BOGTギャザリングレポート

BOGTギャザリングレポートを仰せつかりましたグリーンメタアフリカンこと高橋です。
まずは、東日本大震災に被害に遭われた方々にお見舞いを申し上げますとともに亡く
なられた方々のご冥福を心よりお祈り申し上げます。

 1.未曾有のM9.0!

 2011年3月11日に東日本を襲ったM9.0の大地震は、津波による多くの尊い犠牲を
出しだけではなく、数多くの余震や原発事故等を引き起こし、日本全体を大きく揺さ
ぶり、当たり前だった生活が一瞬にして変わるものでした。当たり前に行われていた
3月ツーリングも中止となり、この様な状況の中、節電と義捐金でしか協力できない
虚しさに加え、ガソリン不足も合わさってバイクに乗るのもためらわれていました。

 
2.BOGTギャザリングに行こうよ!

 そんな中、皆さんの動向も気になるので4月2日のミーティングに参加しました。震災以来はじめてバイクに乗りました。皆さんの無事が聞け安心しましたが東日本大震災の話で持ちきりです。喪に服すか消費を喚起し再起するかなどの話の中、「4月24日のBOGTギャザリングに行こうよ」「ビッグオフローダーが今できることをやろうよ」と言うことになり、クラブでの参加となりました。もちろん今年のメインイベントのクラブ20周年イベントの話もしました。
 そんなミーティングを終えた後は、震災前に替えたツアラーテック(WORTH)のフロントフォークスプリングの性能を十分に試すこととリベンジBOGTヒルクライムのために前後KAROO Tへの換装をすべく、KAROO Tの調達に動きましたが、売れないからか?震災の影響か?メーカー欠品であることとTKC80がもう日本で手に入らないの事実がわかったのでした。メーカーになければ量販店在庫を探すしかないと電話をかけまくり、フロントT63 リアKAROO Tを確保してアナーキーから換装したのでした。

  

 3.備えあれば・・・・?

 自然はとってもイジワルです!「天気予報 長野地方 4月23日〜24日 雨60%」と無情な情報が表示され、現実に4月23日は暴風雨!夜もしっかり強い雨が降っており、24日は雨 20%の天気予報に「ホンマかいな!防水処理をしてカッパ着て行こう」と寝たのでした。 朝起きてみると晴れており天気予報は当たったのでした。余裕をもって、さあ行くぞとエンジンをかけるがかかりません!(悲)「ゲッ!ガス欠じゃん!」と悪夢が襲いかかったのでした。震災のガソリン不足で500ml携行缶を用意しあったのを思い出し、引っ張り出して給油してエンジンをかけGSに直行したのでした。
 ガソリンを入れて時計をみると5:45!集合時間まで45分しかないじゃんって法令遵守しつつアクセルを煽って行き、霧の中央高速を抜けると集合場所の談合坂SAに5分遅れで到着したのでした。
 そこには、土谷会長(CAGIVA ELEFANT900M)、松田さん(BMW R100GS)、辻さん(BMW R100GS/PD)、原島さん(YAMAHA XTZ660テネレ)、斉藤さん(BMW R1200GS/ADV)、稲葉さん(アフリカツイン)、川島さん(KLE400)、岡田さん(BMW R1100GS)が揃っていました。遅れてスミマセン!

 4.リエゾン

 ご挨拶もそこそこに大町チャレンジフールド中山高原に向けて、中央高速談合坂SA→長野道豊科ICへの1stステージ開始。お茶なんぞ買って一服していた私は会長CAGIVA、原島さんXTZ660テネレと最後尾で出発したのでした。会長が良い音出して高速を良いペースで巡航するんです。岡田さんに追いつきましたが、大月JCT辺りで岡田さんとは別の用事でお別れです。
 その後斉藤さん、稲葉さん、川島さんを追い越し、辻さんに追いつき4台で豊科ICへ到着。しばらくすると松田さん、斉藤さん、稲葉さん、川島さんが到着し、長野道豊科IC→大町チャレンジフールド中山高原への一般道2ndステージを9台で進む。9時40分に大町チャレンジフールド中山高原に着いたのでした。

   

 
5.でっかいチュル&ヌタ!

 大町チャレンジフールド中山高原に着くとビッグオフは駐車場にならんでおり、コース内は数台が走っている状態でした。それもそのはずでコースはでっかいチュル&ヌタと化していたのでした!駐車場にはいると平山さん(NEWスーパーテネレ1200)、米澤さん(HPN R100GS)そして波方さん(SUZUK CARY660)と合流しました。
 波方さんは皆さんの為に昼の仕込みを開始し、私達は主催の松本さんの案内で受付を済ませ、開催しているフリーマーケットをのぞくとTシャツ、キーホルダー、ステアリングダンパー、タイヤ、ガソリン携行缶や菅原さんの日野レンジャーのミニチュアなど多数出品されており、私はBMWのキーホルダー・BACKOFF-Tシャツとサインつき日野レンジャーをゲット!皆さんもそれぞれゲットされていた様子です。

「モトクロスタイヤの250ccでさえ、立ち上がれない、このコーナー!ビッグじゃ更に地獄絵図に、なるな〜〜〜。」

 それから下見へと徒歩にて皆さんとともにコースインしていきました。コースは赤土で重く、どんなタイヤでもすぐスリック状態になり、ダウンフェンダーだと取り外さないと泥詰まりになる状態です。ヤニでカーボンだらけのシングルでへたったサスの高橋はエンスト気味で下見について行きます。(悲=体の話し・・・ね) コース中腹で皆さんとコースを眺めていると、セローがケツを振って苦戦し、XRやKTM640はコースはそこそこ走るがヒルクライムは失敗しまくり状態で地元の方も難易度高とおっしゃる状態です。我がクラブは偉大なる太陽の力を信じつつ、午前中は休戦ということに相成りました。

 
6.ギャザリング全体集会

 11:40よりギャザリングの全体集会が始まり、まずは参加者全員で東日本大震災で亡くなられた方に対して1分間の黙祷を捧げました。BOGT緊急ギャザリングの主旨説明(ビッグオフローダでやれることをやろう)や被災地に実際いかれた方からのお話(被災地は復興に向けて動いているので、地元へお金を落とすようにした方が良い)と今回のギャザリングに参加した団体(地元大町のライダー有志、5UPOC(50歳以上が資格だそうです)、全国2CV会議連絡網、GSレーシング、HP2 EnduroChallenge、BOGT、ビッグオフロードクラブ)の紹介がされました。
 その後、地元書道家石原紫苑先生の書「今、愛の轍をこの地上に」を前に参加者全員での記念写真撮影を行い、メインの全体は散会となりました。書の全文はその場では読めなかったのですが、松本さんのHP(ON THE RORD)に掲載されており、ACの広告より心打つものでした。
 お昼は、波方さんの仕込みでカレーをいただきました。波方さんありがとう!ごちそうさまです!
 そして義捐金を集めて、皆さんと3/11当日の話や原発対応の話など裏話を含めいろいろ話しているとギャザリング午後の部近くとなり、午後はコースを走る(コース派)と地元の方の案内で林道ツーリングをする(林道派)の選択参加となり、「林道派」 辻さん(R-GS/PD)、平山さん(NEWスーパーテネレ)は13時に地元の方に連れられ出発。
 「コース派」 土谷会長( ELEFANT)、松田さん( R-GS)、稲葉さん(アフリカツイン)、川島さん(KLE400)、斉藤さん( R-S/ADV)と私となりました。リエゾンでフロントフェンダーが熱で溶けた原島さん( テネレ)は「撮影派」となりました。


  

 7.コース派出発!

 受付で手続きと走行料を支払い、コース派はコースイン!私はエンジンをかけると晴れているとは言え高原ですので冷えていてアイドルが安定しません。暖機してコースイン!午前中はテネレがケツ振って上っていた坂も午後は適度にすべるくらいで「こりゃタイヤも新品サスも替えてるのでバッチリだ!」と思っていたのもつかの間で、次の下りからコーナー曲がっての上りで前後が左へ大きく流れて転倒!早くも左すべてが泥まみれ状態に・・。アフリカは暖機しても自分が全然暖機してねーじゃん!
 コースの上り途中なので、ヌカルンダ上りを押していくことに・・・でもなかなか上がらない。KTMの方に手伝っていただきやっと頂上へ着くころには自分も十分暖機されている(というより息切れでエンスト気味)状態となり気を取り直してアタック再開。
 ジャンピングスポットで飛んでみる。「おお!フロントが底きしない!(サスの投資は十分回収!)」と自己満足。気を良くして内回りコース・外周りコースと走っていく。4回目のジャンプでハンドルポストのネジが緩んでコンチハン状態に・・・。広いところのあるコースの中腹まで走っていって、ハンドル修復し、走行再開。皆さんトラブルなく走行を楽しんでいる。
 斉藤さん(R-GS/ADV)はブロックタイヤでもないのにあの車体でスムーズに走っている。腕なのかGSがすごいのか感心します。外コースの最終地点の斜面で集合写真を撮ることになり、斜面にマシンを並べていくと斉藤さんがいない。しばらくして斉藤さんがコースを降りてきたので斜面に誘導すると地球の重力にR-GS/ADVが負けてしまい転倒!撮影準備で斜面に並べている我々は降りて助けることもできず傍観。斉藤さんがR-GS/ADVを自力で起こしたので、そのままコースを走って斜面の下に誘導すると今度は反対側の地球の重力に負けてしまい転倒!重い車体を再度起こして辿り着いたのがこれです!斉藤さんご苦労様です・・・。
 撮影後それぞれ走っているとコース出口付近で今度は川島さん(KLE)が停まっています。なにやらアクセルワイヤーが切れたみたいです。さすがにコース内では何もできないので、コース派の走行はこれにて終了。それぞれ90分間のコース走行を楽しみました。


     

 8.キャザリング終了

 コースアウトすると林道派ももどっており、ほどなく終了の集会が始まり、参加団体の挨拶と義捐金・フリーマケット・支援物資受け入れが滞りなく済みギャザリングの成功と今後の復興をめざしていくことをを参加者全員で確認して散会となりました。途中で波方さんが時間の関係で帰られました。お見送りできなくてすみません。
 でも今日はツーリング。帰らなければ意味がない。さあ、KLEのアクセルワイヤーの修復です。まずは、アクセルをばらして切断箇所の確認です。ワイヤーは大体はアクセルかキャブの元で切れることが多いです。原島さんが執刀医でオペ開始。今回はアクセルの方で切れてました。ワイヤーをどう繋いでいくかです。私は昔からロープと針金(牽引か直すか)を持っていました。今回は、針金(真鍮線)をよってワイヤーを作成し、それを切れたワイヤーに編みこんで繋げ、スロットルボディ内のタイコを固定する所に繋げることとしました。ワイヤー同士の繋ぎ部分は原島さんの収縮チューブで補強しました。老眼にはきつかったですが無事に再生に成功。あとは耐久性の問題です。16時30分に関越方向の松田さん(R-GS)、別行動の斉藤さん(R-GS/ADV)と分かれて中央道へ出発したのでした。

  

「コースの泥はウォーターゾーンで落とすのがエチケット!」

 9.今、愛の轍をこの地上に

 大町市外を抜けて豊科IC5Km手前の付近でKLEのアクセルワイヤーは再断裂!(これじゃ私のアキレス腱と同じだわ)近くのガラス工房の駐車場まで行ってオペを再開。スロットルボディ内で真鍮製のワイヤーが摺れて切れていました。真鍮線では無理がありました。(20km程度しか持ちませんでした)幸いワイヤー同士の繋ぎ部分は収縮チューブで補強されていたので大丈夫です。


   

 
「みんなで力を合わせて乗り越えよう!」

 今度はKLEに皆が集まって知恵と道具を出し合います。近くの店に紐状ものを捜し行ってくれる方、自分の工具箱を見直してくれる方、皆でKLEを自走して返す目的でできることをそれぞれ進めてます。結局、スロットルボディ内の固定はワイヤーの状況がわかないので止めて、アクセルワイヤーをアクセルグリップに直接巻きつけることでワイヤーの状況が確認できる方法としました。
 会長の道具箱から各種の固定金具とボルト・ナットがあったことで、スロットルボディからのワイヤー引き回しが可能になり、針金(鋼線)でワイヤーを再作成して、ワイヤー同士の繋ぎ部分の収縮チューブがしっかりしていたのでのキャブ側にワイヤーの再接続ができ、そこにタイラップも接続できたので、ワイヤーと同様にアクセルグリップに巻きつけて二重化し、アクセル操作ができるようにしました。タイラップの接続も皆で「ああだ。こうだ。」と接続していきました。ワイヤーだけよりも弾力のあるタイラップの影響で前よりもアクセルらしい感触です。寄らば文殊の知恵!
 豊科ICに向かって出発。長野道→中央道と順調なリエゾンとなり、中央道双葉SAで晩飯を食べ、その後、相模湖IC以降順次それぞれの帰路につきました。川島さん(KLE)も無事ワイヤーが切れることなく帰宅されました。皆そして他のさんも無事に帰宅されました。
 目的(KLEを自走で帰宅)に向かって皆が知恵を絞って行動した結果で目的が達成できたというのは、今の日本の復興も同じではないかと思います。

「今、愛の轍をこの地上に」 がんばれ!日本!!