DOA春2018 マザー牧場大会レポート

 行ってきましたDOA春マザー牧場大会。今回は、私(土谷)がお送りします。
 1回目大会よりELEFANT900Mでエントリーして来ましたが、今回は初のDOCATI
MULTISTRADA1200Enduro (以降MTS12ED)でのエントリーとなりました。
 昨年10月に試乗車を購入してから、半年かけてオフロード車としての改造をコツコ
ツと行って来て、やっと納得出来る対策を施したMTS12EDを試せるチャンスです。
 過去の大会より雰囲気を知っているだけに、気構えは出来ていますが「バイクがど
こまで走るか、人がどこまで乗りこなせるか、」が問題です。2月から3月にかけて、
オフロードコースのフリー走行やクラブツーリングで色々試しながらやってきており、
いよいよ本番です!
 今回の大会では、150名のエントリー募集枠に対して、2月1日の申し込み開始から約2週間、2月16日には定数一杯になり、蓋を開ければ総数180名の大台のエントリー数。昨今のコマ地図ラリーブームに加え、KTM協賛店の団体申込みが大きい。BMW勢とKTM勢、2大勢力の中で前回の新型アフリカツイン軍団、初心者でも参加し易いDOA。まだまだブームは続きます。・・・その裏では、のんびり申込みを待っていた、ビッグオフロードクラブのメンバーの中には、エントリーをし損ねた方もおり困った事に・・・。
 春のDOAは、日曜日1日のみの開催。前日の土曜日は受付・車検したのちに、夜はマザー牧場のバーベキュー場で食べ放題の焼き肉パーティと生バンドの演奏で盛り上がります。コマ地図を前日に巻いておけるので、朝が大分楽になります。
 今回の大会へは、クラブより私・土谷と、近藤@KTM690ED-R、齊田@KTM690ED-R、辻@KTM250SIXDAYS、二木@RD04アフリカツイン750(黒)、松木@ハクスバーナ701ED、佐多@F650GD、佐多ジュニア@TT-R250 、辻口@KTM1190ADV、長谷川@KTM990ADV-S、斎藤@KTM990ADV-S、矢板@R1200GS/ADVの12名と、お友達が一杯。エントリーを済ませていた西口さんは、3月のクラブツーリングで肋骨を負傷した怪我の為、その座を近藤さんに譲渡し自身は大事を取って辞退しました。

   

 土曜日は、天気は夕方前から風邪が強くなってきて、夜半には雨も降り出す悪天候(主催者の山原さん曰く=最良天気!)。出展者のブーステントも風で飛ばされそうになり、夜中まであちこちで不幸に見舞われた方が大勢いたとか・・・。そんな天気も朝には・・・、さらに激しさを増し、この後の物語を作り出します。
 イベントの中止もささやかれる中、スケジュールは予定通りに進行。6時半のブリーフィングの後、7時にはコマ図ラリースタートです。今回は参加台数が多い為、100番以下の前半組と100番以上の後半組でスタート地点を2つに分けほぼ逆ルートが用意。私は19番なので前半組の通常通りの左側ゲートより合羽を着ての雨・風の中スタート。午後には天気が回復するという予報を信じて。
 今回から、スタート-CP-ゴールのチェックを「携帯のバーコードリーダーで読み取ってその場で送信する」と言うハイテクシステムを導入した為、紙のチェックシートが無くCP通過確認も雨の中でも問題なく進行。山原さんの探求心と向上心には感心しきりでした。

   

 スタート後は、いつものルートを熟して行くと、昨年倒木越えのあった細い舗装路あぜ道に。またもや同じ位置に倒木はありましたが、昨年より淘汰されて朽ちてきており難なくクリア。しかし、所々チュル泥がコンクリの上に被さっており、スピードが出せず転ばないように慎重に進みます。やはり転倒によるバイクの引き起こし恐怖心があります。(何とかここまでは、MTS12EDを購入してから1度も倒すことなく乗ってきた記録が、この後、もろくも崩れ去ることに・・・。)
 この後は舗装路を繋ぎチャレンジルートのシングルトラックへ。「やはりな~」と思いながら進むと、空中倒木潜りと倒木回り込みの箇所多数。「前車がスタックすると、後車がサポートをする・・・」を繰り返し、200~300mのシングルトラック押し進むこと1時間以上。
 路面がチュル・ヌタになると、私にとってはオーバースペック気味のMTS12EDは、その重量がライダーに伸し掛かって来ます。足場の悪さと立木に阻まれ一人では起こせず、数名にサポートしていただきながら左右に2回ずつ倒れ、乗っては転び、前車の泥を浴びながら、息途切れ途切れ藪を抜けきった時には、5分程、動けない程に消耗しきってました。息を整える為休んでいると、その横を佐多さん親子やその他の参加者達は、スーッと通り抜けて行きます。(自分の実力を思い知らされる時となりました)

   

 そして、これが今回の山場と信じて落ちかけた気持ちを奮い起こし先に進みます。数本のショート林道や手掘りのトンネルを抜けると、走行距離100㎞付近のQCP(クイズポイント)で、逆ルートでスタートした後半組のエントラント達とすれ違います。ここで思ったのが、前半組はシングルトラックで大分時間を消費してここまで来たのに、普通の林道を走ってきたはずの後半組が同時間をかけてここに居るって事は・・・、この先の林道に不安が出てきました。それでも完走を目指し前へ進みます。
 やっとのこと海沿いの国道まで出たころには雨も止み、晴れ間が見えてきました。昼食は各々海鮮物を求めて店に入る人や、いい匂いのするラーメン屋に入ったりしていく中、自分はコンビニでさっと済ませ、この辺りから990ADV-Sの長谷川さんとランデブー走行となります。
 この先はいつもツーリングする林道群。ただ、午前中までの雨で、水溜りや乾いていればなんて事ないキャンバー走行も、アクセルミス一つで地獄と化します。CRF1000Lや1200GSやセローや250㏄クラスの車両も、深い溝にタイヤを落としながらも、その場に居合わせたエントラントと力を合せて難所を抜けて行きます。私のMTS12EDも当然ながらリヤタイヤを左右に振られながらも、程よいトラクションコントロールで滑りすぎる事は無く、バランスと目線を常に前に向けて無事通過。(嵌ったら1人ではどうしようもない恐怖心で失敗は出来ない!バイクの性能に感謝!)
 ラスト1本の林道を前に、ガソリン残量計が後20kmのランプが点灯しはじめたので止む無く本ルートから脱線し、数百m先のGSを目指します。ゴールまでのガソリンを補給したところで、東京湾沿いの休憩所で傾きかけた日差しをバックに汚れたMTS12EDを写真に収めます。ここでやっと気持ちにゆとりが戻ってきました。

  

 こ後はゴールまでのラストスパート。昨年、通り損ねたフラットダートをビクトリーランと思いながら、通り抜けてマザー牧場までの舗装路のワインディングを駆けて完走。トータル209.4㎞のONルートに、GSまでの脱線、幾度のマップ距離記載ミスに右往左往しながらも終わってしまえば充実感と疲労感と満足感の入り混じった一杯の気持ちで、ゴールで迎えてくれた仲間達と分かち合いました。
 半年かけた転倒対策改良も幸を奏し何処も壊れる事無く、走り切る事が出来ました。因みに雨の中、MTS12EDを走らせたのも今回が「初」でした。付いた泥と傷は、オフロードの勲章です。
 表彰式では自分が手にする物はありませんでしたが、MTS12EDで走りきった満足感がなによりの勲章です。
ここからは、トランポにMTS12EDを積み込み、ほぼ最終組となりましたが、山原さんとスタッフに挨拶し、近くの温泉に入ってから、帰路に着きました。(さすがに途中で疲れ切って、朝まで高速のパーキングで爆睡してました。

  

後日談:
・シングルトラックでバイクに着いた肥えた泥は、水をかけた位では落ちる気配も無く、ブラシで擦っても落ち切らないので、最後は「うなじる」をいつもより濃い目に配合し、半日かけて洗車し、次の泥遊びに備えます。
・180台のエントリーに対して、当日の出走は約130台。日曜朝の天候で30台のエントリー車はスタート地点まで到達出来ず、約20台は当日のスタートを止めたと聞きました。「行くのも勇気、止めるのも勇気。」個人の判断は大切です。・・・(-_-)zzz)