私は熱を出してしまって、部屋で一人で休んでいた。
(う〜ん、体はダルイけど一人で寝てるのは寂しいなぁ)
そう思いながら横になっていると、襖の外から大好きなあの人の声がした。
『○○さん、入ってもよろしいですか?』
突然の訪問に驚いてしまう。
『お、沖田さんですか?』
『はい、私です。』
『ちょっと待ってください』
私は慌てて起きあがると、着崩れた浴衣と髪を直す。
『どうぞ』
私がそう言うとスッと襖が開く。
そこにいた沖田さんを見た私は驚いてしまう。
沖田さんが、顔が見えなくなる程沢山の花を抱えていたからだ。
『どうしたんですか?そのお花…』
驚く私に、沖田さんが花を渡す。
『お見舞いです』
にっこり笑って沖田さんが言う。
『あ、ありがとうございます…でも、こんなに沢山…』
私が戸惑いながら言うと、沖田さんがちょっと頬を赤くしてはにかみながら言う、
『実は、花売りのお嬢さんに捕まってしまいまして…』
その言葉に、私は胸にモヤモヤが広がっていく。
(沖田さん…花売りの女の人にいい顔して…)
そう思うと、ついがっかりしてしまう。
『○○さん?』
私の様子を見て、沖田さんが心配そうな顔をする。
『なんでもありませんよ』
私が慌てて笑顔を作ると、沖田さんはちょっと首を傾げながら話を続ける。
『その花売りのお嬢さんが、年は10位だと思うんですが…私に言うんです。女は花が好きだから、多い方がいい。一つや二つじゃ、そのうち他の男に取られちゃうわよって…』
そう言って沖田さんは楽しそうに笑う。
私もその笑顔を見てクスクス笑ってしまう。
(なんだ…お嬢さんって子供のことだったんだ…)
私が笑うと、沖田さんはホッとした笑顔で私の頬に手を伸ばす。
『良かった…笑ってくれて…』
その笑顔に胸がギュッとなる。
『あの…ごめんなさい…私…』
そこまで言うと、沖田さんが人差し指で私の唇を押さえる。
『わかってます…やきもちを焼く○○さんも可愛かったですよ。』
そう言って微笑む沖田さんの笑顔に、私は胸のモヤモヤも熱も忘れてしまう程癒されたのでした。