2017春DOA参加の記


  レポートは、近藤健二@KTM 690 Enduro-Rさんです。

              みなさん、お元気ですかー、、ってソウル五輪が開かれた1988年に
           井上陽水が日産セフィーロのためにテレビから呼びかけた挨拶をあえ
           て繰り返してみせる、私ってカビの生えかけた初老の近藤@KTM 690
           Enduro-Rです。

            
 大型免許を取得して5年、林道に足を踏み入れて3年弱、BOCには
           2年前の3月に初参加させていただいた私ですが、はまっておりますよ
           オフロードの世界。はまりすぎてオフロードバイクを次々に買い換える
           までは良いものの、わだちに嵌って大転倒したりすること数度というの
           はいけませんなぁ。老骨に鞭打つというより、老いらくの恋は盲目みた
           いなもんです。反省するなら猿でもできますよね、アハハ。

            
 さて今回のお題は、猿じゃなかった、さる4月15日(土)から16日
           (日)に千葉県房総半島のマザー牧場で開催された「Door of Adven
           ture 春2017」についてです。

 略称DOAのこのイベント、当クラブの古参会員の皆様にはすっかりおなじみのイベントですね。春は房総、秋は福島界隈、そして今年から夏編まで開催されるとのこと。当方がこのイベントをはじめて知ったのは、当クラブに入会した2015年の秋のことでした。当時はオフロード新参者の当方が参加できるなどとは想像もできませんでしたが、怖いもの見たさみたいな何か興味深いものを感じました。
 さっそく2015年10月に福島県川内村で開催された大会を見学させていただくために駆けつけまして、当クラブ参加のメンバーが宿泊しているロッジに押しかけ、ラリーって何?みたいな話を伺った記憶がございます。

 そこで止まっておれば良いものを、川内村の大会を見学させていただいた2ヶ月後の12月には、なんとラリーに出るならKTMでしょとばかりに、当時乗っていたヤマハ・テネレを下取りに出してKTMの690 Enduro-Rの購買契約書に印鑑を押す自分がいたのでした。馬鹿だねー、、って猪突猛進だからイノシシか。遠回りの話ばかりですみません。このKTMに乗って昨年春のDOAに初出走したのです。そして昨年秋のDOA、今回と3回目のDOA出走と相成りました。
 今年春のDOAエントリー開始は1月20日でした。およそ大会から3ヶ月前ですが、2月に入ると「俺はエントリーしたよ」などの投稿が当クラブのLINEグループにちらほら見られるようになり、3月にはいるとLINEグループではDOAの話題が目立つようになりました。いいですよねLINEは。黙々と準備を重ねるなんて、ちょいと陰気な感じがしますしね。いい年こいたオヤジたちの道楽なんだから、少年のように遠足前にLINEで盛り上がったほうが気分が高揚します。
 3月15日、エントリーは締め切られました。3月22日、DOAの公式ブログではエントリーリストが公開されました。今年の出走者・エントラントは130名と、昨年春のエントラント145名よりは若干減ってはおりますが、中高年が中心のオフロード界では盛況というべきでしょう。ほとんどの方が関東近郊からの参加のなかに、宮城県、大阪府のかたもチラホラ、、とはいえ青森県から参加のこの方「ハヤサカジュン YAMAHA WR250R」はエントラントの中でも最長リエゾンの異彩を放っておられます。14日と17日の前後2日は職場で有給宣言をしたと早々にLINE投稿されておりました。
 さて当クラブからのエントラントはエントリーリスト順に、20番サタマサミ(千葉県BMW F650GS Dakar)、26番ツチヤウンカイ(愛知県 CAGIVA ELEFANT900M)、39番ツジグチタカシ(神奈川県 KTM 1190ADVENTURE R)、41番オガワフジオ(埼玉県 HONDA XR650R)、47番コンドウケンジ(神奈川県 KTM 690 Enduro-R)、54番マツキシンイチロウ(東京都 Husqvana 701Enduro)、63番ハヤサカジュン(青森県 YAMAHA WR250R)、80番ウメノミチアキ(千葉県 HONDA XR650R)、87番フジワラセイゴ(BMW R100GS)の9名でした。
 いよいよ遠足の日がやってきましたよ。わくわくで寝付けないし、4時間もすれば目が覚めるし、、いくつになっても遠足は格別です。早朝に目覚めると、ありゃ青森からやってくる早坂さんから、午前1時にLINEが入っとるよ。「とりあえず、中郷SAまでたどり着きました。おやすみなさいー」って、ご苦労さまです。
 去年のようにラリーが土曜開催で金曜の午後から深夜にかけてだんだん集まってくるという式とは違って、今年は土曜の午後以降にマザー牧場に集まり、土曜夜に前夜祭、日曜にラリーという式次第に変わっています。だから、土曜に特に早く行く必要はないんだけど、早く目が覚めたから9時には自宅を出発して、ゆっくりご飯をたべて牧場へ、なんて考えていたら大違い。土曜の東京湾は大荒れで、アクアラインも走行注意で確か40キロ制限がでるほどの強風です。正直言って、大型バイクにのって5年、今回のアクアラインの走行ほど命の危険を感じたことはありませんでした。
 真横から吹きつける風がときおり強烈に体にぶつかり、バイクは車線半分くらい流されてしまうほどでした。すりぬけなんてとんでもありません。飛んでも8分です。土谷会長からは「アクアライン横風、風速17m、バイクの通行はやめたほうがいいです!」とのLINE投稿がありましたが、それを見たのは現地に到着したあとでした。ああ、怖かった! なんとか午後イチにマザー牧場に到着すると、いるわいるわ、遠足モードのおじさんたちが一杯。当クラブメンバーも三々五々集まり、おおかたキャンプ場の真ん中に集中してテントを張りました。大型トランポで参加した土谷会長と早坂さんは、トランポの指定席に陣取りました。

   

 去年と違って車検は前日に行うスケジュールになっておりまして、転倒後にリアのショート化でナンバープレートが上を向いてしまった当方のバイクも無事に通過いたしました。(その後、販売店で45度の法規対応に直しております。念のため。) ことしはラリーマップの配布は前日でした。だから作業が超ラクでしたよ。当日朝の配布だと、出発前にはトイレにも行かなくっちゃ、コンタクトもいれなくっちゃ、マップの貼り付け途中で風で飛んでアワワなどと、せわしないのですが、今回は余裕綽々です。私はことし電動ラリーメータをついに導入しましたので巻き取りもスムースでしたよ、ウシシ。松木さんも投資しようよ!
 そうこうするうちに18時、お楽しみのジンギスカンタイムで、まだだいぶ明るいうちに会食会場へ移動です。まあ食べましたわ、はっきり言って。肉の皿、野菜の皿、いったい何枚平らげたか不明ですが、みな欠食児童みたいなという戦後タームがお似合いの大食漢ぶりでした。夜はこのあと、去年と同じ一人何役でドラムやらギターやらを演奏する人が率いる、面白い楽団の演奏を聞きながらのオープンバーで更けてゆくのでした。
 コケコッコー、コッカドゥードゥルドゥー、コッキオー、コーコーケーって、しつこいなオヤジ。日曜朝、ラリーの朝です。キャンプの朝の定番、朝ラーメンを作りまして食べておりましたら、早坂さんが青森から持参されたリンゴを恵んでくれました。ごちそうさまでした、早坂さん。

    

 午前7時、おのおのラリー装備に身を固めた130名の精鋭が中央テント前に集まり、注意事項の伝達です。それにしても誰とは申しませんが主催者側のブリーフの日本語の意味不明さはなかなかのものでした。結局、コース上には倒木が多いから気をつけろという話以外は、何を言っているか分かりませんでしたが、まあ何とかなるでしょう。
 マップをもらっているんだからという感じで気になりませんでした。ラリーへの愛情の深さのあまり、日本語には関心が薄れているのでしょうね、きっと。走った後にわかったのですが、チェックポイント3はコース上のどこかに設定してあるから注意してという話もしていたのですね。
 このあと、辻口さんのバイクに異変が!!ニュージーランド・ラリー仕込みのKTM 1190の華麗な技で頑張っていただこうと期待しておったのですが、なにやらマフラー周りの調子がおかしいとかで、KTMディーラーの人に見てもらっております。これが不幸?の前兆だったとは、まだ誰も知る由もなかったのです。

 

 午前7:30スタート、30秒きざみで2人ずつの出発です。
私47番ですから計算上は7:50過ぎのスタートのはずですが、すぐに召集をかけられてアセアセでした。たしか25キロぐらいまでは、去年と同じルートだったと思います。足慣らし区間ですね。ダートはなくって、マップ通りに走る練習ですね。と思ったのもつかのま、チャレンジ区間です。細い細いコンクリート道をやっと通過すると、行く手を阻む2本の倒木です。
 ここは何台ものバイクがつっかえてました。先人のチャレンジをよく見ると、真ん中を勢いつけて進むと乗り越えられるんですね。わたしもエイヤッとばかりに進みますと、なんとか倒れることもなく越えられました。けど、少し躊躇して倒木の右側半分に回り込んだが最後、面白いように滑って転倒です。このパターンの方も、何人もいらっしゃいました。この日の中でも、なかなかの難所の一つでした。
 私の直後にこの難所を通過したと思われるのが、ゼッケンナンバー41番の小川さんです。2時間ほど後に知ったのですが、「1発目のチャレンジで、転倒。足首ひねってリタイヤしました。」とLINE投稿がありましたから、この最初のチャレンジ区間の倒木の罠にやられてしまったようです。
 さらにさらに、この小川さんのLINE投稿の直前には、辻口さんの10:40付けの投稿がありました。「マフラー燃えて、出発即リタイヤ。レッカー待ち。」なんと!リタイヤですと。そして当クラブメンバーの驚きの声に、辻口さんの返信は「マフラー燃えた感じー。って、まじか、もう。」いや本当に、まじかー!!ということで、当クラブ9名の挑戦は、早々に2名が脱落とあいなったのでした。波乱の幕開けというほかありません。歴戦の勇士2名散る。

   

 この日、もう一つの難所は50キロ付近にありました。倒木や空中倒木などのトラップが続く茂みを通過したあと、もう手入れもされていないような広い果樹園に突入し、KTMのオレンジのテープのみを目印に進む場所でした。手がかりはオレンジ色のテープとCAP〇〇°という方位指定の二つだけで、道のない広い果樹園の中を4つか5つ曲がっていく、まあクイズチャレンジみたいな区間です。この途中でオレンジテープを探していたら、後から出発した土谷さんと佐多さんに合流する形になりました。助かりましたよ、会長!私の後ろの数名は、エイヤッとばかりにオレンジテープのない方向に向かって突入してましたからね。3人で冷静に周りを見渡し、オレンジテープを発見、ことなきを得ました。
 ここからは、私と土谷さんと佐多さんで、しばらく集団走行と相成りました。昼飯もご一緒に、ゆっくり焼き魚定食やら刺身定食やらを堪能させていただきました。房総ラリーらしい海鮮のひとときでした。

   

 第3の難所は、ダートの深さでもトラップでもなく、マップそのものにありました。忘れもしない「牧場」の看板を曲がり、ぐんぐん坂を登っていくコースの分かりにくさは天下一品。あとで調べたら、近藤牧場でしたね、同じ苗字なんだから分かりやすくしてくれよとは言いませんでしたが。数多くのエントラントがこのあたりで右往左往しはじめました。
 私は土谷さんと一緒に、ぐんぐん間違えた方向に進み続けました。さすがに何か変、マップが合わなくなったと気づいて、来た道をとってかえすと、くるわくるわ同士諸兄が。曲がる場所を一つ間違えただけで、迷路ですね。これぞラリーの醍醐味ですかね。というか、マップトラップひどすぎるぞ、もう。
 こんな調子で後半は距離をかせいでしまいました。近藤牧場までは、1箇所も間違えず好調だったんですがね。さはさりながら実に楽しいラリー走行を堪能させていただきました。今年は、テントそのままでスタートしましたので、マザー牧場に帰ってからの撤収でした。皆で片づけをして、ひとしきり各々の戦果というか戦禍を披瀝しあったのでした。早々に散華し早退した2名の勇士についても盛り上がったことは言うまでもありません。
 ことしも数々のストーリーを生んでくれたDOA春のイベントは、こうして幕を閉じたのでした。それにしても辻口さんのマフラー周りの問題は、このあと2ヶ月近くも尾をひくことになろうとは、このとき誰も想像しませんでした。辻口さん、今度会ったらメカ素人の私にもわかるように何が起きたのか教えてくださいね。

  

 ところでDOAの参加3回という初心者の私ですが、7月14日から17日の4日間、北海道の芦別を起点・終点として開催される、北海道4DAYSラリーに無謀にもチャレンジいたします。順番なぞを気にするような大胆不敵な心根はこれっぽっちもなく、まずは参加し完走することに意義ありのオリンピックの原点みたいな気持ちで出走させていただきます。

 はまると恐ろしいですね、オフロードやらラリーやらの世界は。道楽一本道に皆さんもお気をつけて!ほな、さいならー。