*会議*
月末のとある日。
「えー今日の議題は…」
近藤局長が背筋をピンと伸ばして
咳払いをする。
「来月の家事分担についてだ」
家事分担会議は
屯所中が注目する年中行事。
毎月様々な方法で
家事分担を決めるのだ。
ちなみに先月は腕相撲だった。
先々月はくじ引き。
「まず、今回の方法だが」
近藤局長が何やらごそごそと
風呂敷包みを取り出す。
室内が少し騒がしくなる。
「静かに!!」
土方さんがぴしゃりと
言い放つと室内は静まり返った。
「饅頭の早食いだ」
豪快に広げられた風呂敷には
驚くほどの饅頭たち。
「局長、そりゃないっすよ〜」
「すごい数だな」
「美味そうだな、おい」
隊士たちは
思い思いに言葉を発する。
「土方さん、困りましたね」
耳元で囁き声が聞こえてきて
彼は眉間に皺をよせる。
「うるせぇ、総司」
「近藤さんと喧嘩でもしたんですか?饅頭の早食いなんて、土方さんには辛すぎる」
眉を下げつつ
含み笑いをする沖田さん。
「……別に喧嘩もしてねぇし、家事当番がかかってるとなりゃあ、俺だってその気を出す」
そう言う彼の顔には
明らかに憂鬱な色が浮かぶ。
「順位別の当番表はこれだ、まずしっかり確認してくれ」
風呂敷の横に当番表が置かれ
隊士たちが群がる。
「うわーきつい」
「こりゃ負けられない」
騒めきがより一層強くなる。
「次に対戦表だ」
また一枚、紙が置かれる。
…土方−沖田。
他の隊士たちの
対戦結果を記しながら
土方さんは人知れず肩を落とす。
時間は刻一刻と過ぎ。
「よし次は、歳と総司だ」
「負けませんよ、土方さん」
「ふん…」
「準備はいいか?はじめっ」
………
結果は俺の惨敗。
毎日洗濯だ。
「ふぅ…」
「頑張ってますか?」
総司が楽しそうに尋ねる。
「うるせぇ」
「邪魔しちゃ悪いみたいですから、行きましょうか?」
「あ、でも…」
「ん?」
総司の影に隠れて見えなかったが
そこには○○が立っていた。
「何しに来たんだ…?」
「差し入れに来たんです、沖田さんに土方さんが一月洗濯当番だって聞いたので…」
総司を睨み付ける。
「見廻りに行ってきます」
だが、踵を返して
足早に立ち去ってしまった。
「……あの野郎…」
「手伝いましょうか?」
○○がおずおずと尋ねてきた。
「これは俺の仕事だ、お前はそこで待ってろ、終わったら送ってやるから…」
○○に背を向け
洗濯物を干しながら
俺は静かに口角を持ち上げた。