私は、バラの花を彼のスーツの胸ポケットにさした
『私のNo.1は、慶喜さんしかいません。』
私がそう言うと、慶喜さんが少し頬を染めて嬉しそうに笑う。
そして、私の手をとって、まるでおとぎ話の王子様のように、手の甲に口づけを落とす。
『やっぱり姫の相手は、王子しかいないよね』
そう言って、私を引き寄せてふわりと抱きしめる。
『慶喜さん、みんなが見てますから…』
『もう、誰もいないよ』
慶喜さんの言葉に、周りの様子を見回すと、いつの間にか誰もいなくなっている。
慶喜さんは、抱きしめていた腕をほどいたかと思うと、ふわりと私を抱え上げた。
『きゃっ!』
驚いて、思わずしがみつくと、慶喜さんが嬉しそうに言う。
『○○、今日は大胆だね。○○から抱きついてくれるなんて、嬉しいな。』
そう言われて、私は真っ赤になってしまう。
『ち、違います!慶喜さんが、急に抱き上げるから…』
私は慌てて反論するけれど、途中で慶喜さんに軽く口づけされて黙ってしまう。
『わかってる。私にしがみつく○○が可愛いいから、ついね。』
そう言って慶喜さんはクスリと笑う。
憎らしいほどキレイで色っぽい笑顔に、私は何も言えなくなってしまう。
抱きかかえられて、連れてこられたのは、大きなベッドがある部屋だった。
慶喜さんは私をそっとベッドに下ろして、私の髪をまとめていた髪留めを外した。
ほどかれた髪を優しく手ですきながら、慶喜さんが言う。
『怖い?』
そう聞かれて、私は小さく首を振る。
その様子を見た慶喜さんが、優しく笑って額に口づけする。
『無理しないで』
そう言って、頭をなでてくれる。
慶喜さんは、私の手をひいてバスルームに連れて行くと、優しく言う。
『ゆっくりお風呂に浸かるといいよ』
そう言って、バスルームのドアを閉めた。
ひとりになった私は、慶喜さんの優しさを感じて、微笑んでいた。
用意されていたバスタブのお湯は、幾つもの花が浮かぶフラワーバスだった。
嬉しくなって、ゆっくりと浸かったいると、気持ちがリラックスしていくのがわかる。
(私、緊張してたんだな…)
そう思いながら、お湯に浮かんだ花を弄んでいると、バスルームのドアが開いた。
そう思いながら、お湯に浮かんだ花を弄んでいると、バスルームのドアが開いた。
驚いて振り向くと、慶喜さんが入ってくる。
『け、慶喜さん!』
慌てて私は慶喜さんに背を向けて、近くに置いてあるタオルで体を隠した。
『な、なんで入って来てるんですか!?』
私の言葉なんて気にせずに、慶喜さんがバスタブに身を沈める。
『○○と一緒に入りたかったから』
悪びれもせずに言う慶喜さん。
私が背を向けたままバスタブの隅に寄っていると、後ろから抱きしめられる。
お湯の温度とは違う、慶喜さんの体温が直に伝わってくるのがわかる。
『○○、こっちを向いて』
慶喜さんに言われて、私が無言で首を横に振ると
慶喜さんが首筋に口づけをする。
その感触に、体がビクッと震えてしまう。
『こっち向いて』
もう一度言われて、私は顔だけを慶喜さんの方に向ける。
振り向いた途端に、慶喜さんに口づけられる。
優しいけれど、深い口づけに私は体の力が抜けてしまう。
何度も口づけられるうちに、私は慶喜さんに体を預けていないと倒れてしまいそうになっていた。
『○○可愛い』
慶喜さんは、すっかり力が抜けた私を向かい合うように抱き締め直す。
慶喜さんは私を見つめて優しく笑う。
『あんまり、見ないでください…』
『なんで?とってもキレイだよ』
そう言って慶喜さんが、鎖骨のラインをなぞるように指を滑らす。
慶喜さんが触れたところが熱くなっていく。
『恥ずかしい。』
そう言って、俯くと顎に手を添えて顔を上げられる。
まっすぐ私を見つめて、慶喜さんが言う。
『○○を私のものにしたい…』
その言葉に私が小さく頷くと、慶喜さんに口づけられる。
今までとは違う激しい口づけに吐息を漏らすと、慶喜さんが私を確かめるように優しく体を撫でていく。
私は体が熱くなるのを感じながら、慶喜さんに体を預ける。
『のぼせたの?』
慶喜さんの問いに首を振って答えると、また口づけをくれる。
何度も繰り返される口づけと、触れ合う素肌の感触に身を委ねながら、
(慶喜さんにのぼせてます…)
と心の中でつぶやいたのでした。