまで大変でしたね。
 ラリーはダートがないとはいうものの、コースは千葉らしい路面も変化に富んだ走って楽しいコースでした。お天気にも恵まれタイムスケジュールも余裕があったので、のんびり走って途中からメンバーの江川くんや土谷隊長とも一緒に走れたのも良かったです。
 コロナで大変な時でしたが開催してくださった主催者、関係者に感謝しつつ、また機会があれば是非参加したいと思いました。

  

  

  

KTM 1190ADVの加瀬さんの追記レポート

 この日、いよいよ待ちに待ったDoA 2020 春(初夏)の開催!
当初日程では参加できなく残念に思っていたところ、思わぬ延期アナウンス。新たな日程では参加可能となったことから、ダメ元で主催者様に連絡を試みると「後ろの番号でもよければ、どうぞ」との温かいお言葉を頂き、何とか参加に漕ぎ着けた。今回は「オンロードです」との言葉を信じ、1190ADVにオンロードタイヤで参戦。現地の広さ等が不明なことから、いつものトランポであるトレーラーハウスではなく軽トレーラーに積載。振り返れば、今回はオンロードで故障の可能性も少なかったので、自走&テントで行ってもよかったかな。。。
 前日車検も無事に終え、BOCメンバーと共にしばし歓談しつつ、明日に備え早めに就寝。して、当日。スタートは、2方向で混雑緩和。いやはや、今回も一筋縄ではいかないわ(^^;。 13km付近で、まさかの「コース崩落」!!!土谷さんの機転で迂回などして、オンコースを進行方向側から回り込むことで、崩落個所を回避。
 コースは舗装路中心で快適。たまに砂利の浮いた舗装路があるも、そこは1190ADV、難なくクリア。と余裕こいてると、未舗装林道。。。オンタイヤでは滑るすべるスベル!!!ズリンズリンとケツをフリフリ、スタンディングで膝コントロールな乗り方に。1190ADV無印は着座前提のライディングフォーム設計っぽく、スタンディングするとハンドルまでが遠くなるので、ライザーでハンドル位置を上げてる改造をしていた。これのおかげで、林道スタンディングでも乗りやすい。しっかし、アンダーガードつけといてよかった(-_-;
 林道を抜けると、鴨川周辺の海岸道路。ここはいつ来ても、気持ちの良い場所。今回は時間も余裕があったため、ちょっとランチを楽しんだ。折り返しの道も快適で、梅雨の合間の奇跡的な晴れ間をDOAで堪能させて頂いた。
 次回以降も、DOAは1190で参戦したい。そのためにも、腕を磨かねば。土谷さん、皆さん、今回も有難うございました!
 


BMW R100GSの江川さん追記レポート

Doorofadventur春のマザー牧場 (ターマック) 6月21(土)、22日 元紅い鳥こと江川R100GSからのレポートです。
 4月開催予定であったDOA春のマザー牧場編はコロナ騒ぎの為6月に延期になりキャンセルが出たため追加募集で滑り込みの参加となります。
 当日君津PAに土谷会長と待ち合わせ、見ていると参加と思わしきバイクやトランポが追い越していきます。会場に到着すると既に辻さん(KTM250EXC)近藤さん(R1200GS/ADV)の姿がテントを設置夜に備えます。そこにアメ車でトレーラーを引く加瀬さん(KTM1190ADV)の姿が。・・・でっかい車や(ピックアップ&トレーラー)。
 晩ご飯はBBQかお弁当か予想していると弁当配給の案内、残念。しかし内容は肉重視の立派な弁当を肴にバイク談義、その後早めの就寝翌朝にそなえます。
 夏至当日周囲の明るさで目を覚ますもまだまだ時間には余裕が有りふと思いつきます。今回のコマ図は修正が多く例えば「15km地点を20km地点として続行せよ」等々、トータル20km以上の修正が入りますが自分のラリーメーターはサイクルメーター、ひたすら暗算の予定ですが少々辛い。これを一コマずつの区間距離をひたすら足し算4コマ図の横に赤ペンで書き込み修正版を作成、これはやっててよかった。朝には松田さん(R100GS)登場、来るかもと言っていた佐多さんは急遽仕事が入り、来れないようです。

  

 スタートは1~100までと101~と2方向から2台づつ1分差スタート自分はほぼ最後尾順番をのんびり待ちます。すぐ横に加瀬さんが背中に竿を立ててカメラをセット360度撮影だそうです。スタートして早々アフリカツインで関西弁の人に止められ、この先通行止めと言われて一度迂回しようとしたのだがやはり自分の目で見たいと思って行くと前を塞ぐパワーショベルが・・工事の人から以前崩れた場所が2~3日前の雨で再崩れで全面封鎖と。方角的にこちらかなと山勘で向かうと同じく100番台で迷子の人が二名情報交換するも解らず適当に走り回っていると流れの早い道へ、そこで他の参加者よりコマ図のログキャビンはこの先右手に出てくるはず。とアドバイスをもらい向かうと有りました『ログキャビン』。コース復帰、そこからは順調にコマ図を消化朝から足し算して書き込みしたかいが有ります。熱いな。あとCP1~CP2に立ち寄りコマ図には「ここまで来た」と灯台、バイクを止め振り返ると土谷会長が定食屋から出てきて呼んでます。入ると松田さんも、三人で昼ご飯(お刺身美味しかったです)を食べのんびり出発、時間的には余裕があるので写真を撮ったり小さな漁港でのんびりと。
 CP3は行川アイランド跡地入り口、そう言えばあったなーと見渡し出発。土谷会長、松田さんに付いて行こうとするもコマ図チェックしながら行こうとするとテンポが違いすぎて付いて行けません。あっさりあきらめ単独マイペース走行へ。クイズポイントもこなして最後のCP4 養老渓谷そばの小さな駅前に到着、水分補給を済ませて出発するもあっさりと二人に追いつかれしばしランデブー走行。
 左手に牧場が見えたので立ち寄りソフトクリームを堪能、二人は焼きそば対うどん。昼ご飯もしっかり食べたのに元気な胃袋です。ゴール直前にバイクと風景と写真を撮る姿を眺めて3台で無事ゴール、コマ図と引き換えに記念品Tシャツを受け取ります。
 帰りの高速は袖ケ浦付近で渋滞はあったもののアクアライン後半からは流れも良く、地面が濡れているところもあり、つい先ほどまで雨が降っていたようですが今回は雨具の出番なく無事帰着。お疲れさまでした。
 追記 CPの到着確認はスマホで送信なのですがCP1.2はスタッフにお願いして、CP3.4は土谷会長にお願いして送信しました。ありがとうございました。